受験のラストスパートでいちばん大事なこと

  • 2022.09.15
  • 受験情報

 

 

受験まであと数ヵ月となりました。年が明ければいよいよ受験本番!受験生は「ラストスパート」に入ります。そこで、よくある勘違いや、この時期にぜひやってほしいこと、ラストスパートでいちばん大事なことなどをお伝えします!

 

CONTENTS:

1.そもそもラストスパートとは?

2.ラストスパートでよくやってしまいがちな勘違い

3.ラストスパート期にやるべき3つの学習ポイント

4.親もラストスパート!親の大事な役割とは?

5.まとめ~ラストスパートを有利に進めるために

 

1.そもそもラストスパートとは?

一般に受験生は夏休みが終わると「ラストスパート」に入ると言われています。よく使われる言葉ですが、そもそも受験におけるラストスパートとはどういうものでしょうか。

次のうち、ラストスパート中にやることとして、正しいものには、間違っているものには×をつけてください。

 

●とにかく勉強量を増やす

●睡眠時間は4時間もあればよい

●遅れないように、なるべく周囲のペースに合わせていく

●ラスト1ヵ月に息抜きは必要ない

●まだやっていない問題集をどんどんやる

●ここからは過去問だけを繰り返し演習する

●復習よりも応用を重視する

●夜遅くまで勉強していた翌朝はゆっくりでよい

 

はいくつあったでしょうか。

実はこれは全て×で、間違い。よく勘違いされるのですが、上記の行為はすべてラストスパート期間中にやってはいけないことです。

 

広辞苑によると「ラストスパート」とは、「ゴール直前での最後の力走、力泳。最後のがんばり」とあります。元来は競走や競泳などの競技でゴール直前に、最後(last)のスパート(spurt=全速力を出すこと)をかけるという意味から、やがて物事の終了間際に全力を出してより良い結果に繋げるという意味で使われるようになりました。

 

陸上や競泳などを見ていてもわかると思いますが、ラストスパートのかけかたは人それぞれです。レース前半は後方だったのに、最後にグーンと伸びてきて前にいる選手を一気に抜き去る選手もいれば、逆に前半はトップだったのに、後半は次々と抜かされてしまう選手もいます。

 

勉強においてもスポーツのレースにおいても同じで、ペース配分というのはとても大事です。相手の出方ばかりを気にして、それに合わせるように急にスピードを早めたり抑えたりとしていると、無駄に体力を消耗して疲れるだけです。

 

ラストスパートだからと、無理をすることはありません。あくまで自分のペースでいいのです。あまり大きなペースアップをすることなく、最良の状態でゴールまでたどり着けるのが理想でしょう。

 

2.ラストスパートでよくやってしまいがちな勘違い

 

 

 

この時期の受験生は、塾などでも「ラストスパート」と急き立てられていると思いますが、毎年、この「ラストスパート」という言葉に必要以上に振り回されてしまうご家庭があります。

 

受験生の中には、夏休み中にしっかりペースアップし、2学期になると急激に成績が上がる生徒も確かにいます。そういった受験生が近くにいると、否応なしに焦ってきますが、その急上昇が受験当日まで同じように上がり続けていくとは限りません。急上昇すると、疲れから急降下してしまうこともよくあります。

 

周囲の受験生と自分を比較して一喜一憂し、自分のペースが乱されることのないように気をつけなければなりません。それまで順調だったのなら、周囲に踊らされることなく、そのままのマイペースでいいのです。ライバルの出来不出来に動じない精神力も必要です。

 

大切なのは、受験当日に自分の力を頂点に持っていけるようにすることです。早いうちに頂点に達して、受験時には下降気味では意味がありません。スタミナの有る無しでも違います。ペース配分がとても大事で、ものすごい勢いでスパートをしても途中で息切れして失速するなら意味がありません。当日に最高の状態(持っている力が右肩上がりの状態)にもっていけるよう、自分のスタミナにあったスパートをかけましょう。

 

勘違いしてはいけないのが、冒頭の〇×でチェックした「ラストスパート期間中によくある勘違い行為」です。ラストスパートとは、やみくもに勉強量を増やして、少しの息抜きも許さず、睡眠時間を削ってまで、一心不乱に勉強を強いることではありません。

 

ラストスパートとは、

今までよりもさらに時間を無駄にしない」というのが正しいでしょう。

 

それでは、正しいラストスパートとはどういうものをいうのでしょうか。具体的に何をすればいいのか次に見ていきましょう。

 

3.ラストスパート期にやるべき3つの学習ポイント

 

 

 

よく「ラストスパートに何を勉強したらいいのですか」という質問を受けます。そこで、この期間にやるべき学習として3つのポイントをご紹介します。

 

①過去問の演習

この時期にやるべき学習としてまず過去問演習が挙げられます。塾などでも勧められていると思いますが、ここからは志望校に特化した学習を中心に行ってください。

できれば過去問を5年分くらいを3周、できるのであればさらに古い年度の分に取り組んでもいいでしょう。

 

時々「いくら過去問をやっても、同じ問題は出ないのだから無駄だ」という人もいます。ここで、注意したいのが、過去問をやる目的は「問題とその解答を丸暗記することではない」ということです。確かに同じ問題は出題されません。つまり、問題や解答を丸暗記しても意味がありません。

 

過去問を演習する目的は、その「学校の傾向を知ること」にあります。どのような形式の問題で、難易度はどのくらいで、どの単元が多く出て、問題数はどのくらいで、時間配分をどうすればいいのか、といったその学校の試験の特徴を知り、その試験に慣れるために行います。

 

試験を受けた時に、「この形式は慣れている」と思えたほうが、「初めて見る形式だ」と思うよりも心の大きな余裕になります。また、頻出単元がわかれば、その単元を集中的に復習することもできます。過去問演習は、どこに力を入れて勉強したらいいのかを知るための演習と思ってください。

 

②スキマ時間に暗記系

ずっと机に向かっていると、疲れてきて頭も回らなくなってきます。適度に体を動かすことも大事で、時々立ってストレッチしたり、机から離れて家の中を歩いたり、近くを少し散歩したりするのもいいでしょう。

 

また、小腹が空いたら、軽食をとるのもいい気分転換になります。ただし、そのような時でも、国語の漢字や語句、理科や社会の暗記物のノートなどを常に持っておくようにしましょう。暗記系の学習は、散歩や軽食時だけでなく、通学時の車内やお風呂、トイレタイムでも可能です。スキマ時間を無駄にせず、残り少ない時間を有効活用しましょう。

 

③間違いノートの見直し、間違いノートの作成とやり直し

これまで受けてきたさまざまな試験の間違いを直した「間違いノート」を作っていたのであれば、それを徹底的に読み返しましょう。

 

間違いノートを作っていないのであれば、過去問を解く今からでも間違いノートを作り、間違った箇所について何度も復習できるようにしましょう(*)

 

今までやってきたことを見返すことなく、この時期に新しい問題集などを買って挑戦するというのはお勧めできません。これまでやった問題集で間違ったところを復習してください。

 

*間違いノートの作り方や間違いノートについて詳しく知りたい方は、「成績アップの秘訣はテストの直しにあり!間違い直しの重要性と保護者の手伝い方」をご覧ください。

 

ラストスパート期の学習は、この期に及んで見たこともない難しい問題にチャレンジしたり、塾内におけるクラスアップを気にしたりする学習はしないでください。あくまで志望校に向けての学習に焦点をあて、そこに集中して取り組みましょう

 

4.親もラストスパート!親の大事な役割とは?

 

 

 

子どもが受験生でラストスパートに入るのであれば、親も一緒です。これまでもたいへんだったと思いますが、ここからは親も一緒にラストスパートしていかなければなりません。これまで以上に受験生へのフォローを手厚くし、生活や健康面を管理するのが親の役目となります。

 

ラストスパートで最も大事なのは、「体調管理」といっても過言ではありません。入試本番に向けて、今から体調を万全に持っていくことも、とても大事なことです。

体調を顧みずに夜遅くまで勉強することで、頑張っているという気持ちになって自己満足に浸っているだけということもよくあります。頑張ろうという気持ちはわかりますが、そこは親がしっかり子どもの生活を見守り、健康管理に気を配ってあげるようにしましょう。

 

もちろん、ラストスパート期にもかかわらず、子どもがゲームなどで遊んでしまい、勉強時間が全然ないなど目に余ることがあれば、叱咤激励して受験モードに向けさせる必要があります。逆に周囲の雰囲気に煽られ、必要以上に夜遅くまで勉強し、これまで良かったペースが乱れていると感じたときには、ブレーキもかけてあげなければいけません。この辺りの手綱を緩めたり締めたりするのも親の重要な役目の一つです。

 

この時期の親は「ブレーキ役」であって、決して「煽り役ではない」ことを忘れないでくださいね。

間違っても親が次のような煽りワードを言わないように気をつけてください。

 

・「早く勉強しなさい」

・「なんでもっとやらないの」

・「受験まであと何日だと思ってるんだ」

・「こんな簡単な問題ばかりやって間に合わないぞ」

・「〇〇さんはもっとやっているわよ」

・「そんなんじゃ受からないぞ!」

 

上記のような言葉はすべて無駄に煽っているNGワードです。逆効果になりますから、控えるようにしてくださいね。

 

5.まとめ~ラストスパートを有利に進めるために

今回は、ラストスパート期に行うべき大事なことを述べてきました。学習法については3つのポイントをご紹介しましたが、もしかしたら難しく感じるかもしれません。

 

過去問だけをやればいいわけではなく、過去問から志望校の傾向と対策を導き出し、現状どこができていて、どこができていないのか、どこに重点を置いて何を勉強したらいいのかを分析する必要があります。

 

自分でわかればいいのですが、自分だけでは難しいこともあるでしょう。その場合は、やはり受験のプロ(家庭教師など)に相談したほうがいいかもしれません。ラストスパートをより有利に進めるために、ラストの数ヵ月間だけでも指導してもらうといいでしょう。

 

泣いても笑っても残りあと数ヵ月。この大事なラストスパート期をどう過ごすかで結果は大きく変わります。悔いのないように、もうひと踏ん張りがんばりましょう。あともう少し!ラストまで駆け上って、最高の状態で本番を迎えてくださいね。

 

 

 

 

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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