賢者は愚者に学び、愚者は賢者に学ばず

更新日:2017.04.15

 これはフランスの哲学者モンテーニュの「賢い者が愚か者から学ぶ事の方が、愚か者が賢い者から学ぶ事よりも多い」という言葉から派生したものだと思われますが、私はこの言葉がとても好きで、勉強を頑張る子ども達に伝えたいと思います。
 これを今の教育現場に置き換えてみましょう。単純に考えると「賢者」とは教える者(教師)で、「愚者」とは教わる者(生徒)と思われるかもしれませんが、決してそうではありません。
 「賢者」とは、何事からも学ぶ(学ぼうとする)者で、対して「愚者」とは、何事からも学ばない(学ぼうとしない)者です。両者の違いは立場によるものではなく、その人間の生きる姿勢 によるものなのです。
 例えば、成績優秀なA君と、努力してるように見えるのに、なぜか成績が伸び悩んでいるB君がいたとします。A君はそんなB君を見て、「B君はあれだけ努力しているというのに成績が上がらず、なんと愚かなのだろう。優秀な自分は、自分より劣るB君から学ぶことは何も無い。」と思い、B君は「これだけ努力しているのに、なぜ自分は成績が伸び悩んでいるのだろう。成績優秀なA君から何か学べることは無いだろうか。」と考えたとします。この場合、現状の成績がどうであれ、A君は「愚者」で、B君が「賢者」であると言わざるを得ません。いずれB君はA君を超えていくでしょう。
 私の指導経験から言っても、成績というのは波があるものです。驕りや怠慢 によって成績が下降する事はいともたやすく、反対に、謙虚な姿勢や地道な努力はいつぞや実を結ぶものです。
 では心苦しくも「愚者」の烙印を押されてしまったA君は、どうすれば「賢者」になれるのでしょうか。B君の成績が伸び悩んでいる原因を分析し、自分も二の舞を踏まないように気をつける。ここまでで、ひとまず「愚者」の汚名は返上されるでしょう。とは言え「賢者」への格上げまでは、あと一歩です。さらに、謙虚な姿勢と地道な努力で成績を上げてくるB君の生き様から、自らの姿勢を省みて学ぶならば、A君は、真の「賢者」となれるのです。
◆算数科 前田敏孝◆