
2026年の中学入試から、今回は甲陽学院中について振り返ります。今年度の受験データを細かく分析、各科目の傾向やポイント、2027年の受験対策等について徹底解説いたします!
CONTENTS:
1.甲陽学院中2026年入試の特徴
■試験の難易度
甲陽学院中の入試は、2024年の試験の難度がたいへん高く、昨年2025年は大きく易化して概ね例年並みに戻りました。今年2026年の試験は、昨年よりもさらに易化、取り組みやすい試験となりました。
一方で今年の理科はたいへん難度の高い試験となりましたが、算数の特に1日目は甲陽学院にしては易しい試験で、満点を取った受験生も複数名いたと思われます。昨年の算数2日間合計の合格者平均点は一昨年に比べ30点以上高くなりましたが、今年は昨年よりもさらに10点以上高くなりました。
■試験時間と配点
甲陽学院中入試は灘中入試と同様に2日間入試で、1日目に国語・算数・理科の3科目、2日目に国語と算数の2科目を受験します。
試験時間と配点は、全試験各55分の各100点満点の合計500点満点で評価されます。
2.2026年甲陽学院中の入試データ
(前年比)<人>
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2024年 |
2025年 |
2026年 |
|
募 集 人 員 |
200 |
200 |
200 |
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志 願 者 数 |
394(+13) |
342(-52) |
352(+10) |
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受 験 者 数 |
373(+7) |
319(-54) |
335(+16) |
|
合 格 者 数 |
220(-1) |
215(-5) |
221(+6) |
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実質倍率 〈倍〉 |
1.70(+0.04) |
1.48(-0.22) |
1.52(+0.04) |
甲陽学院中入試は、一昨年の2024年まで2年連続で受験者が増加していましたが、昨年は大きく減少しました。今年はどうなるのか注目されていましたが、微増してやや持ち直した様子です。
実質倍率も昨年は10年ぶりに1.5倍を割り込みましたが、今年は何とか1.5倍以上に回復しました。
他の最難関校に比べ、倍率はさほど高くはないとはいえ、やはり難度の高い最難関レベルであることに違いはありません。
3.甲陽学院中志願者の受験日程パターン
甲陽学院中志願者の受験日程パターンを表したものが下記の表です。
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前受け校 |
・愛光(愛媛) ・北嶺(北海道) ・岡山白陵(岡山) ・函館ラ・サール(北海道) |
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1日目<甲陽> 1/17(土) |
2日目<甲陽><併願校> 1/18(日) |
3日目<併願校> 1/19(月) |
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国語(55分・100点) 算数(55分・100点) 理科(55分・100点) |
国語(55分・100点) 算数(55分・100点) |
・東大寺学園(奈良) ・洛南高附(京都) ・関西学院(兵庫) ・雲雀丘学園(兵庫) ・淳心学院(兵庫) ・清風(大阪) ・神戸大附属(兵庫) 【4日目以降(1/20~)】 ・六甲学院(兵庫) ・白陵(兵庫) ・清風南海(大阪) ・洛星(京都) |
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【午後】 ・西大和学園(奈良) ・高槻(大阪) ・須磨学園(兵庫)
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甲陽学院中の受験日程は、例年通りの2日間入試で、統一入試日初日(今年は1月17日)に「国語と算数と理科」の試験、2日目(1月18日)に「国語と算数」の試験が行われました。
甲陽学院中受験者は、統一入試日前に前受けとして愛光、北嶺、岡山白陵、函館ラ・サールなどを受験し、統一日初日と2日目の午前で本命の甲陽学院中を受験します。
甲陽初日の午後に須磨夙川など他校を受験することも物理的には可能ですが、灘中受験者同様に甲陽学院中を本命としているのであれば2日目に備え体力を温存しておくことも大事でしょう。
2日目の午後は、西大和学園、高槻、須磨学園などを受験し、3日目に東大寺学園、洛南高附に挑戦するか、手堅く関西学院、雲雀丘学園、淳心学院、清風、神戸大附属などを受験する併願パターンが多く見られました。
3日目の夕方には甲陽学院中の合格発表がありますので、合格していればこれで終了となります。不合格だった場合は、4日目以降に六甲学院、白陵、清風南海、洛星などを受験するパターンが多いようです。
4.大手塾別合格者数
関西大手進学塾の甲陽学院中合格者数は多い順に下記の通りでした。
(前年比)<人>
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浜学園 |
希学園 |
日能研 |
馬渕教室 |
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83(-6) |
43(-13) |
35(+4) |
32(+5) |
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進学館 |
SAPIX |
能開センター |
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23(+5) |
11(+2) |
2(-1) |
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今年も浜学園が他塾に大きく差をつけトップをキープしていますが、浜学園と2位の希学園は合格者数が減っています。その一方で、3位の日能研から6位のSAPIXまでは合格者数が増えていて、やや団子状態となっています。
昨年2位の希学園と3位の日能研との差が25名もありましたが、今年は上記のように8名差になりました。各塾の甲陽学院中合格者数が来年はどのように推移するのか注目したいところです。
注目と言えば進学館は合格者数こそ特別多くはないのですが、昨年、今年と2年連続で5名増加していて躍進が目立っています。
5.科目別平均点
甲陽学院中合格者の各教科の平均点と受験者平均点との差を表したものが下記の表です。
(前年比) <点>
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受験者平均 |
合格者平均 |
合格者平均との差 |
合格者最高点 |
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国 語 |
112.2(+0.5) |
118.9(+2.3) |
6.7(+1.8) |
151(-13) |
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算 数 |
130.4(+11.3) |
145.4(+11.0) |
15.0(-0.3) |
195(+11) |
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理 科 |
52.1(-8.7) |
55.2(-9.7) |
3.1(-1.0) |
78(-9) |
※国語、算数は各200点、理科は100点の計500点満点
今年度の甲陽学院中の入試の国語は昨年並みでしたが、算数が2年連続で大きく易化し、理科は3年連続の難化で合格者平均点でも55点ほどと、たいへん難度の高い試験でした。
この難度の高さから、理科はあまり差のつかない試験となりました。
6.2026年入試からみる科目別の傾向と対策
今年度の甲陽学院中入試を参考に、教科ごとの傾向と対策をご紹介します!
◆国語

【試験時間・配点と構成】
試験時間と配点は、1日目、2日目ともに試験時間55分の100点満点の試験で、2日間とも長文読解の大問2題構成となっています。問題用紙はB4用紙2枚と解答用紙1枚という形式で2日間とも同じです。
今年の1日目は、例年通り大問1が論説文、大問2が物語文で、ここ数年この構成が続いています。2が目も論説文と物語文が多いのですが、昨年は随筆文と物語文で、今年は大問1も2も両方随筆文でした。
漢字や語句問題などの知識問題も、例年通り各大問の中の小問として出題されました。
灘中の国語入試は1日目と2日目とで構成が大きく変わりますが、甲陽は2日間とも同じような問題構成になっているのが特徴的です。
【難易度】
今年2026年の甲陽国語入試1日目は、概ね例年並みの難易度でした。昨年2025年がたいへん高い難度でしたので、今年は緩んだようです。その反面、今年は2日目の難度が高くなり、2日間合計で見ると昨年と同じような難易度だったと言えます。
総合的に昨年と比べ合格者平均点が上がったため、受験者平均点と合格者平均点との差は2024年並みに広がり、国語にしては差がついた試験となりました。例年、甲陽学院中の国語は1日目も2日目も受験者平均点が60点弱、合格者平均点は2日間合計で125点弱となっています。
【傾向と対策】
甲陽学院中の国語は1日目も2日目も同じような大問2題構成で、2日間とも論説文と物語文という年が多い傾向にありますが、今年のように2日目が2題とも随筆文という年度もあります。
長文読解は各問題3000字近く読むことになりますが、今年はややボリュームが減りました。多い時には大問1題で4000字前後の文章を読まなければならない年度もあるので、スピーディーかつ丁寧に読めるように日ごろからしっかり訓練しておく必要があります。
・漢字、語句問題
漢字やことわざ、慣用句などの語句問題は単独問題ではなく、長文読解問題の中の小問として出題されます。同じ関西の最難関男子校の灘中や東大寺学園中に比べると難易度はさほど高くなく標準的な問題ですので、甲陽学院中受験生なら確実に得点しておきたい問題です。
・記述
甲陽学院中の国語入試は、2日間とも漢字と語句以外のほとんどが記述解答です。そのほとんどは字数制限がなく、解答欄の大きさから解答字数を判断することになります。今年の解答欄の大きさも1行から4行までさまざまで、多くの字数を書く力と短く端的にまとめる力の両方が必要です。甲陽学院中を第一志望にするならば記述対策は必須です。
記述対策として、多少不安を抱いたり自信がなかったりしたとしても、普段の学習時からまずは自分で書いて答えを出すことが大事です。
記述解答は満点を取ることは難しいですが、キーワードをしっかり押さえていれば部分点をもらうことができます。合否を分ける1点になるかもしれませんので、どん欲に1点を取りに行く姿勢が必要です。空欄にすることだけは避けるようにしましょう。
◆算数

【試験時間・配点と構成】
甲陽学院中の算数入試は、国語と同様に2日間同じような問題構成で、1日目、2日目ともに試験時間55分の100点満点の試験です。
B4用紙2枚の問題用紙に解答欄があり、問題用紙に答えを直接記入する形式です。大問数は1日目、2日目ともに6題構成で、大問1以外は途中式や求め方を書けるようになっています。たとえ答えが間違っていても、途中式の考え方が正しければ部分点がもらえます。小問数も両日ともに16問と例年並みでした。
【難易度】
今年度の甲陽学院中の算数は、易化した昨年度よりもさらに易化し、特に1日目は受験者平均点が7割以上とたいへん高く、受験者複数名が満点だったものと思われます。2日目の算数は昨年並みで概ね例年並みの難易度でした。受験者平均点と合格者平均点の差も15.0点と例年並みでした。
ちなみに2024年度の算数は、関西圏で大きく話題となったほどの高難度で、1日目も2日目も受験者平均点が40点台、合格者平均点でも5割程度でした。受験者平均点と合格者平均点の差も12.7点と過去10年で最も差がつかない試験でしたが、その反動で昨年2025年は大きく易化し、難度も例年並みに戻り、平均点の差も15.3点と例年並みに戻りました。
【傾向と対策】
甲陽学院中の算数は1日目も2日目も構成が似ていて、いずれも大問6題構成です。大問1以外は解き方を書かせる問題ですが、問題用紙の解答欄に直接書く形式なので、解き方を書くスペースはさほど大きくありません。
最後の答えまで行きつかなくても、その少ないスペースでどれだけ部分点をもらえるかが勝負の分かれ目になります。各問題で1点、2点をいかに積み上げられるかで合否が決まりますので、小さいスペースでも的確にアピールすることが大切です。
例年、2日間とも平面図形、立体図形、速さ、数の性質、場合の数が頻出しています。今年も1日目は大問1が小問集合で計算と立体図形、大問2がニュートン算、大問3が平面図形、大問4が流水算、大問5が変形時計の時計算(角速度)、大問6が規則性の単元でした。
2日目は大問1が小問集合で平面図形と計算、大問2が速さ、大問3が立体図形、大問4が場合の数、大問5が平面図形、大問6が数の性質の単元でした。概ね例年通りの出題単元と言えますが、他の単元から出題されることも多く、比較的偏りが少なくバランスの良い出題となっています。甲陽学院中を志望する受験生は、偏りなく学習しておく必要があります。
◆理科

【試験時間・配点と構成】
甲陽学院中の理科入試は、試験時間55分の100点満点の試験で、今年も例年通り大問6題構成でした。物理と化学の分野から各2題、生物と地学の分野から各1題の6題という構成も例年通りで、ここ10年以上変わっていません。小問数は例年60問前後で、問題用紙はB4用紙3枚と別に解答用紙1枚です。
【難易度】
2024年度入試から3年連続の難化で、今年はたいへん難度の高い試験となりました。昨年より小問数自体はやや減少しましたが、計算問題が増えたことも難度が上がった要因でしょう。
昨年も難化して受験者平均点と合格者平均点の差が4.1点とあまり差がつかない試験となりましたが、今年はさらに大きく難化したことで、受験者平均点と合格者平均点の差が3.1点と、昨年以上に差がつかない試験となりました。
【傾向と対策】
甲陽学院中の理科試験の特徴は、記述と作図を求める問題が毎年複数出題されることです。今年も短文記述が1題と作図が1題、グラフを書く問題が1題出題されています。昨年は短文記述が6題あり、年度によりその問題数には差があります。過去問などでしっかり対策しておくようにしましょう。
大問6題の分野別出題順は、生物→地学→化学→物理→化学→物理の順で、昨年と同じでした。毎年物理と化学分野にやや偏りがある出題配分で、両分野ともに時間を要する計算問題が出題されています。
試験時間は55分と他校に比べやや長いのですが、小問数も60問弱程度と多いので、できれば前半の生物と地学を素早く解き切り、後半の化学と物理の4題に十分な時間を残しておきたいところです。今年度も大問5の化学と大問6の物理の問題は、時間を要する難度の高い計算問題でした。
今年は物理の分野で例年頻出の力学の単元の出題がなく、地学の分野も例年は地質や地層の単元が頻出ですが、今年は天体(月)の単元でした。
生物や地学の分野では単純な知識問題もあり、比較的点数が取りやすいので得点源となります。ここで時間をかけず正確に解き進め、繁雑な計算の多い化学と物理にいかに時間を残せるかが合否を分けるポイントとなります。
7.まとめ~甲陽学院中合格への道~

甲陽学院中は、灘中と並び、関西圏最難関中学と位置付けられている中高一貫の男子校です。春は桜のトンネルのできる夙川沿いの遊歩道を通学し、学校は芦屋市との市境の西宮の閑静な住宅街にあり、たいへん恵まれた環境にある学校です。
他の中高一貫校と違い、中学と高校の場所が離れていて、同じ西宮市内ですが中学は海の近くで高校は山の方面にあります。
授業の進度はたいへん速く、中学1年間で中学3年分のカリキュラムを終わらせるとも言われています。
関西の最難関中学の中では、毎年比較的倍率は低めで1.7倍前後ですが、昨年は1.48倍、今年も1.52倍と低くなっています。倍率が低いとはいえ、簡単に入学することができない最難関校であることに違いはありません。
総合進学セミナーには甲陽学院中に特化して指導できる講師も多く在籍しています。毎年のように甲陽学院中志望の受験生を指導しているため、入試傾向にも精通しています。お子さま1人ひとりの現状を踏まえ、入試までの限られた時間を無駄のない効率的な指導で合格を目指します。
甲陽学院中受験はもちろん、併願校の選定など、中学受験に関するお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

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