杏林大学
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入試の傾向
全体の傾向としては標準クラスの問題が多く、奇をてらった独自のパターンは見られません。ただ、表面上は平均的な私大医学部と同じような構成でも、思考力や計算力でワンランク上のレベルで解答を要求される場面もあります。上位系私大医学部と同様の対策を講じ、過去問などで傾向をつかんだうえで学習を進めてください。
各科目の入試の傾向と対策
外国語 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:60分 満点:100点 |
【傾向】 | 大問4題で、短文空所補充、対話文を完成させる問題、誤文訂正問題、長文読解問題が2題という構成は例年変わらず続いています。解答はすべてマークシート方式。 前半3題については比較的標準的な問題を中心にしていますが、一部難易度を上げたり、見慣れない細かな表現が求められる場面もあります。語彙やイディオムなど、上級レベルの知識が必要になるでしょう。対話文の完成問題も、会話形式の口語表現を深く問うというより、標準の語法・文法に基づいた内容の理解という視点で問われます。 長文読解問題は独立して2題あり、それぞれ医療系や自然科学系のテーマから出題される傾向にあります。また、長文に用いられる単語にはやや難解なものも含まれますが、内容理解に大きな影響がない限りさほど問題はないでしょう。ただし、長文2題中1題の難易度を高くする傾向があり、文法・語法の細かな理解まで求められるので注意が必要です。 |
【対策】 | 60分間ですべてを解ききるには、長文以外の問題と長文2題とで時間を3分の1ずつ配分する感覚でいてください。そのためには、前半部を素早く処理する必要があります。また、単純な知識を問う問題は取りこぼさず、見慣れない問いに戸惑って時間をかけすぎないことです。確実に取れる問題を答えていくという姿勢で臨んでください。 空所補充、誤文訂正関連では、語法・文法に関する演習問題で定型のものをしっかりインプットし、頻出分野がすぐに出てくるように準備しましょう。会話文の特別な口語表現等も、一通り演習しておくとベストです。 長文読解問題への対策としては、文全体の素早い内容把握がポイント。細かな部分にこだわって意味をつかめないでいると、時間切れとなる恐れがあるので注意が必要です。 内容一致問題の設問リード文にある情報をうまく活用して、時間をかけずに本文を理解するテクニックも身に着けていただきたいところです。 |
数学 | |
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試験時間・点数配分 | 試験時間:60分 満点:100点 |
【傾向】 | 大問4題で全問マーク式の穴埋め形式問題です。難度の高い問題が多く、時間内にすべてを解ききるのは非常に難しいでしょう。 教科書の基本的解法に加えて高度な内容をポイントごとに挿入してくるので、平易な問題とハイレベルな問題との差が大きいのが特徴です。 出題範囲は広く、微分積分をメインに極限、二次曲線、ベクトル等が頻出し、どの分野もまんべんなく出題されます。特に、図形問題を絡めて総合的な知識問題として出されることもあり、苦手な分野を作ると危険です。 また、誘導にうまく乗れるかどうかで解くスピードも題数も変わってくるでしょう。長文で分かりづらい内容も多く、読み解く力の差が出る内容です。誘導を読み進めながら解法を思い浮かべられるレベルの数学力が求められます。 複数単元の融合問題が多いのも特徴的。各単元の基本や定義の習熟度が試され、その発展問題はハイレベルと言わざるを得ないでしょう。 |
【対策】 | 普段解ける標準問題でも、早く、正確に処理できなければ時間切れになる可能性が高いので、定型解法の導出が素早くできることが必須となります。また、問題の難易度にばらつきが大きいため、取捨選択も視野に入れて本番に臨むようにしてください。 単元ごとに教科書レベルの基本知識が正しくインプットされていないと、複数単元が混在した問題では戸惑うことも多いようです。複数単元が融合した問題集や本校の過去問を繰り返し解いておきましょう。融合問題が多い順天堂大学医学部や獨協医科大学などの過去問も参考になるはずです。 また、誘導形式の問題に慣れていないと、問題の意図がくみ取りにくく、かえって無駄な時間を費やすことにもなりかねません。高レベルの他大学の過去問にも挑戦し、誘導の意味を素早く理解するために鍛錬することをおすすめします。 |
物理 | |
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試験時間・点数配分 | 2科目選択 試験時間:100分 満点:150点 |
【傾向】 | 大問4題の構成で、すべてマークシート方式です。力学や波動、熱力学、電磁気学を中心に、単元ごとで問題が独立しているのが特徴です。難易度の上下幅が広く、基礎的なものから高いレベルの発展問題まで、さまざまなものを例年盛り込んでいます。 選択式と穴埋め式の解答形式ですが、選択肢も多めでミスを誘発しやすい設定になっています。特に数式を求める問題では、近似の内容が多くあるので注意が必要でしょう。 計算問題も数、量ともに多いのですが、穴埋めの場合は計算途中でも解答できるので、時間短縮につなげることが可能です。 力学や電磁気学のなかに標準問題ではあるものの、状況設定が変わっていたり、見落としがちな細かな部分まで取り上げられることもあります。また、原子の分野も出る可能性がありますから、疎かにしないで準備してください。 |
【対策】 | 理科は1科目50分程度しか当てられないことを考え、定型問題は素早く解けるようにしておく必要があります。典型問題の演習をこなして、教科書にある基本内容が定着するまで繰り返しましょう。 また、正確に公式を覚え、導出できることはもちろん、応用問題に対応できるようにたくさんの演習をこなすことが大切です。間違えた箇所の解説を読んだり、単元ごとの公式を整理するだけでなく、設問を読んですぐに現象と公式が結びつくレベルに達するまで臨みましょう。 基礎的知識を備えたら、標準入試問題集などで解法のアウトプットが正しくできるかを確認してください。この段階での弱点克服ができれば、過去問を用いて実際の入試試験を想定した演習に取り組みましょう。 時間配分の練習はもちろん、どんな設問設定が理解しづらいのかや、設定現象と解法が結びつかないものなど、自分の力の現状を把握することができます。 |
生物 | |
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試験時間・点数配分 | 2科目選択 試験時間:100分 満点:150点 |
【傾向】 | 大問3題または、4題の構成です。動物の反応、体内環境、遺伝子に関する出題が多く、基礎的な知識から実験考察内容や詳細な知識が求められる問題まで、レベルの領域が広いのが特徴です。 マーク式ですが、設問数の多さよりも考察問題の設問数によって、解答に要する時間が異なります。出題形式も、空欄補充や選択問題、数値計算、グラフの読み取りなど、多彩な構成をとっています。 実験考察、グラフの読み取り、計算問題は毎年必出です。計算問題を穴埋めで答えさせたり、複数の空欄への解答を同一の選択肢群から選ばせたり、正しいものをすべて選択させたりと、パターンを変えて問題が設定されています。1問ずつ、しっかり問われていることを理解して進まなければ、ミスを誘発します。 知識の正確さが求められる問題が多いのですが、大まかな知識をもとに選択肢を選ぶこともでき、時短できる箇所もあります。 |
【対策】 | 基礎的知識を固めることは必須です。教科書に基づいた基本用語から典型知識までを自分のものにできたら、より細かな部分を掘り下げたり、実験考察問題への対策に着手するようにしましょう。 教科書と教科書傍用問題集で生物学の全体的な仕組みについて、きちんと押さえることが肝心です。基礎レベルでは間違った知識を身に着けてしまわないよう、徹底して正確さを追求し、頻出傾向の典型問題が難なく解けるまで間違いを修正していきましょう。 問題集のレベルを上げつつ、実験結果や計算、図表などの読み取りができるように資料集を活用するなどしてください。 実験考察問題を解いていく上では、思考の過程や考察の根拠などへの理解を深めると、知識が定着しやすくなります。選択問題での迷いを少しでも減らし、時間の短縮に効果的な学習法を考えましょう。 |
化学 | |
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試験時間・点数配分 | 2科目選択 試験時間:100分 満点:150点 |
【傾向】 | 理論、無機、有機各分野1問ずつの大問3問です。例年、全分野から偏りなく出題され、化学の幅広い知識が問われています。小問集合のなかでさらに数問に分かれているものもあり、設問数の多さから50分程度で解ききるのは非常に厳しいでしょう。 マーク式の解答方式。選択問題より穴埋め問題が多いのが特徴です。構造式などはいくつもの選択肢から選ぶ設定ですが、数値計算や反応経路図などは穴埋めで答えていく形式が頻出します。これらは正確な知識があれば、解答時間を短縮していくことが可能です。 全体的に標準レベルの高校化学の範囲から構成された問題です。標準的な問題集や教科書内の参考や実験、コラムなどの題材とほぼ変わりがないので、それに対応できるレベルの知識と応用力があれば、十分に解ける問題でしょう。 |
【対策】 | 全分野を網羅する参考書と問題集が必要です。特に教科書の内容に連動した問題を解き、少しずつ解答のスピードを上げるような学習法をおすすめします。盤石な基礎を固め、正確でゆるぎない知識の習得を心がけましょう。 有機の分野では異性体を含め、反応経路図などを実際に手で描いて再現してみることが重要です。無機分野では基礎理論を中心に、化学反応が起こる仕組みやポイントについてしっかり理解し整理しておきましょう。 中核となる理論化学については計算問題が中心となりますが、立式の根拠となる物質の構造や、背景となる現象の仕組みなどを説明できるくらいまで理解を深めてください。 知識が定着したら、定型の標準問題を繰り返し解いて補強と確認に努めましょう。教科書や基本参考書に載っている問題をきちんと解ききることや、分からない部分の解説を熟読するといった学習方法で進めてみてください。 |