「子どものケアレスミスがなくなりません。どうしらいいですか」というお悩みをよく聞きます。ケアレスミスは学力に関わらず誰にでもあるものです。それだけに「よくあること」や「単なるちょっとした間違い」と軽く受け流してしまっていることはないでしょうか。それではいつまでもケアレスミスはなくなりません。
そこで、ケアレスミスを本気でなくすために、確実に減らす5つの対策をご紹介します!
CONTENTS:
1.そもそもケアレスミスとはどんなミス?
2.癖になってしまうケアレスミス
3.ケアレスミスの種類
4.ケアレスミスを確実に減らす5つの対策
5.まとめ~ケアレスミスこそ対策をしっかりと!
1.そもそもケアレスミスとはどんなミス?
ケアレスミスというと、本当はちゃんと分かっていて解答できるのに、不注意によるちょっとしたうっかりミスというイメージを持たれていないでしょうか。子どもはもちろん、意外と指導者も保護者も簡単に甘く考えているところがあります。しかし、受験においてケアレスミスは、実はたいへんな命取りになります!
本番の入試では1点や2点の違いで合否が決まってしまいます。本当は分かっていたのにケアレスミスで失った1点も、本当に分からなくて失った1点も同じ失点です。分かっていて失ってしまうほどもったいないことはありません。それで不合格になった受験生は毎年たくさんいますから、「本当は分かっているから大丈夫」と軽く考えずに、ぜひ今のうちからしっかりと対策することをおすすめします。
2.癖になってしまうケアレスミス
ケアレスミスをしてしまったとき、「ただのうっかりミスだから問題ない」と考えるのか、「原因はどこにあるのだろう」と考えるのかで受験結果が大きく変わります。その時だけの凡ミスと高を括っていると悪い癖になってしまい、なかなかケアレスミスは減りません。子どもの性格にもよりますが、その多くが同じミスを繰り返す傾向にあるようです。
よくあるのが、テストの間違い直しをケアレスミスの場合は行わないことです。「分かっているから大丈夫」と間違い直しをせずにそのままにしてしまいがちですが、それが大きな落とし穴となります。必ずどのようなケアレスミスをしたのかきちんと把握しなければなりません。
3.ケアレスミスの種類
ケアレスミスをするにはいくつかのパターンがあります。ここでは大まかに5つの種類に分けてみていきます。
1)勘違い
例えば3×4=15というような、12と書いたつもりが15と書いてしまったなどの計算勘違いミス。分かっている漢字の書き損じなどのミス。
2)思い込み
問題文の読み間違えで、記号を聞かれているのに数値で答えるなどの解答ミス。問われているのが、選択式で正しい解答の選択なのか誤りの選択なのか、解答は1つなのか複数解答なのか、問題文の読み間違えによる思い込みミス。
3)うっかり
「+、-」の記号ミスや単位の付け忘れなどによるうっかりミス。「kg」なのに「g」と書くなどの誤単位ミス。
4)ぼんやり
答えは正解しているのに解答欄への記入(転記)ミス。問題を丸ごと飛ばしてしまったり、誤った解答欄に書いてしまうなどのぼんやりミス。
5)読めない
アとイの区別がつかないなど、採点者が読めないような汚い字によるミス。
※判断がつかない読めない字の場合は失点になります。
4.ケアレスミスを確実に減らす5つの対策
合否を左右してしまうケアレスミス。今から確実に減らしていくためにやって欲しい5つの対策をご紹介します。
1)間違い直し・分析
ケアレスミスを減らすには、まずどんな間違いをしたのか本人が自覚することから始まります。どのようなミスでどのくらいの失点したのか明確にしましょう。
それには「ミスノート(間違いノート)」を作ります。「3」で紹介した種類ごとに、ミスした箇所を書いたりコピーして貼りつけたりして、何に何点失ったのか分かるように記録していきます。
その際大事なことは、「二度と間違いを繰り返さない」「そのためにはどうするのか」を考えながら作成することです。
2)字は丁寧に書く
そこまで汚い字は書いていないと本人が思っていても、意外と多いのが、字が汚くて採点者が判断できないことによる失点です。国語に限らず、算数でも途中の計算式の字が雑すぎて自分で読み間違えて計算ミスすることはけっこう多いもの。日ごろの学習から字を丁寧に書くように心がけ、誰が見ても読める字を書きましょう。
3)問題文は印をつけながら読む
先述「3-2)」の「思い込み」ミスをなくすためには、問題文をしっかり読み込まないといけません。特に受験本番では焦ってしまい、早く解こうと余計に読み飛ばしてしまいがちです。「当てはまらないものはどれですか」という問いに対し、「当てはまるもの」を解答してしまったり、「当てはまるものすべて答えよ」と言われているのに1つだけしか解答していないなど、早合点の思い込みミスがよく起きます。そこで、問題文をしっかりと読み、「何を求めているのか」問題文に線を引いたり丸を付けるなどして印をつけながら読みましょう。
4)繰り返し解く
本当は答えが分かっているケアレスミスによる失点であっても、必ず間違った問題は解き直しをしましょう。「これは分かっているから大丈夫」とそのままにしては、ミスを容認し当たり前と思って癖になってしまいます。解き直しをするときに、ミスしたことを意識しながら解き直しをすれば、今後も同様のケアレスミスを意識するようになり、予防につながります。
5)見直し
試験時間内に問題を解き終えたら、必ず「見直し」をしてください。あまり残りの時間がない場合は次の順番で行ってください。
①読みづらい文字はないか
②解答欄は間違っていないか
③単位や記号の間違いはないか
④問題文の読み間違えはないか
上記①~④が終わりまだ時間が余ったら、
⑤問題の見直し
をします。その際最初から順番に見直すのではなく、「解けた」と自信がある問題から見直してください。確実に解けたと思っている問題ほどケアレスミスは起きやすいからです。
8.まとめ~ケアレスミスこそ対策をしっかりと!
繰り返しますが、ケアレスミスのことを本人はもちろん、教師や保護者も軽く考えがちです。目標の点数に達しなかったときに、子どもが「でも本当は分かっているから大丈夫。単なるうっかりミスだから」と言うと、「それならいいか」と思ってしまうところが問題です。
ケアレスミスこそ重大な失点なのだと、厳しい目で見直して解き直し、同じミスをしないよう確実に減らしていかなければなりません。本番の入試では1点に泣いたり笑ったりすることを忘れないようにしましょう。
「ミスノート(間違いノート)」の作り方や、なかなか自分ではどうミスを見直していけばいいのか分からない場合は、やはり受験のプロに相談する方がいいでしょう。なるべく早く悪い癖を見つけ、直していくことをおすすめします。