【最新版】四天王寺中合格への道!2021年入試からみる2022年の対策

  • 2021.04.21
  • 受験情報

 

2021年の中学入試から、今回は大阪府の女子中最難関、四天王寺中学校について振り返ります。今年度の受験データを細かく分析各科目の傾向やポイント、2022年の対策等について徹底解説いたします!

 

CONTENTS:

1.四天王寺中入試の特徴

2.新コース制度について

3.2021年の入試データ

4.大手塾別合格者数

5.科目別成績データ

6.2021年度入試からみる科目別の傾向と対策

7.まとめ~四天王寺中学合格への道~

 

 

1.四天王寺中入試の特徴

 

四天王寺中学校の入試は複数の関西圏最難関男子校と同様に、国語・算数・理科・社会の4教科型、または国語・算数・理科の3教科型のどちらかを選ぶことができます。

試験時間と配点は国語と算数が各60分120点、理科と社会は各40分80点の400点満点で、得点の計算方法は以下の通りです。

 

<3教科型> 評価点

・国語・算数・理科の合計点×1.25

 

<4教科型> 評価点=下記のうち最も高得点の点数

・国語・算数・理科・社会の合計点

・国語・算数・理科の合計点×1.25

・国語・算数・社会の合計点×1.25(医志コースはなし)

 

受験パターンとしては、統一入試日初日午前に四天王寺を受験し、午後から帝塚山や大谷、2日目の午前中に帝塚山か清風南海、午後に西大和や高槻、3日目に洛南高附や帝塚山を受験するパターンが多いようです。

 

また、四天王寺の合格発表が3日目にありますので、結果が得られなかった場合は4日目以降に清風南海や大阪桐蔭や開明などを受験する生徒も多いです。

 

 

2.新コース制度について

 

令和3年度から四天王寺中のコース分けが大きく変わりました。従来は「医志コース」、「英数Ⅱコース」「英数Ⅰコース」というレベル別のコースと「文化・スポーツコース」の4コースがあり、医志コースで受験して英数Ⅱコースや英数Ⅰコースへの廻し合格もありました。従って医志コースで受験するという受験生が多くいました。

 

しかし、このコース分けの場合、医志コースに入れる学力があっても、医学部志望ではなく将来的に最難関の文理系学部を考えている受験生にとって、英数Ⅱコースを選ぶか、他の学校を選ぶより他ない状況でした。

 

そのような優秀な生徒の流出を防ぐために新コース制度では、「英数Sコース」が新設されました。医志コースと英数Sコースを同列に置き、その下に「英数コース」という形式になり、医志コース受験者や英数Sコース受験者から英数コースに廻し合格はありますが、医志コースから英数Sコースへの廻し合格はなくなりました。受験時に医志コースか英数Sコースか選択することになります。

 

ちなみに医志コースと英数Sコースは同列とは言いましたが、今年度入試の医志コースの合格者最低点が281点、英数Sコースの合格者最低点が264点とやはり医志コースの方が高いレベルでの勝負となりました。また、英数コース専願(合格後は入学必須)もでき、その場合廻し合格での合格者最低点より10点ほど低く設定されます。

 

◆英数Sコース(約40名)

医歯薬学系以外の文系、理系の文理混合クラスに国際教養も身につけるハイレベルなコース。医志と同等レベルの最難関国公立大学、海外大学進学を目指します。

 

◆英数コース(約170名)

従来の英数IIと英数Iを合わせたもので、英数IIの教育スタイルに新しい教育プログラムを融合した基礎力を高めるための手厚いサポートが得られるコース。

 

◆医志コース(約40名)

キャリア講座や英語のカリキュラムをより充実させ、6年間を通してハイレベルな知識、学力、教養を身につけながら、国内外の最難関医歯薬学系大学進学をより確実に目指すコース。

 

◆文化・スポーツコース(約20名)

※このコースに変更はありません。

 

 

3.2021年の入試データ

(前年比)

募集人員

志願者数

受験者数

合格者数

実質倍率

270

767

(-3)

737

(-20)

464

(-112)

1.58(+0.27)

※(  )内は昨年比

 

今年の四天王寺中学校の受験者数は、全体でみると昨年よりやや減少したものの、今年も700名を超える多くの生徒が受験しました。昨年までは前述の通り医志コースからの受験者が多かったのですが今年は医志コースと英数Sコースに人数が分かれたため、昨年の医志コースの受験者数547名に対し、今年は医志コースが227名、英数Sコースが155名となりました。

 

実質倍率は例年1.3倍前後ですが、今年は合格者が100名以上も減っていますので、1.58倍となりました。最難関の医志コースの実質倍率は今年度が2.36倍で、昨年の5.9倍や一昨年の6.1倍などと比べると、英数コースに流れた分、ややハードルが緩やかになったように見えます。ちなみに英数Sコースは募集人員が医志コースと同じ40名なのに対し、合格者が57名と、医志コースに比べ39名も少なく、実質倍率は2.72倍となりました。

 

 

4.大手塾別合格者数

 

関西大手進学塾の四天王寺中学校合格者数は多い順に下記の通りでした。

 (前年比)<人>

浜学園

馬渕教室

能開センター

日能研

114(-30)

94(-34)

75(-50)

62(-12)

希学園

進学館

第一ゼミナール

SAPIX

60(+22)

15(+5)

8(+2)

3(-2)

 

昨年に比べ各塾で変動が大きく、浜学園は30名減少、馬渕教室は34名減少、能開センターは50名減少、日能研も12名と全体的に大きく減少しました。

 

これらの数字は各塾が実績を落としたというわけではなく、今年度は昨年の合格者数(文化・スポーツを除く)555名から446名と大きく減少したことが原因です。逆にそのような中で合格者数を22名も大きく増やしている希学園は大躍進です。

 

 

5.科目別成績データ

 

四天王寺中学校合格者の各教科の平均点と受験者平均点との差を表したものが下記の表です。

(前年比)<点>

 

受験者平均

合格者平均

合格者平均との差

国   語

66(-6)

72(-4)

6(+2)

算   数

66(-8)

77(-4)

11(+4)

理   科

53(-1)

58(+2)

5(+3)

社   会

56(+1)

59(+1)

3(0)

(※国語、算数は各120点、理科、社会は各80点の400点満点)

 

四天王寺中の今年度の入試は、国語と算数でやや難化、理科は昨年並みの易しい試験、社会は例年並みの難易度でした。やはり他校同様、算数で受験者平均点と合格者平均点の差が出ましたが、今年は算数と国語で例年よりも大きな差が出ました。

 

算数で大きな差が出ていますが、最難関の男子校や共学校に比べるとさほど大きな差ではないかもしれません。女子中学の一つの特徴でもあると言えるでしょう。

 

 

6.2021年度入試からみる科目別の傾向と対策

 

今年度の四天王寺中学校入試を参考に、教科ごとの傾向と対策をご紹介します!

 

 

◆国語

・難易度

四天王寺中2021年の国語入試は、昨年易化したこともあり、今年はやや難化しました。試験時間は60分ですが、問題数が多くなり、時間に追われる試験となりました。

 

・出題構成、解答形式

問題構成は例年通り読解問題3題構成で、小問で漢字など知識問題がちりばめられています。読解も例年同様、論説文、物語文、随筆とバランスのよい出題となっています。

 

解答形式としては、本文からの抜き出しや記述が多く、多くの文字数を書かなくてはなりません。抜き出し記述は本文通りの抜き出しが必要です。丁寧に誤字なく解答しましょう。

今年は昨年に比べ記述解答が4問から7問と増えたこともあり、余計に時間がかかったかもしれません。

 

・合否のポイント

読解問題が3問あるので、スピーディーに読む力と処理する力が必要です。語彙力や読解力をつけるため、文学はもちろん、社会問題にも関心を持ち、日ごろから新聞記事などを意識して読むようにしましょう。また、限られた時間の中で解答できるよう、時間を計って解答するトレーニングを行うと良いでしょう。

 

 

◆算数

・難易度

四天王寺中2021年の算数入試も昨年大きく易化しましたので、今年はやや難化しました。昨年よりも平均点は下がったものの、さほど高い難度の試験ではありませんでした。

しかし、2019年度入試は合格者平均点でも得点率5割とたいへん低く、今後も難しい試験になることもありますので油断は禁物です。

 

・頻出単元、解答形式

試験時間は60分、例年解答のみで式や解き方を書かせる問題はありません。計算問題、場合の数、速さ、平面図形、立体図形は今年も出題のあった頻出単元ですので、しっかり押さえておきましょう。

 

・合否のポイント

大問1の計算問題、小問集合は落とせない問題でした。後半の大問4の平面図形は四天王寺受験生であればたいへん簡単であったと思われます。このように後半にも簡単な問題が隠れていますので、難しい問題で時間をかけすぎず「捨て問」にする勇気も必要です。問題の取捨選択、難易度を見極める力が合否を分けるポイントになるでしょう。

 

 

◆理科

・難易度

昨年たいへん易化した四天王寺中の理科入試ですが、今年も昨年と同レベルの易しい試験でした。

 

・出題構成、頻出単元

例年通り大問4題構成で、物理・化学・生物・地学の各分野から出題されました。物理・化学・生物の分野はあまり偏りがなく、幅広い単元からの出題となっていますが、地学は隔年で「気象」の年と「天体と地質」の年が交互に出題されています。今年「気象」の出題でしたので、来年の地学分野は「天体と地質」の単元が出題される可能性は高いでしょう。

 

・合否のポイント

試験時間は40分と短いのですが、問題数はさほど多くはなく、四天王寺中受験生にとってはそれほど難しくもありません。ただし問題文の文章量が多いので、読解力が必要となります。

最終的には過去問演習で、「問題形式」や「解答方法」などに慣れておき、決められた時間内で問題文をしっかり読み取れるようにしておきましょう。

 

◆社会

 

 

・難易度

今年の四天王寺中社会科入試の難易度は例年並みで昨年度と同難度でした。合格者平均点と受験者平均点の差は今年も昨年と同様3点ですので、点差のつきにくい試験であり、言い換えれば「一つの凡ミスも許されない試験である」とも言えるでしょう。

 

・出題構成

毎年、地理・歴史・公民各分野からほぼ均等に出題があり、今年も同じでしたが、今年はやや歴史分野の出題割合が高い傾向にありました。試験時間は40分で、今年も長文記述解答が出題されましたが、30字以内の1題だけの記述問題でしたので、さほど負担にはなりませんでした。それほど時間に追われる試験ではなかったと思われます。

 

・合否のポイント

四天王寺の社会科入試といえば、時事問題です。毎年出題されていますので、最新の国内外の出来事に関心を持ち、新聞やニュースのチェックも日々しっかり行うようにしましょう。その際には漢字指定もありますから、漢字で書くべき言葉は漢字で書けるようにしておきましょう。

 

 

7.まとめ~四天王寺中学合格への道~

 

 

 

今年の中学受験は新型コロナウイルスの影響を大きく受けた前代未聞の入試となりました。

来年2022年の受験がどうなるかは誰にも予測できませんが、通常通り行われるものとして今から準備していきましょう。

 

すべての生徒が基礎的読解力、数学的思考力、情報活用力を習得し、生徒の能力を引き出す教育を進めている四天王寺中学医歯薬系や理系はもちろん、東京大学京都大学など最難関国立大学への文系進学率も高く、大阪府の女子最難関中学と位置づけられている人気校です。

 

小学生が自分1人だけで最難関中学の受験に取り組むのはたいへんだと思いますから、親御さまもぜひいっしょにサポートしてあげてください。どう対策していけばいいか不安に感じたら、志望校に特化したアドバイスができる受験のプロに早めに相談することをおすすめいたします。

 

 

 

保護者の方の疑問にお答えし、不安を解消する

プロ家庭教師の無料相談会はコチラ

 

  • 保護者説明会
  • 無料体験授業

管理栄養士
浅田ゆうき先生

先生の写真
先生のプロフィール