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入試では矛よりも盾の方が強い

更新日:2017.05.11

中学入試において、「絶対に勝つぞ!」(=矛)という気持ちと、「絶対に負けないぞ!」(=盾)という気持ちのどちらの気持ちが試験を受ける時に有利だと思いますか。
 試験場で「勝つぞ」という気持ちの子は、気合や気迫に満ち溢れ、これから襲いかかってくる"問題"という強敵を、倒して倒して倒しまくるぞ!と鬼気迫るものがあるでしょう。
 しかし入試では、そう簡単に解ける問題ばかりが出題されるわけではありません。自分の力を超えた難問に遭遇し、自信に満ち溢れた"矛"でも貫き通す事が出来なかった時には、結果的にその自信は砕かれ、精神的ダメージを負いかねないのです。そうなると、難しいその科目はもちろん、後に控えている科目の出来にも影響を与えてしまうでしょう。攻撃性というのは、案外脆く、隙が多いものなのです。
 一方の「負けないぞ!」という気持ちは、一見控え目なのですが、内に秘められた静かな闘志です。相手を打ち砕いて"勝つ矛"に対し、自分が諦めない限り"負けない盾"は、困難に直面した時でも精神的に滅法強いのです。また問題に"負けないため"の備えは事前に出来る事であり、弱点分野の補強や、ミスによる自滅をなくすという地味で地道な努力こそ、受験勉強で最も大切な作業であり、強堅な守りは、最終的には最大の攻撃となるのです。大学受験やそれ以降の将来を見据えている小学生など、長期戦においても、事前にしっかり準備する「負けないぞ」という戦い方はとても有効です。
 とは言え、「勝つぞ」という気持ちがいつも間違いであるというわけではありません。サッカーや格闘技のように、守備を固めつつ、相手の一瞬の隙を突いて攻撃する。その際には「勝つぞ」という勢いが力となりますので、攻守ともに鍛えて上手く戦う事が望ましいのは、言うまでもありません。
 また気持ちのあり方という意味では、少し話はそれますが、受験において「合格」と書かれた紙を部屋中に貼ったり、「強く願えば叶う」と信じて合格を勝ち取った子も確かに存在はします。しかし、そのような精神論や願掛けは、勉強面で万策を尽くしてこそ効力を発揮するものであり、それだけを頼りにするのは筋違いです。まずはきちんと受験校の対策をし、力を最大限に発揮できるようにコツコツと準備をしてきた子が、やはり合格を勝ち取るのだと思います。
◆算数科 前田敏孝◆