
2学期に入ると中学受験もいよいよラストスパートに突入しますが、今から注意しておきたいことがあります。それは中学入学後の「ドロップアウト」です。今回はそうならないために今からできる対策をご紹介します。
CONTENTS:
3.燃え尽き症候群だけではない!?ドロップアウトしてしまう要因
1.明暗を分ける中1の夏休み明け。その理由とは
合格して中1になった生徒の保護者からよくある相談
夏休み明けによく、中学1年生の保護者から「今春まで家庭教師でお世話になっていた〇〇です」という電話が入ります。かつての生徒の保護者なので約半年ぶりで、懐かしさを感じると同時に、「悪い内容じゃないといいな」と祈るような気持ちになります。
電話の内容の多くは次のような相談です。
・「中学受験が終わってからほとんど勉強しなくなった」
・「入試では上位で入学できたのに、1学期が終わった時点で既に学年で下位に沈んでいる」
・「学校の授業スピードが速くてついていけない」
・「どのように勉強していけばいいかわからない」
・「定期試験対策がわからない」
これら例はほんの一部ですが、ほとんどが上記のようなネガティブな相談です。
中学受験時には塾内でも最上位クラスで、勉強に取り組む姿勢もとても良かった生徒の保護者からの相談もあり、「あの優秀な生徒までもが!?」と驚くこともあります。
せっかく志望校に合格できたのに、なぜ元気がなくなるの?
毎年のことですが、中学受験でせっかく第一志望校に合格できたのに、入学しても元気がなく、死闘を終えたボクサーのように身も心も燃え尽きてしまう生徒がいます。これがいわゆる「燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)」です。
燃え尽き症候群とは、バーンアウトシンドローム(burnout syndrome)ともいい、それまでひとつの物事に没頭していた人が、心身の極度の疲労により燃え尽きたように意欲を失い、社会に適応できなくなる状態のことをいいます。
燃え尽き症候群になってしまうと、せっかくこれまで目指してきた志望校に進学できたのに、そこから先が見えなくなり、何もできなくなってしまいます。
ゴールデンウイーク前後から朝起きられなくなり、何もやる気が起こらず、学校にも行けなくなってしまい、合格した私立の進学校を辞めて公立の中学校に転校するものの、けっきょく保健室登校となり、そのまま不登校になってしまうというケースも少なくありません。
2.燃え尽き症候群になる要因と対策
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それでは、なぜ燃え尽き症候群になる人とそうでない人がいるのでしょうか。考えられる1つの要因として次のことが考えられます。
受験して合格することだけがゴールになっている
一般によくあるのが、もともと志望校に合格することだけが目標で、それが達成されたことでゴールにたどり着いたと感じ、目標を失ってしまうことが原因と考えられています。
そうならないためにも、受験前から中学受験を大きなゴールのように思わせないようにすることが大切です。中学受験はあくまで「通過点」であり、最終ゴールではありません。そこで終わりではないのです。
人生は、中学の後も高校、大学、社会人と続いていきます。人生を学びの毎日だと考えると、まだ12年目、通過点の中でもまだまだ序盤です。
中学受験は1つの通過点に過ぎない!
つまり、中学受験で思ったような結果が得ても得られなくても、大切なのはそこではなく、中学入学後の努力や忍耐力・継続力によって、大学受験や就職活動では、同じ中学を受験して合格した生徒よりも良い成果を上げるという例も実際に数多くあります。
そこで受験前から子どもに、
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中学受験はゴールではない。中学受験はあくまで人生における1つの通過点である
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ということをしっかり認識させてあげてください。
今一生懸命勉強しているのは、中学受験に合格するためだけではなく、その先の将来のために勉強しているということを親子できちんと共有しておきましょう。
3.燃え尽き症候群だけではない!?ドロップアウトしてしまう要因
自主学習(自学)の難しさ
小学生の時は優秀だったのに、中学に入ってから勉強についていけなくなる生徒が毎年必ずある一定数います。それは1つに自主学習、いわゆる自学の難しさがあげられます。
進学塾などでは、学習した単元がきちんと復習できるように宿題が課され、復習テストや確認テストなどで理解度を確かめながら学力をつけていくことができました。学力をつけていくためのレールを塾側が作ってくれていたといえるでしょう。
中学では中間試験や期末試験という定期試験があり、この結果で成績が決まり、学内の順位なども決まってしまいます。定期試験では日々の授業内容はもちろん、やや応用的な問題も含め出題されます。教科書や参考書、ノートに書いたことをどのように活用して試験勉強をすればいいのかは個人によって異なります。
中学では、小学時のような受け身ではいられない!
小学校の学校内テストは、授業を聞いていれば点数も取れますし、たとえちゃんと聞いていなかったとしても塾などの勉強で十分でした。とくに中学受験をする児童ならば、学校の勉強などしなくてもいい点数が取れたかと思います。
中学校の定期試験はそのようにはいきません。塾や家庭教師などに教わっていない限り、試験の学習方法を手厚く指導してくれるわけではないのです(学校によっては手厚い学校もあります)。基本的には自らが考え、自主的に学習していかなければなりません。受験時に進学塾に通っていた生徒ほど、どのように試験対策をしたらいいのか、自学が苦手で戸惑うことが多いのが実情です。
とくに大手の進学塾に通っていた生徒は、的確な宿題が日々出されていたため、言われた通りに勉強をしていれば学力はついてくるという一種の受け身のような癖がついてしまっています。それも中学に入ってからうまく自学が軌道にのらず、学習についていけないと感じる要因かもしれません。
もしも授業や学習についていけないと感じたら?
もし、中学で学習についていけないと感じたら早めに手を打つことが大事です。とくに小学校で優秀だった生徒が中学で下位になってしまうと、プライドも傷つきますし、不必要に自分を否定したり過剰にもうダメだと思い込んでしまったりする可能性があります。
取返しのつかないことになる前に、学習フォローとして地元の塾に通うのも一つの手段ですが、できれば家庭教師などの個別指導のほうが望ましいでしょう。どこにつまずいていて、どういう学習をしたらいいのが手厚く指導できるからです。
可能ならば最初の中間試験がとても大事なので、入学してすぐに授業の復習だけでなく、予習をしてもらうのがいちばんです。もし難しければ様子をみて、少なくとも最初の中間試験で思ったような結果にならなかった場合は、早めに手を打つことをおすすめします。
4.入学後にドロップアウトしないための3つの予防策

がんばってせっかく入った中学校なのに、途中でドロップアウトしてしまうのは、本人はもちろん、ご家族にとっても辛いですよね。ここでは、そうならないための3つの予防策をご紹介します。
①新たな目標を持つ
多くの生徒は中学に入り、新しい環境で新しい友人や部活動など、新たな刺激が生まれ、新しい目標ができたりするものですが、そうでない生徒も少なからずいます。受験という大きな目標を達成したことで何もやる気がなくなってしまう、いわゆる燃え尽き症候群です。
まずは、小さなことでも何かしら目標を持たせることが大事です。勉強だけでなく、部活動や発表会など、本人の興味があることで目指すものを見つけましょう。何も全国大会など大きな目標ではなく、レギュラー選手や代表になりたいなど何でも構いません。何か本人が打ち込めるものを見つけ、新たな目標を持つことがとても大事です。
②レジャーや楽しみを作る
学校以外のプライベートで楽しみを持つのも有益です。とくに中1の夏休みは、昨年受験で行けなかった家族旅行や友人と遊びに行くなど、昨年の分まで思いきり楽しむ生徒が多くいます。
それがいいリフレッシュとなる分にはいいのですが、あまり羽目を外し過ぎると、2学期が始まってまた通常の生活に戻った時、反動で憂鬱になってしまう人もいるので注意が必要です。
しかし、9月には長期休みのシルバーウィークもありますし、12月には冬休みもあります。夏休みが終わっても、次の長期休暇には何をしようか、どこに行きたいなどと勉強以外の楽しみを考えることが1つの目標になります。
レジャーなどの楽しい計画があると、気持ちよく定期試験などの勉強もがんばろうという気になれるものです。ハードな中学受験を乗り越えてきたのです。学校の定期試験を乗り越えられないわけはありません。少し先に楽しみがあるとないとでは、大人でもがんばり度合いが違いますよね。
③将来の話をする

3つ目の効果的なドロップアウト対策は、親子で将来の話をすることです。今どのようなことに興味があるのかという話から始め、将来の夢はなにか、どのような仕事につきたいのかなどといったことを、食事の時などの普段の雑談の中で話せるといいでしょう。
すぐに明確な回答が出てくることはないと思いますが、親から「例えばお医者さんとか、学校の先生とか」などと例を挙げるのはやめましょう。例を挙げてしまうと、子どもは何も考えずに安易にその例の中から回答してしまいます。できるだけ子ども自身の回答を待つようにしてください。
そしてその回答に対しては決して否定しないことが大切です。親からすると、こんな夢を持ってほしいとか、このように答えてほしいという希望があると思いますが、ここは回答の内容ではなく、回答したこと自体を褒めて、将来の夢があることを喜んであげて下さい。そうすると、もっと本音のやりたいことをいろいろ話してくれるようになるかもしれません。
将来の夢やこうなりたいという話が出てくると、「中学生になったら、こういうことも勉強したほうがいいかもね」などと今後に繋がる話もできるようになります。ポイントは、中学になってもまだまだたいへんだと思わせるのではなく、なんだかこれから楽しみだなと思わせるようにもっていくことです。
志望校に合格しても次の目標が見えれば、ドロップアウトすることも防げるでしょう。
夢を聞くときの親のやってはいけないNG行為と理想の言葉
子どもに夢を聞いた時、よくありがちなのが、「ユーチューバー」や「アイドル」「お笑い芸人になりたい」などと親の望むものとは違う回答を言われることです。
明らかに夢物語だと思ったとしても、ここで頭ごなしに否定したり怒ったりしてはいけません。

自分で夢を聞いておいて、酷い話ですよね。子どもは真剣なのです。このようなNG会話は意外とよく言ってしまいがちなので気をつけましょう。それでは、どのように言ったらいいでしょうか。

まずは子どもの夢を真面目に聞いて受け入れ、その上でいろいろな選択肢があることを伝えて、いっしょに考えてあげるというようなスタンスがいいでしょう。
5.まとめ~受験前の親子会話の大切さ

今回は中学入学後にドロップアウトしてしまわないように、受験前からできる対策をお伝えしました。
現在、受験生である小学6年生にとって、中学受験は大きな目標です。親は過度に「この学校に合格しないと…」と熱くなりすぎることなく、親子の何気ない会話の中から「将来の話」や、「中学受験は通過点だよ」という話が自然にできることが理想です。
「中学受験が全てではない」と親が本心で言ってくれると、気持ちが楽になり、残り数か月のラストスパートも変な力が抜けていい状態を保てると思います。受験前に親子のいい会話ができていれば、子どもはリラックスして受験に取り組めますし、入学後も安定した中学生活を送れることでしょう。
また、受験や受験後のことで何か悩みや不安を感じたら、残りの数か月だけでもプロの家庭教師に相談してみてくださいね。きっといい解決策が見つかりますよ!

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