どうなる高3、中3生⁉全国総体など相次ぐ大会中止と9月入学論に求められる心のケア!

  • 2020.05.16
  • スタッフ日記

 

 

全国高校体育連盟(全国高体連)は4月26日、新型コロナウイルスの感染拡大で今夏の全国高校総合体育大会(インターハイ)」を中止すると発表。続く28日、日本中学校体育連盟(中体連)も、今夏に東海地方で予定された全国中学校体育大会(全中)」の中止を決めたと発表しました。これは史上初のことです。

また、スポーツ系のみならず、今秋に開催予定だった国内最大規模の音楽コンクール「全日本吹奏楽コンクール」の中止も5月10日に決定、発表されました。

 

このように新型コロナウイルスの影響は、子どもたちにとって学校の休校による学習の停止のみならず、社会のさまざまな場所で多くの影響を及ぼしています。ここにきて9月入学論まで急浮上し、混乱を極めています。なかでも、今年の高3、中3生にとってその影響は甚大でしょう。そこで、今回は特にこの学年の子どもたちとその保護者に向けて、心のケアなどを含め言葉を綴りたいと思います。

 

CONTENTS:

 

1.全国高校総合体育大会の中止に伴う高3生への影響

2.保護者の対応はどうすべき?やってはいけないNG行為!

3.受験スイッチの探し方

4.急浮上した9月入学論のメリット・デメリット

5.まとめ~高3、中3生へのエール

 

1.全国高校総合体育大会の中止に伴う高3生への影響

 

 

■全国高校総体(インターハイ)とは

全国高校総体(インターハイ)は30競技の高校日本一を決める大会で1963年から毎年行われており、先にも述べたように中止は史上初めてのことです。クラブ活動を頑張ってきた多くの高3生にとって、引退前の最後の大会と当たり前のように位置づけていたことと思います。高校3年間のあるいは中学時から5~6年間の集大成でもあり、ただひたすらこの大会のために頑張ってきたと言っても過言ではないでしょう。

 

もちろん全国大会に出場するためには各都道府県で予選があり各都道府県総体で勝ち上がった代表のみが出場できる大会ですので、出場できるのは各都道府県の頂点の一部の選手のみです。ほとんどの生徒は全国大会まで進めないにしても、各都道府県大会の予選またはその前の地区予選を最後の大会と考えている場合が多いでしょう。今回はその予選すら全ての選手が出場できないという、本当に異例の事態なのです。

 

■高3生への心の影響

毎年、親に「受験生なのだから少しは勉強もしなさい」と言われても、「この大会までは」「この大会が終わったら受験に向けて頑張るから」とけんかをしながらも部活に打ち込んできた高3生がたくさんいます。小さい頃から中学高校と同じスポーツをしてきて、大学では新しいことをしようと高3を1つの締めくくり(=ケジメ)のように考えていた生徒も多いでしょう。

 

今回、コロナ禍の影響とはいえ、この予選会すら行われずこのまま引退となるのは酷だとしか言いようがありません。これまで何のために頑張ってきたのかとぽっかり気持ちに穴が空いてしまわないか、このまま終わって大学受験に向けて上手に気持ちを切り替えられるのかとても心配です。その精神的な影響は計り知れないものがあるでしょう。

 

2.保護者の対応はどうすべき?やってはいけないNG行為!

 

 

■こんなときこそ注意!保護者のNG行為とは

中高の大会コンクールの中止は、お子さまの晴れ舞台を楽しみにしていた親御さまにとっても、かなり衝撃だったと思います。かける言葉も見つからず、親子で茫然自失状態に陥ってしまったなどということも少なくないのではないでしょうか。

 

しかし、ここで親御さまの方がいつまでも暗い顔をしていたり、悔やんだりばかりしていたら子どももたまりません。ましてや「大会がなくなったから勉強時間が増えたわね」や「さあ、大会がないのだから約束通り今日から勉強」などとは間違っても言わないようにしましょう。親御さまはやる気にさせようと慰め半分のつもりかもしれませんが、子どもの方は「まったくわかってない」と余計にやる気をなくしてしまいます

 

■有効な声かけの言葉はある?

ショックからなかなか立ち直れない受験生たちに、どのような声かけをし、どう高校受験や大学受験に向かわせればいいのでしょうか。これはたいへん難しい問題だと思います。

正直、正解となる声かけの言葉はありません。いまは何を言っても「自分が頑張ってきたことなんて親にはわからない。理解してもらえるわけない」と反発されてしまうことがほとんどです。下手に声かけをして口論になってしまっては、立ち直ることも勉強に向かうこともできません。

 

立ち直る方法は人それぞれ個人の性格にもよりますから、その方法も千差万別です。ただ、一つの大きな目標を失い、将来像が崩れたなかですぐに気持ちを切り替えるのはなかなか難しいでしょう。真面目に部活に取り組んできた子どもなら、なおさら難しいと思います。

 

■保護者がいまできること

しかし、月並みですが時間が解決してくれますから、今は落ち込んでいる子どもたちもいつかは立ち直ります。これまで何かに必死に打ち込んできたお子さまたちです。向上心も高く、精神力も鍛えられて強いはずです。いつまでも後ろ向きにはなっていません。本人自身がこのままではいけないと、必ず前に進もうとしてくれるでしょう。それを信じて見守る他ありません

 

親御さまがいまできることは、言葉よりも黙って肩を抱き、「わかっているよ」「あなたのがんばりはよく知っているからね」という無言のメッセージを送り続けることです。

我が子を信じて、「絶対立ち直ってくれる」「この苦悩をバネに変えてくれる」と大きく構えて待ちましょう。その気持ちは言葉にしなくてもきっとお子さまに伝わると思いますよ。

 

3.受験スイッチの探し方

 

 

■大切なのは距離感!

本人が自力で立ち直ろうと、少しずつでも受験にシフトしようとし始めたら、軽く背中を押してあげるのも保護者の役目です。勉強中に好きなものを差し入れしたり、「頑張っているね」という簡単な一言の声かけをしたりするだけでもいいでしょう。あまり露骨な行動をとると白々しくなり不快に受け取られてしまうかもしれません。コロナ禍で苦悩している上に思春期という難しいお年頃ですから扱いはたいへん難しいです。しかし、いつでも親がついているという安心感だけは見せるようにしてあげましょう。

 

良くも悪くも親御さまが「いつも見守っているよ」と示しておくことがとても大事です。腫物に触れるように恐る恐る接するのではなく、近すぎず遠すぎずの絶妙な「距離感」が大切です。もちろん距離感は人によりさまざまで全員に正解の距離感などというものはありません。その子どもに合った距離感で接することです。

 

■良い面の「気づき」を見つけよう!

少し落ち着いてきたら、コロナ禍で「良かったこと」「気づいたこと」などを親子で話し合ってみるのもおすすめです。

 

・学校や部活のありがたみがわかった

・仲間の存在の大切さを痛感した

・当たり前だと思っていた日常生活が恵まれていたものだとわかった

・通学時間を有効に使えるようになった

・家族との時間が増え、関係が良好になった

・衛生や健康面に気をつけるようになった

・世界の情勢やニュースなどに関心をもつようになった

・この代の絆が深まり、後々大人になっても語り継げそう

 

このような状況下でも前向きになれることもあることを話してみることで気持ちが明るくなり、暗いなかでも希望の光を見出せるかもしれません。

 

■オンラインの説明会を調べよう

頃合いを見計らって、受験校選びにさまざまな学校のHPを検索してみましょう。お子さまが関心のある部活に力を入れている学校や、性格に合ってそうな学校など、家にいながらでもネット上で検索することは十分可能です。また、例年のように学校の説明会に足を運ぶことはできませんが、多くの学校がオンラインの学校説明会を開催しています。これらに参加してみることで、徐々に気持ちも受験モードに切り替えていけることと思います。少しずつ志望校という目標に気持ちをシフトしていくように上手に促していけるといいですね。

 

4.急浮上した9月入学論のメリット・デメリット

 

 

 

9月入学論について考える

相次ぐ大会中止に続き、ここにきて急浮上した9月入学論で、受験生には入試はいつになるのか、内容はどうなるのかと、さらなる混乱が生じていることと思います。

元々は「学習の遅れを取り戻し学習の格差を解消する」ということから始まりましたが、一方で既に進んでいるところはさらに進んでしまうので、実はより学習の格差が広がってしまうと懸念もされています。

 

9月入学はグローバルスタンダード?

欧米などの多くの学校は9月開始制なので、日本もこの機会に「グローバルスタンダード(世界基準)」に、とよく言われます。しかし、お隣の韓国3月インド4月オーストラリア1~2月シンガポール1月タイ5月フィリピン6月です。開始月を合わせるだけでは「グローバルスタンダード」とは言えないでしょう。

 

また、9月入学にすることにより海外留学がしやすくなるとも言われています。欧米や中国、ロシアなどでは9月始業開始なので、確かに留学はしやすくなるでしょう。ただし、現況のように後ろ倒しにしてしまうと諸外国から1学年遅れる入学となってしまうことに留意しておかなければなりません。

 

■寒い時期VS暑い時期の入試

9月入学制では、大雪インフルエンザが流行する時期の入試が避けられるというメリットもありますが、酷暑のなかでの入試も熱中症の心配もありますし、厳しいものがあるでしょう。特に日本の夏は災害シーズンでもあるので、年々被害が拡大している台風豪雨直撃も心配されます。

 

■どうなる受験生?

そもそも学年開始時期を半年後ろ倒しにすることで、その授業料や塾代が加算されてしまうことになります。その負担はどうなるか、また学齢就職はどうするかなど、デメリット課題も多く問題は山積です。

9月入学がどうなるのかはまだわかりませんが、いずれにせよいまいちばん困惑し負担になっているのは受験生とその保護者の方々でしょう。このような混沌とした状況のなか、モチベーションを持ち続けるのはたいへんですが、今後どのようになっても淡々といま自分のやるべきことに向き合っていって欲しいと思います。

 

5.まとめ~高3、中3生へのエール

 

 

今回大会中止についてお話させていただいたのは、全国高校総体に出場どころかその予選の機会さえ失ってしまった生徒たちのことを想うと、本当にいたたまれない気持ちになるからです。実は当セミナーのスタッフのなかにも高校時代に全国高校総体を目標に頑張っていた者がいて、その気持ちが痛いほどよくわかると衝撃を受けています。

 

いまの現高3生、中3生にとっては、なぜ自分たちの代にこんな目に遭わなければならないのかと不条理に思うでしょう。さらに高3生は共通テストもゴタゴタだった上に9月入学論まで出て、混乱し戸惑ってしまう受験生も少なくないでしょう。

 

しかし、親御さまはもちろん、これまで部活に学業にと頑張ってきた高3生、中3生を心から評価し、応援している大人もたくさんいるということを忘れないで欲しいです。

 

この悔しさや不条理な状況を乗り越えたとき、きっと他の代にはない喜びや強さが得られると思ってください。このような体験をしたのは、今の高3生と中3生だけですからね。

悪いことの後には必ずその分の良いことがある」と信じ、いま目の前にあることを一歩ずつ着実に進めていって欲しいです。

 

今回の事態で特に大きな影響を受けている高3生、中3生には本当に頑張っていただきたく、心からのエールを送りたいというのが当セミナー、スタッフ・講師一同の思いです。

 

 

 

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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