受験生こそ、ストレスに負けない食事を!!

  • 2019.08.06
  • 受験レシピ

私たちは、生きているだけで様々なストレスにさらされています。
ちょっとした環境や、気温の変化から予期せぬ事故や人間関係まで、その大きさや感じ方は個人差が大きく様々です。

とりわけ、受験生においては普通の生活をしているよりも、⻑時間の勉強に伴うストレスが多くなります。
ノルマの達成、時間の拘束、焦燥感など、知らず知らずのうちに大きな見えない敵と戦っているのです。


ストレスが体にかかると、私たちの体は防御反応を示し、様々な形で身を守ろうとします。
体がストレスに反応すると、血圧や血糖値を上昇させたり、疲労を興奮に変えたり、休まずに働こうとすることでストレスに抵抗します。
適度なストレスは、その人の能力を伸ばしてくれますが、過度なストレスや、⻑時間にわたるストレスなどは⼼身に異常をきたしてしまいます。

このような身体反応に伴い、食事においても、ストレスによって大量に消費される栄養素があります。



◉ビタミンC
ストレスがかかると、アドレナリン(副腎髄質ホルモン)が多量に分泌され、脈拍を速め、血圧や血糖値を上昇させてエネルギー供給状態を整えて、ストレスに対処します。
ビタミンC はこのホルモンの合成に必要になってくるため、ストレスがかかると、ビタミンC の消耗も激しくなります。ここでのストレスとは、暑さ、寒さ、疲労、苦痛、⼼痛、睡眠不足などの精神的、物理的ストレスの両方が含まれます。喫煙や花粉症などのアレルギーによっても、ビタミンC は通常よりも多く消費されます。


◉アミノ酸
慢性的なストレスにさらされると、脳や体が大量のノルアドレナリンやセロトニンなどの伝達物質やホルモンをつくり、ストレスや気分の上がり下がりに対処しています。
それに伴い、伝達物質やホルモンの材料となるアミノ酸(トリプトファンやチロシン など)が大量に消費されます。


◉ミネラル
ストレスがかかると、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多く消費されます。
特に、「イライラするとカルシウム不足」と言われるように、カルシウムは神経を沈静化する作用があります。そして、亜鉛は肝臓で生産される抗ストレス物質の原料ともなります。
また、ストレスとしてよく名前を聞くのが、「活性酸素」です。呼吸により体内に取り込まれた酸素の一部は、活性酸素という形に変わり、細胞伝達物質や免疫機能として働く一方で、過剰な活性酸素は細胞を傷つけ、がんや病気をもたらす原因となります。私たちの体には、この過剰になった活性酸素から身を守るための防御機構も備わっていますが、(受動)喫煙や、大気汚染、紫外線、ストレスといった要因により近年では、この体内の防御機構を上回る量の活性酸素を産生した状態になってしまう人も増えてきています。
そこでこの活性酸素から、体と脳を守る物質として注目されているのが『抗酸化物質』と呼ばれるものです。


◉抗酸化物質
活性酸素の働きを抑えてくれる物質を抗酸化物質と呼び、これは様々な食べ物の中に含まれています。
<抗酸化物質を含む栄養素と食べ物>

栄養素 主な食材
ビタミンC イチゴ、キウイ、トマト、柑橘類 など
ビタミンE 大豆、ナッツ類 など
ポリフェノール ココア、ブルーベリー、緑茶、生姜 など
βカロテン ピーマン、人参、カボチャ(緑⻩⾊野菜) など
コエンザイムQ10 サケ、レバー など

 

これらストレスによって大量に消費される栄養素は、三大栄養素(炭水化物、タンパク質、資質)と呼ばれるもの以外に含まれていることも多く、ビタミンやミネラル、その他の栄養素の重要性を物語っていると同時に、様々な食物を意識して食べることが必要になってきます。

これらを知った上で、消費されやすい栄養素を食べ物から補充し体に満たしておくことが、ストレスに強い体を作る上でも重要になってくると思います。


 

<レシピ>

〜ストレスに負けない!夏野菜ガパオライスー〜



【材料】(2人分)

・鶏胸肉……200g
・玉ねぎ……1/2 個
・なす……1/2 個
・パプリカ……1/2 個
(その他お好きな夏野菜でも可)
・バジル……10枚
・にんにく……1片
・豆板醤……小さじ1/3
・片栗粉……少々
・ごま油……適量
・ご飯……2杯
・卵……2個
(お好みで、・ライム……2切れ・⿊胡椒……少々)

(調味料A)
・ナンプラー……大さじ1
・オイスターソース……小さじ1
・醤油……小さじ1
・砂糖……小さじ1/2

 

【作り方】

① にんにくはみじん切り、玉ねぎ、ナス、パプリカは2cm 角に切る。鶏胸肉は粗みじん切りにし、軽く片栗粉をまぶしておく。バジルはザックリとちぎっておく。
② フライパンにごま油をひいて、にんにく、豆板醤を炒める。香りがしてきたら、玉ねぎとなすを加えて軽く炒めたら、鶏胸肉を加えて火が通るまで炒めたら、パプリカを入れよく炒める。
③ A の調味料を加えて混ぜ、バジルを入れて軽く炒めたら、火を止める。
④ フライパンで目玉焼きを作る。
⑤ お皿にご飯を盛り、その上に③のガパオをかけ目玉焼きをのせたら出来上がり。
*お好みで、バジルをのせたり、ライムを添えたり、⿊胡椒をまぶしても美味しく召し上がれます。



夏野菜は、野菜自身が暑さや紫外線によるストレスに強くなるため、抗酸化物質であるビタミンC やビタミンE、ポリフェノールといったものを多く含んでいる傾向にあります。
また、夏場に採れた旬の夏野菜はその他の時期に収穫されたものよりもはるかに多くの栄養素を含んでいるため、旬のものを食べることも非常に大切になってきます。





〜キウイとサーモンの抗酸化マリネ〜



【材料】(2人分)

・スモークサーモン……5〜6切
・ゴールデンキウイ……1 個
・セロリ(茎)……15g(約5cm)
・モッツァレラチーズ……50g(大1/2 個)
・バジル……3~4 枚
・オリーブオイル……大さじ1
・ホワイトビネガー……大さじ1
・塩・こしょう……少々


【作り方】

① スモークサーモンは食べやすい大きさに切り、ゴールデンキウイはいちょう切りにし、セロリは薄めにスライスする。
② ボウルにオリーブオイル、ホワイトビネガー、塩2つまみ、スモークサーモン、ゴールデンキウイ、セロリを入れてよく混ぜ合わせる。
③ 冷蔵庫で10分以上冷やして、味を馴染ませる。
④ お皿に③のマリネを盛り、その上にモツァレラチーズとバジルもちぎってのせる。
⑤ 仕上げに、こしょうを少しふったら出来上がり。



サーモンの紅⾊の成分であるアスタキサンチンには、強力な抗酸化作用やβカロテン、コエンザイムQ10 などが含まれており、「自然界最強の抗酸化成分」とも言われています。
また、このアスタキサンチンは油やビタミンC と一緒に食べることで吸収率や効果が増すため、今回は、サーモンとともにキウイを使い、オリーブオイルのマリネで仕上げました。
 

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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