中学受験のラストスパートに、「時事+速さ」の算数問題に挑戦!~サニブラウン選手に学ぶこと~

  • 2019.12.10
  • 受験情報

 

 

ここ数回のブログで、2020年の時事ネタを含んだ様々な中学入試予想問題を紹介してきました。今回はその最後として、スポーツ界の時事ネタを含んだ算数問題、中学入試で頻出する「速さ」の問題に挑戦してみてください!

問題に挑戦した上で、それにちなんだ受験の心構えもご紹介しますので、ぜひ最後までご一読くださいね。

 

CONTENTS:

1.Let's challenge!! 2020年中学入試「算数の速さ問題」

2.解答

3.僅か10cm、されど10cm!

4.100メートル走と受験との意外な類似点!

5.サニブラウン選手の言葉から学ぶこと

6.まとめ~ラストスパートの心構え

 

1.Let's challenge!! 2020年中学入試「算数の速さ問題」

日本の男子短距離界もついに100mを9秒台で走る時代に突入しました。3人の日本人選手が9秒台を記録し、1/100秒単位での記録更新となっています!

そこで今回は、その3人の中の2人、現日本記録保持者のサニブラウン・ハキーム選手と、日本で初めて9秒台を記録した桐生祥秀選手を比較して下記の2問に挑戦しましょう。

 

【問題】

日本人選手2人の100mの記録は、

◆サニブラウン・ハキーム選手 9.97秒

◆桐生祥秀選手 9.98秒

ですが、2人がこの記録の速さで走ったと考えて、下記問題に答えなさい。

 

※ただし、2人は100m以上を常に等速で走るものとする。

 

①2人が100mを走ってサニブラウン選手がゴールした時、桐生選手はどれだけ後ろを走っていますか(2人の距離の差はどれだけですか)。答えは〇cm□mmの単位で解答し、mmは1/100の位を四捨五入し1/10の位まで求める。

 

②2人が100mを走って桐生選手がゴールした時、サニブラウン選手はどれだけ前を走っていますか(2人の距離の差はどれだけですか)。答えは〇cm□mmの単位で解答し、mmは1/100の位を四捨五入し1/10の位まで求める。

 

2.解答

前述「1」の解答は以下の通りです。

 

【解答】

①10cm0.2mm

サニブラウン選手と桐生選手の100m走った時間の比が997:998なので、速さの比は998:997です。

進む距離は速さの逆比なのでサニブラウン選手が100mの地点にいる時、桐生選手は100mの997/998の位置にいることになります。

100m=100000mm

100000-100000×9.97÷9.98=100.2005…→100.2mm→10cm0.2mm

 

②10cm0.3mm

①と同様に考え、桐生選手が100mの地点にいる時、サニブラウン選手は100mの998/997の位置にいることになります。

100m=100000mm

100000×9.98÷9.97-100000=100.3009…→100.3mm→10cm0.3mm

 

3.僅か10cm、されど10cm!

 

いかがでしたか。問題は解けたでしょうか。中学入試ではよく出る「速さ」の問題ですが、実際の選手たちが走っている「秒数」から、「距離」を出したり、差を比べたりすると新鮮に感じますよね。

今回の問題では、100メートル走った2人の選手のがほぼほぼ10㎝であることが分かりました。たったの10cmです!10㎝と言えば、官製はがきの横(短辺)の長さです。普段使っている鉛筆やボールペンよりも短いのです。とても肉眼で判断できる次元の話ではないことがお分かりいただけると思います。されど、そのわずか10cmの差で勝敗が決まってしまいます。この数㎝の差を埋めるために、選手たちは日々スタートの仕方や走り方、体の傾きなどを細かく考えて練習しているのですね。

 

4.100メートル走と受験との意外な類似点!

わずか数センチで勝敗が決まってしまうのは受験も同じです。同じ学校を受験するのですから、大きなレベル差がない受験生ばかりが集まります。受験当日の始まりのチャイムが、短距離走で言うところの「よーいドン(号砲)」となります。

陸上のレースでも、スタートの反応から足の運び方など練習通りできる選手もいれば、スタート直後に躓いてしまう選手もいるように、受験でもこれまで勉強した成果をしっかり発揮できる受験生もいれば、いきなり躓きそうになる受験生もいます。100m走であれば金メダルは1人だけですので、出だしの躓きは致命傷になりますが、受験生にとっての金メダルは「合格」。1位での合格も合格最低点での合格でも同じ合格、受験では合格者がみな「金メダル」です。たとえ最初に躓いたとしても、諦めずに最後までいかに頑張って立て直せるかで合格も可能になるのです!

 

100m走でも受験でも、本番で練習通りにできる人はほんの一握りです。合格者はみな少々思い通りにはできなくても、最後まで諦めずに走り切った受験生ばかりです。

もちろん入試本番は緊張もしますし、独特の雰囲気の中で思い通りにいかないことがほとんどかもしれません。しかし、それはみな同じです。自分だけがうまくいかないと考えなくても大丈夫、安心してください。ただ、その中でどれだけ諦めずに全力を出し切れるかが合否を分けるのです。

 

5.サニブラウン選手の言葉から学ぶこと

 

 

ここで、せっかくですから、俊足だけでなくコメント力も秀逸と評判のサニブラウン選手の言葉をご紹介します。

 

2017年、大阪で開催された陸上の日本選手権。短距離2冠を達成したサニブラウン選手は、こうコメントしました。

『勝たなきゃ』という想いで緊張するのはわかるんですけど、一番大事な“レースを楽しむ気持ち”を忘れるのはいけないのかなと。楽しむ気持ちが、一番大事だと思います

この言葉通り、終始楽しげだったサニブラウン選手は自己ベストを記録し、ハイレベルな争いを制して優勝しました。

受験も「合格しなきゃ」と緊張感を高めるより、どこか「受験を楽しんじゃおう」くらいの気持ちの余裕が大切なのかもしれませんね。

 

また、この日本選手権の直前に行われたオランダのレースでは7位と絶不調で、ここからどう立て直したのかと聞かれ、

感覚を戻すことができたいいレースだったのかなと思います。あのレースがあって本当に良かったと思います」としっかりレースの分析をした上で、前向きなコメントを述べました。

直前の結果が悪くても、それをネガティブに引きずることなく、むしろプラスに変えて次のレースに活かすところはさすがトップアスリートですね。受験生のみなさんもぜひ見習ってほしいところです。

 

そして、この日本選手権は3日間で5レースという過密日程。それをこなしたサニブラウン選手は「とりあえずこれでいっぱい寝られるし、おいしいご飯を食べられる。しっかりリカバリーしてまた練習に励みます」と笑顔で答えました。

中学受験も3日間で複数の入試を予定している受験生も少なくないでしょう。しかし、中学受験がゴールではありません。まだまだその先もあります。受験日当日数日間はとても過酷に感じ、食事も喉を通らずよく眠れないかもしれませんが、ここを乗り切ればきっと食事もおいしく食べられますし、ぐっすり眠れますよ!そしてしっかりリカバリーして次のレースに備えてくださいね。

 

6.まとめ~ラストスパートの心構え

今回ご紹介した算数の「速さ」問題では、計算しやすいように初めから終わりまで等速で走るものとして計算しましたが、実際の100m走ではスタートからどんどん加速してトップスピードになりゴールします。

ちょうど今のこの時期、受験もラストスパートに入っています。最後まで諦めなければ、まだぐんぐん加速して伸びる可能性は大いにあります。結局最後は10㎝、ペン1本分の差もないくらい、ほんのわずかな1点、2点という差が合否を分けます

受験まであと数週間でも、自分はまだまだ伸びる可能性があると信じ、ラストスパートでしっかり加速させて、いい状態で本番に臨んでほしいものです。合否を分ける差とは、100mを走ってほんの10㎝程度の差なのですから。

 

 

 

まだまだ伸びますよ!

体調管理はしっかりと、

最後まで諦めずに頑張りましょう!!

 

 

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浅田ゆうき先生

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