体罰で成績は上がらない?~子どもをやる気にさせる言動・ダメにする言動とは~

  • 2019.05.24
  • スタッフ日記

 

体罰虐待の痛ましいニュースが後を絶ちません。今の世の中、「いかなる理由があっても暴力は絶対にいけない」とされているのにも関わらず、日本ではまだ「体罰は必要悪だ」という考えが根強くあります。未だ「しつけのためにはやむを得ない」と考える人の方が多数でなかなかなくならないというのが現状です。実は世界的にみて日本はかなり後進国なのです。

 

 

グローバル化が進むなか、親や教師など大人のこうした考えは改めなければなりません。上図のグラフのように、2018年時点で世界では54ヵ国が法的に体罰を禁じています。実は体罰は悪影響こそあっても、メリットはほとんどありません。

それでは「体罰によらないしつけ」とはどういうものでしょうか。ここでは、体罰がなぜ悪いのか、子どもをやる気にさせる言葉、またはダメにしてしまうNG言動をご紹介します!

 

1.そもそも体罰とは?

 

体罰とは、親や教師、コーチなどが指導する上で与える肉体的、精神的苦痛を伴う懲戒罰のことです。つまり、殴る、蹴る、長時間立たせるなどの身体的苦痛を伴うものや、人格を否定するような暴言や罵声を浴びせるなどという精神的苦痛を伴うもののことをいいます。これは「体罰ではなくしつけだ」「指導の一環である」と反論することがありますが、そうでなければただの暴力で犯罪です。

 

体罰や虐待を行う人のなかには、規律やルールを重んじる日本の伝統文化だと思っている人が多いようですが、これは誤りです。むしろ江戸時代は、外国人から日本は子どもに体罰を与えず、言葉でしつけをしている「子どもにとって天国の国」と驚かれていたほどです。

これが戦前、軍国主義教育となり、体罰や暴力は当然とされるようになってしまったのです。つまり、体罰を行っている大人は、日本の伝統文化や教育などではなく、戦前の軍国主義を未だ引きずっているということになります。

 

2.体罰はなぜよくないのか~知られざる副作用的リスクとは

 

確かに子どもは体罰によって、恐怖心から一時的に言うことをきくようになります。それが低年齢なら低年齢ほどその効き目は大きいでしょう。しかしながら、その悪影響も低年齢ほど大きくなってしまいます。

 

◆脳が損傷する?

いちばん怖いのは脳を傷つける恐れがあることです。小児科医で脳科学者である友田明美教授によると、「体罰は脳の一部を傷つけ、学習への意欲を低下させたり、大人になってから精神疾患を引き起こしたりする恐れがある」と述べています。脅したり暴言を浴びせたりする心理的な虐待も脳が変形してしまうと言われています。

 

◆無力からいじめへ

次に自主性を喪失し、積極性が失われる恐れがあり、自分の意志がもてなくなり無力になってしまいます。学習意欲はもちろん、何に対しても興味が持てず、自分の意志で何もできなくなります。結果いじめにあうリスクも高くなってしまうのです。

 

◆高まる犯罪リスク

逆に人が自分の思う通りの言動をしない場合には、暴力でいうことをきかせようという連鎖が起こってしまいます。それは「暴力は必要だ」と刷り込まれてしまっているためです。青年になると暴力事件を起こしたり、家庭内暴力をふるったり犯罪行為に走ってしまう例も多くあります。

 

◆体罰をしてしまう大人本人も傷つく

親や教師が子どもに体罰をしてしまった場合、被害を受けた子どもはもちろんですが、加害者となった本人もまた心に深い傷を負ってしまいます。それが知らず知らずのうちにどんどん心を蝕み、さらなる体罰や虐待へと発展、エスカレートしてしまい、更に心を病んでしまうという悪循環に陥ってしまいます。自分のためにも決して他人に、ましてや小さな子どもに手をあげないようにしましょう。

 

3.子どもをやる気にさせる言動

 

勉強は恐怖心を植えつけて無理やりさせるものではなく、子どもが自ら進んで勉強するものだということは十分に分かっていても、自らやらないから困っていると悩む親御さまがほとんどではないでしょうか。

 

それでは、やる気にさせる言動とはどういうものでしょうか。

十人十色で子どもはそれぞれ違います。万人に共通する魔法の言動などというものはありません。それでも、多くの親御さまやお子さま、そしてプロの教師たちと長年に渡り接してきて1つだけ言えることがあります。それは、

↓↓

「褒められていやがる子どもはいない」

 

ということです。

「よくこれが分かったね」「すごい!よく頑張ったね!」「よくできるね」と笑顔で言われて、いやに思うはずがありません。たいていの子どもは大喜びするか、はにかんでみせるでしょう。たとえその時は不愛想でいい顔を見せなかったとしても、内心は喜んでいたりするものです。

 

【本当にあった!プロ家庭教師のちょっといい話】

 

以前、中学受験を目指している小学4年生の女児Aさんを担当していたプロ家庭教師の先生。Aさんがあまりにも不愛想でいつもムスっとしているので、嫌われているのかと思ったそうです。先生はなんとかAさんに笑顔になってもらおうと、問題ができたときはたくさん褒めて、オリジナルのスタンプやシールを用いて、毎回「よくできたね」とノートに貼っていたそうです。結局Aさんは笑うことなく不愛想なまま2年が経ちましたが、中学入試は無事第一志望校に合格して家庭教師は終了しました。

それから何年か経ち、偶然駅でばったりAさんと会った先生。すっかりお姉さんになったAさんから驚きの事実を聞かされました。

「先生、あの時のノート今でも大切に取っています。実はあの頃先生のスタンプやシールが嬉しくて、毎回欲しくてがんばっていたんです!」

先生はAさんの言葉を聞いて、やっていたことがムダではなかった、ずっと褒め続けて良かったと心から思ったそうです。

 

確かに子どもに自らやる気を起こさせるようにするのはとても難しいことだと思います。しかし、やる気をなくさせる言動をしないようにすることはそれほど難しくはありません。

言葉一つで子どもは簡単にやる気になったりなくなったりしますから。

それではやる気をなくさせる言動とは何でしょうか。

 

4.子どものやる気をなくさせる言動とは

 

前述「3」で「褒める」ことがやる気にさせる言動と言いましたが、何でもかんでも褒めればいいというものではありません。明らかに誰でも解けるような簡単な問題を解いて「すごいね、よくできたね」と褒められても嬉しくないものです。

ある程度難しい問題が解けた時にだけ褒める方がずっと効果的です。また、難しい問題に取り組んだものの、最後まで解けなかったとき、「なんだ、最後までできないじゃない」ではなく、「ここまで解けたんだからすごいよ!きっと最後まで解けるよ!」というようにポジティブな声かけを心がけましょう。

同様によくあるNG言動と、おすすめ言動をシーンごとにご紹介します。

 

【シーンごとにみる、あるあるNG言動!】

◆何度も同じミスを繰り返す

×「前にも教えたのに」「さっきやったばかりじゃない」

〇「このミスみんなよくあるよね。どうしたらなくなるかな?」

 

◆子どもが分かったと言ったのに、実は分かっていなかった

×「さっき分かったと言ったじゃない。嘘ついたの!」

〇「分かったつもりでも実際やってみると難しいよね。もう一度説明するね。」

 

5.まとめ~体罰によらない学習指導でみんなハッピーに!

 

子どもは「」という言葉に過度な拒否反応を見せるものです。本人は嘘などついたつもりは毛頭なく、本当に「分かった」と思っていたからそう言っただけなのに、大人から嘘つき呼ばわりされるのは、まるで泥棒扱いされたように傷つきショックを受けます。

 

そういった否定的なネガティブワードをぶつけるのではなく、褒めたり励ましたりするポジティブワードを言ってあげることで、優越感を持ち、勉強が楽しく思えるようになります。「勉強はできると嬉しいもの」と感じ、自ら率先して勉強するようになるものです。それは強制的にやらされているよりもずっと学習の能力知識の吸収力が高まりますから、いい結果に繋がります。成績や点数も上がり、ますますやる気になるという好循環ができます。

 

体罰などによる恐怖心や強制では学習の成果は上がりません。子どもをやる気にさせ、笑顔にさせれば、親も教師も笑顔になります。お互いがウィンウィンになれる関係が理想です。

 

難しいのは同じ言動でも人によって感じ方が違うということです。信頼関係のある人から言われても何でもないことが、関係性が悪い人から言われると不快に感じてしまいます。そして相手がどう感じるかが重要ですから、学習指導する上では親でも教師でも子どもとの信頼関係をまず構築することがとても大切です。

 

そうしたことを踏まえ、教師をお願いする際には、ぜひ経験豊富で子どもから信頼されるようなプロの教師を選ぶことをおすすめします。まずは一度体験してみるとより安心ですよ!

 

 

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浅田ゆうき先生

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