受験生の食事!脳の働きは、「何を食べないか」で決まる

  • 2019.07.03
  • 受験レシピ

これまで、脳の働きや健康の維持について、どのような栄養素や食べ物が良いのかをいくつか紹介してきました。


その中で、「何を食べるか」を考え選択することの重要性 を度々お話ししてきましたが、脳の働きや健康の維持は何を食べるのかだけでは決まりません。

これと同じくらい大切なのが、
「何を食べないか、何を飲まないか」といった、注意すべき食物の存在を知り、避けることです。


今回は、私たちの生活の中で身近に潜む、注意すべき食物について紹介します。


◎トランス脂肪酸

トランス脂肪酸とは、常温で液体の不飽和脂肪酸に、人工的に水素を添加して固形にする際に出てくる副産物です。植物油などからマーガリンやショートニングを製造する際や、植物油を高温にして脱臭する工程で生じます。

このため、トランス脂肪酸はマーガリンやマヨネーズ、ショートニング、ビスケット、市販のチキンナゲットやケーキなどに多く含まれています。食物から摂取したトランス脂肪酸は、脳に運ばれるとDHA のすぐそばに入り込み脳の思考プロセスを混乱させるとも言われています。

また、トランス脂肪酸は酵素の働きも阻害するため、脳に欠かせない必須脂肪酸などが作られにくくなります。そのほかにも、過剰摂取により心筋梗塞や、肥満、アレルギーなどのリスクが上がると言われています。
米国では、2006 年にトランス脂肪酸の食品表示が義務付けられました。



◎カフェイン

カフェインとは、アルカロイドと呼ばれる天然由来の有機化合物の一種です。よく知られているのは、コーヒーや紅茶、緑茶などに多く含まれる他、コーラや強壮ドリンクにも含まれています。
また、チョコレートにもカフェインとほぼ同じ働きをするものが含まれています。
この、カフェインは適度な量を取る場合には様々なメリットがありますが、問題は依存性が高いという点で、摂り過ぎてしまいやすいということです。

<メリット>
・覚醒作用……眠気が解消され、集中力が維持される。
・強心作用……心収縮や心拍数が上がる。また、血管を拡張する効果もある。
・利尿作用……強心作用によって腎臓を通過する血液量が増え、尿量が増加する。
・骨格筋作用……骨格筋収縮力や疲労抵抗が高まり、持久力が高まる。

<依存によるデメリット>
・不眠作用、不安作用……大量のカフェインは、不眠を引き起こしたり、不安感を増大させパニック障害や、精神障害のリスクを高めるとも言われている。また、勉強におけるカフェインの作用は、疲労の蓄積によって落ちた集中力を戻す作用はありますが、思考を伴う作業の効率は逆に下げると言われています。普段の勉強中の飲み物や間食の積み重ねが、知らず知らずのうちにカフェイン過多になっていないかを意識した上で、カフェインと上手に付き合っていくことが望ましいです。



◎血糖値を急激に上げる食品

以前にも紹介しましたが、脳のエネルギーとなる糖質の取り方には注意が必要であり、それは血糖値を一定にコントロールすることです。
しかし、白砂糖をはじめ、精製されたでんぷんなどは血糖値を急激に上げてしまい、その後急激に下がります。
ケーキやお菓子、市販の食品などから大量にこのような糖質を摂取していると、血糖値がうまくコントロールできない血糖代謝異常といった状況に陥りやすくなります。
この血糖代謝異常は、朝起きられない、強い疲労感が続く、気分の落ち込み、集中力の欠如、イライラ、不安などの様々な症状につながってきます。
砂糖なども、精製度合いの低いものや自然に近いものを選ぶようにしましょう。

 






この他にも、タバコや過剰なアルコールなどは脳や健康にとって有害です。

特に、タバコは本人が喫煙していなくても周囲に吸っている人がいるだけで、受動喫煙の被害に巻き込まれてしまうので、そのような心配がない環境を整えてあげることが必要です。


カフェインの話の中でも出てきましたが、受験勉強の合間に飲む飲み物といえば、眠気を覚ましてくれるコーヒーや紅茶などが定番ですが、今回はそれらにとってかわる効能をもつ飲み物のレシピをご紹介します。



<レシピ>

疲労回復、ミネラルチャージ!自家製ジンジャーエール

【材料】

(ジンジャーシロップ材料)
・しょうが……100g
・はちみつ……50g
・きび糖 or てん菜糖 or ⿊糖……200g
・水……200ml
・シナモンスティック……1 本

(ジンジャーエール材料)
・炭酸水……100ml
・レモン……適量
(・ローズマリー……お好みで)
・ジンジャーシロップ……大さじ2



【作り方】

(ジンジャーシロップを作り方)
① しょうがは汚れている部分の皮などは除き、よく洗って、薄切りにする。
② 小鍋にきび糖、はちみつ、水を入れてかき混ぜながら煮立たせ、次にしょうがと、シナモンスティックを入れ再び煮立たせる。
③ 煮立ったら、弱火にして20 分ほど煮詰める。
④ 冷めたらザルでこして、しょうがとシナモンスティックを除く。
⑤ 保存用の瓶などに入れて、冷蔵庫で保存する。(冷蔵庫で約1週間保存可能)

(ジンジャーエールの作り方)
① 氷を入れたグラスに、ジンジャーシロップを入れ、冷えた炭酸水を注ぎ、レモンを少し絞り、混ぜたら出来上がり。

※お好みでローズマリーを刻んで入れても美味しいです!




ジンジャーシロップを作る際に、白い砂糖ではなく、はちみつときび糖などの天然の糖を使うことで、ミネラルが補給できます。また、しょうがには、疲労回復や免疫力up といった効果も期待できます。

爽やかな炭酸で気分転換をはかるのも良いと思います。
炭酸が苦手な人は、お水で割っても美味しく飲むことができます。



味も風味も作りたてが1番!自家製チャイ

【材料】(2杯分)

・紅茶……ティースプーン2杯(2g)
・シナモンスティック……1/2 本
・カルダモン(原形)……2個
・クローブ(原形)……2個
・水……200ml
・牛乳……200ml
・はちみつ……適量(なければ、砂糖でも可)



【作り方】

① シナモンは包丁で半分に割り、カルダモンはサヤ(殻)から⿊いタネを出してすりばちですり潰す、もしくは包丁で細かく刻む。
② 小鍋に水を入れ沸騰したら、シナモンとカルダモン(サヤも一緒に)、クローブを入れ中火にして、お湯が茶色になるまでしっかり煮出す。
③ 火を止めて、茶葉を加え2 分ほどおく。
④ 牛乳、はちみつを入れて、中火にかけて沸騰直前まで温める。(吹きこぼれないように注意する)
⑤ 茶こしでこしながら、カップに注いで出来上がり。※冷蔵庫などで冷やしても美味しいです!



今回使用したスパイスは、受験勉強に際しても次のような効能が期待できます。
シナモンは、リラックス効果と同時に気分をスッキリさせてくれ、クローブは、気持ちの安定と、記憶力が増す。カルダモンは、気分を落ち着かせ、集中力が増すといった効能が期待できます。

また、カルダモンやクローブはパウダー状のものでなく、原形のものを使うことで、香りやコク、味わいが深くなりますので、ぜひ一度試してみてください。

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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