燃え尽き症候群対策に、合格から中学入学までに準備しておきたい5つのこと、やってはいけないこと!

  • 2020.01.28
  • 受験情報

 

 

2020年の中学受験も近畿圏では終わりを迎えようとしています。入学する中学が決まった生徒さんにとっては、やっと苦しい受験から解放され、いまホッとしているところではないでしょうか。それと同時に、中学という新しい環境に期待と不安を抱いていることでしょう。

毎年この時期、「入学まで何をしたらいいのか」というご質問をよくいただきます。そこで、「今から中学入学までに準備しておきたい5つのこと」と逆に「やらないで欲しいこと」「親御さまに気をつけてもらいたいこと」など、これから中学入学までの過ごし方をご紹介します。「燃え尽き症候群」の予防にもなりますから、中学受験が終わった方はぜひ最後までお読みくださいね。

 

CONTENTS:

1.燃え尽き症候群とは?

2.受験後から中学入学前までの考え方

3.【入学準備①】英語の学習

4.【入学準備②】数学の学習

5.【入学準備③】資格試験にチャレンジ!

6.【入学準備④】読書

7.【入学準備⑤】適度な運動

8.この時期やってはいけないこと

9.意外と盲点!? 親が気をつけるべきこと

10.まとめ

 

1.燃え尽き症候群とは?

毎年、中学受験が終わると、解放感というよりは志望校に合格したという、一種の「燃え尽き症候群(バーンアウト)」的な症状になる生徒がいます。これまで数年に渡り志望校を目標に頑張ってきたので、合格が決まったと同時に達成感はあるものの、生活の中での目標がなくなって気が抜けてしまい、虚脱感から何もやる気がしなくなるという症状です。これは子どもに限ったことではなく、実は親にもみられる症状なのです。

 

この状態が4月の入学まで続くと、いざ中学での授業が始まってもなかなかエンジンがかからず、周囲から遅れを取ってしまうということもよくある話です。一般的に多くの私立中学は公立中学に比べ進度が早いため、一度遅れだすと挽回するのは難しくなります。

目標達成後に疲労感を覚えるのは当然のことですが、比較的時間に余裕のあるこの時期に、この先の目標や計画を立てて、モチベーションを維持できるようにしていきしましょう。

 

2.受験後から中学入学前までの考え方

 

 

中学受験を終えた小学6年生が合格発表を終えると、今までのように通塾することもなくなり、塾の宿題や模試などに追われることもなくなります。これまで中学受験に向けて一生懸命頑張ってきたわけですから、ある程度解放感に浸るのもいいでしょう。というより、それも大切で必要なことだと思います。

ただ、今だからこそ気をつけないといけないこともあります。これからご紹介することは、すでに中学受験が終わって解放感に浸っている生徒さんにぜひ読んで欲しい内容です。

 

中学受験に向けて、せっかく身についていた学習習慣が途切れてしまうというのは、とてももったいない話です。もちろん、受験ほどの勉強量は必要ないのですが、1日に1~2時間だけでも必ず学習をするという習慣だけは続けた方がいいでしょう。今まで1日に何時間も机の前に座っていたのですから、まだその習慣が抜けていない今なら1日に1~2時間くらいはさほど苦痛でもないでしょう。

 

では入学まで具体的にどういった学習をすればいいのでしょうか。

中学に入って小学校と大きく変わるのが、教科で言うと英語数学です。他の国語や理科、社会は今までの知識からの継続が多いので、比較的すんなり入りやすいと思います。次では英語と数学について詳しく解説します。

 

3.【入学準備①】英語の学習

 

 

中学に入り、大きく変わる教科の1つが英語です。小学校の英語では比較的遊び要素の多い基礎の基礎だけで細かい学問的なところ、特に文法にはほとんど触れていないと思います。ですから、中学では皆ほぼ初めて英語学習するのに近い状態からのスタートです。しかしこの時点で、既に差ができてしまっている可能性も否定できません。小学校によって英語学習プログラムに差があったり、個人で英語を学んだりしている場合があるからです。

 

もちろん、これまでまったく英語の学習をしてこなかったとしても、中学の授業からのスタートで十分間に合いますので、必要以上に不安になることはありません。しかし、少しでも英語学習の下準備をしておいた方が安心ですし、気持ちに余裕を持つことができて授業にもスムーズについていくことができるでしょう。

 

英語は母国語ではないので、普段の生活の中で馴染みが薄いため、中学で初めて細かい学問的な英語に触れると拒絶反応を示す可能性もあります。前もって英語学習というものに触れておき、慣れておく方がいいでしょう。合格から入学までの短期間でできる勉強も限られますが、新たに取り組む教科として新鮮味のあるうちに楽しんで学習できるといいでしょう。以下はおすすめの具体的な英語学習法です。ぜひ参考にしてくださいね。

 

「英語耳」をつくろう!まずはとにかくたくさん英語を聞いて、英語に慣れる「英語耳」をつくることです。1日10分でも5分でもいいですし、聞き流すだけでいいので、NHKの基礎英語など、いちばん簡単な初歩のものからテレビやラジオなどで英語をたくさん聞きましょう

 

語彙力の先取り。やはり英語力に欠かせないのは語彙力です。いくら英語教育が会話重視の学習にシフトされても、最低限の単語が分からなければお話になりません。事前に中学校で英語の教科書がもらえる場合は、教科書の単語やフレーズを覚えて、書けるようにしておきます。教科書がなければ、参考書などで覚えるといいでしょう。

 

英語を使おう!お子さまを英語嫌いにさせないためには、親御さまもいっしょに英語を楽しむことです。これからの英語学習の評価は「覚える」英語ではなく、「使える英語」の時代になります。例えば簡単な日常会話「窓を開けて“Open the window, please.”」や「これ誰の本?“Whose book is this?”」など、会話の中に普通に英語を取り入れましょう。英語を学習するというよりは、英語を身近に感じ、日常で当たり前に使うものだと認識させることがポイントです。

 

4.【入学準備②】数学の学習

 

 

もう一教科、小学校と大きく変わるのが数学です。数学は算数と少し違いますので、今まで算数が得意だったから大丈夫と高をくくらずに、前もって予習をしておく方がいいでしょう。算数と数学の大きな違いは、文字式が出てくることと、負の数という概念が発生することです。文字式と負の数について、入学前に少し触れておくといいかもしれません。

 

もし、自分で新たな分野を学習するのが難しかったり意欲がわかなかったりするのなら、小学校の復習でもかまいません。何とか中学受験は乗り切ったものの、ややあいまいな知識のまま済ませている分野もあるのではないでしょうか。時間のあるこの時期にしっかりと理解を深めるのもいいでしょう。また、今後も必ず必要となる計算問題などは日々やっておくことをおすすめしたいです。

 

計算力は数学の基礎力ですので、その正確性スピードがとても大切です。これはサッカーやピアノといっしょで、何より練習が必要なのです。やればやるほどミスが減り、上手になり、速くできるようになります。速く正確に解ける計算力は、中学、高校になったときにが出ますし、これは数学だけでなく理科の分野にも関係しますから、時間のある今のうちに毎日10分でも15分でも計算練習をやっておきましょう。

 

5.【入学準備③】資格試験にチャレンジ!

これまでただひたすら受験のための勉強に励んできたと思います。そこではやるべき課題や目標があり、塾や家庭教師の先生から何をどう勉強すればいいのか明確に指示されていたことでしょう。いま、中学に入ってからのために勉強と言われても、正直今一つ「何をしていいか分からない」「その気になれない」ということもあるかと思います。

 

そのような場合には資格試験の勉強をしてみるのにもいい機会です。学校が始まれば日々の課題に追われ、定期試験もありますから、他の試験勉強をする余裕などないかもしれません。いまは時間の余裕もありますし、何よりまだ勉強癖、試験勉強に対する耐性ができていますので、いま人気の英検漢検数検など資格取得のための勉強をするのもいいでしょう。学校の勉強としてはもちろん、今後の大学受験や就職活動を考えたときに、アピールポイントになりますから役に立つこと間違いなしですよ。

 

6.【入学準備④】読書

 

 

国語のみならず、これからは他教科でも読解力や国語力が問われる時代ですので、知識教養を深めるためにも読書は欠かせません。これまでなかなかじっくりと読書に時間をかけることができなかったと思いますが、今のこの時期になら読書をする時間はたくさんあります。この期間を利用しない手はありませんので、ぜひ1冊でも数ページでも多く、読書をして活字に触れておきましょう。それは今後のあらゆる学習のプラスになりますよ。

 

そうは言っても、これまであまり読書に縁がなく、何を読んだらいいのか分からないという人もいるでしょう。そんな時は図書館に行くことをおすすめします。散歩にもなり、いい気分転換にもなります。図書館にはあらゆるジャンルの書籍が豊富にありますから、タイトルを見ていて気になるものを手にとってパラパラ見てみたり、新刊返却コーナーなどにある本などから探してみたりするのもいいと思います。

 

おすすめしたいのが、国語の入試や模試、練習問題などで出題された長文の出典を全文読むというもの。問題には当然ほんの一部分しか引用されていないので、この後主人公たちがどうなったのか、結末がどうなるのか気になるという生徒が案外多いのです。問題を解く目線ではなく、今度は純粋に物語を楽しんで読んでみてはいかがでしょうか。

 

7.【入学準備⑤】適度な運動

これまで家でも塾でも机の前に座っている時間が多かったと思います。今までの運動不足を解消するためにも、この時期を利用して思い切って外に出て体を動かし、体力をつけておくことをおすすめします。

 

この4月から小学校よりも学校が遠くなるのであれば、毎日重い荷物を持って長時間通学するわけですので、慣れるまでは相当疲れると思います。当然体力も必要になるでしょう。体力づくりにも、外へ出て友人や家族とスポーツなど運動をしたり、今までできなかった遠出旅行をしたりするのも思い出づくりにもなっていいでしょう。

 

また、今後一人で電車やバスに乗って通学するようになるのであれば、この休みの間に一人で学校まで行って帰ってくるという下見をしておくことをおすすめしたいです。

 

8.この時期やってはいけないこと

 

 

これまで中学入学前までにやっておいた方がいいこと5つ述べました。それでは逆にやってはいけないことは何でしょうか。いちばん良くないのが、スマホゲーム三昧で、ダラダラと1日を終えてしまうことです。せっかく勉強する生活リズムができているのに、スマホやゲームばかりしてそのリズムを崩すのはもったいないですし、ましてやそのまま中学に入学するのは問題です。

 

中学での勉強も最初が肝心です。小学校の時と違い、生徒たちの実力は拮抗しています。最初でつまずくと、そのまま「勉強についていけない=面白くない」と、余計に(面白い)ゲームに逃げて、更に「ついていけなくなる」という悪循環に陥ってしまう危険があります。

 

そうは言ってもまだ小学生。受験中はゲームも友達と遊ぶことも我慢してきましたから、頑張ったご褒美として少しは解放感に浸らせてあげることもまた必要でしょう。親御さまとしても、今くらいは手綱を緩めてあげたいと思うと思います。しかし、緩めすぎると入学してから逆にかわいそうな思いをさせてしまうことになりますので、どこかでちゃんと手綱を締めることも大事です。スマホやゲーム、テレビなどは1日〇時間までというように、前もってルールとしてきちんと決めておくといいでしょう。

 

いずれにしても、入学までの間一番やってはいけないのは、全く勉強をせずにダラダラと無駄に日々を過ごしてしまうことです。

 

9.意外と盲点!? 親が気をつけるべきこと

 

 

上記「8」のように、この時期の子どもの生活について考え、手綱を握るのは親御さまの役目です。しかし、実は意外と気がつかないのが、親も子どもと二人三脚に臨んだ中学受験が終わったことにより、子ども以上に「燃え尽き症候群」になってしまうことです。

 

受験中は子どもが学校から帰ってきたら塾へ送って、お弁当を作ったり塾のプリントを整理したり、隣で勉強を見てあげたり忙しくしていたのではないでしょうか。それら全てが急になくなり、力が抜けて虚無感に陥ってしまう場合があるのです。そうなると子どもの手綱の調節どころではなくなってしまいます。親御さまの気持ちの「揺れ」はお子さまにも伝染してしまうものです。

 

親御さまも気持ちを切り替えて、ご自身の体力面精神面のケアもちゃんとしてあげましょう。お子さまが4月からの新生活でいいスタートが切れるよう、まずは親御さまご自身のケアをしっかりした上で、お子さまの生活面や学習面、精神面などのサポートをしてあげてくださいね。

 

10.まとめ

今回は受験合格後から中学校に入学するまでにしておいた方がいいことしないでもらいたいことなどを中心に過ごし方についてご紹介しました。せっかくお子さまが頑張って合格した中学です。1学期からエンジン全開でスタートできるようにしたいものですよね。受験が終わり、ほっと安心するこの時期、思いきりはめを外したくなるのも分かりますが、ぜひ勉強癖だけはなくさないよう心がけてください。特に英語や数学に苦手意識をつくってしまわないように、しっかりと準備をしましょう。

 

何を勉強していいか分からない方、中学のレベルが高いので授業についていけるか不安な方は、一度プロの家庭教師にご相談ください。入学までに何をしたらいいのか、お子さまに見合ったプログラムをいっしょに考えていきましょう!

 

 

 

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浅田ゆうき先生

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