無意識と意識をうまく使いこなそう

  • 2017.08.22
  • プロ教師日記
アメリカの哲学者ジョン・デューイの言葉で、「人間は習慣の生き物である」という言葉があります。この言葉は、中学受験に向けて勉強を頑張っている子ども達にも、大いに当てはまります。

例えば、算数で計算ミスをよくする子は見直しを怠っている事が多く、それが習慣になってしまっているのです。そのような子達は、見直しをするように注意されると、その時はきちんとするのですが、続いてもせいぜい2~3日で、見直しをする事が習慣化されるより先に、それを"怠ってしまうという習慣"に逆戻り...という事もしばしばです。

脳はここぞという時のためにエネルギーを温存しようとするため、人間は日々の習慣的な事において、極力脳に負荷がかからないよう無意識に行動する傾向にあるそうです。つまり、計算ミスをよくする子の多くは、きちんと見直しをしないという事が習慣となっており、その悪習慣を無意識に行っているのです。

では、どのように直せばいいのでしょうか。
それは、見直しをする事が習慣化されて"無意識に"行われるようになるまで、"意識的に"見直しをし続けるのです。意識して繰り返す事によって、いずれその行動は習慣となり、無意識に行えるようになるからです。

もちろんこれは計算ミスを減らすことに限った話ではありません。だらだらと注意散漫で勉強してしまう子は、短時間であっても、勉強する時には集中するという事を意識的に行い続けると、それは習慣となり、集中して勉強する事を無意識に出来るようになります。

他にも、つい遅刻してしまう子は、定刻までに行く事と、そのために必要な行動や準備を、しばらく意識的に行い続けましょう。あるいは、いつも夜更かししてしまう子は、就寝時間を決めて、意識してその時間に寝る事を続けてみて下さい。もちろん寝る準備も意識的に行うのです。いずれの場合も、一連の流れが習慣化されれば、何を考えるでもなく定刻に行く事が出来るでしょうし、また、決められた就寝時間には自ずと眠たくなるでしょう。

日々の習慣は、無意識の行動を可能にしますが、それは"意識的"な行動の継続によって書き換えることができます。1ヶ月も頑張れば、たいていの習慣は変わり、無意識に行えるようになります。その分の脳のエネルギーはセーブされるわけですから、それを有効に使う事が出来れば、二重にお得なわけです。

皆さんも一度「習慣」を見直されてはいかがでしょうか。


◆算数科 前田敏孝◆
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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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