中学受験生にとって6月は大事な時期です。受験後に悔いを残さないよう、今しかできない、この時期だからこそやっておきたい3つのことをご紹介します。
CONTENTS:
1. 受験生にとっての6月とは?
6月とはどんな月?
受験生に限らず一般的に6月は梅雨で日射量も少なく、ジメジメとしていて不快に感じる人が多い季節です。寒暖差や気圧の変化などで体調を崩したり、気分が落ち込むように感じたりする人も少なくありません。
ましてや受験生にとって、ただでさえ「受験」というストレスを抱えているため、6月は心身に不調をきたしやすく、「なかなかやる気が出ない」と感じる受験生も多いのではないでしょうか。いわゆる「中だるみ」のような状態です。
6月は忙しい?それともまだ余裕がある?
受験生の6月は、塾に通い宿題に追われる忙しい毎日を過ごしていることでしょう。今でも十分忙しいと感じていると思いますが、これから夏休みに入ると一気に受験モード全開となりもっと忙しくなります。そして、秋になればいよいよラストスパートとなってさらに時間に追われることになります。
今よりもずっとずっと時間がなくなります。毎年入試が終わった多くの受験生が、夏休み前までのこの6月~7月の時間の過ごし方を後悔しています。「あの時あれだけ時間があったのに…」と嘆くのです。
つまり、6月の今はまだ十分時間があります。逆に言うと、今以上に時間がある時はこれから受験が終わるまでありません。のんびりしている場合ではないのです。そこで、時間の余裕がある今こそやっておきたい3つのことをご紹介します。
2. 今やるべきこと① 「間違い直し」
間違い直しの有無がこの先のラストスパートにも影響!?
この時期にいちばんにやっておきたいことは「テストの間違い直し」です。多くの受験生が日々の授業や宿題に追われて塾で受けた小テストや公開テスト、その他の模試などのテストを受けっぱなしで放置しているのではないでしょうか。
間違い直しをしないままで放置していると、土台(学習の基礎)があやふやなまま進んでしまう可能性があります。今後いくら新しい知識を学んでも身につかず、成績も伸び悩むことになるでしょう。
少し立ち止まるように思うかもしれませんが、ここでこれまで受けたテストの間違い直しをしっかりとするか否かによって、夏休みが明けのラストスパートが変わってきます。
基礎のとりこぼしがあると、皆がラストスパートに入って乗っていこうとしているのに、自分だけがまたスタートラインまで戻ることにもなりかねません。かなりの差がついてしまいます。この先のラストスパートにスムーズに乗るためにも、今間違い直しをしっかりしておくことが必須なのです。
注意が必要な2種類の間違い直し
テストの間違い直しには2種類あり、ケアレスミスのような間違いで、自分でもすぐに原因がわかり簡単に直せるものと、解き方や問題そのものがわからず、1人では間違い直しができないものがあります。前者なら本人または親御さまが間違い直しノートを作って対処するのがおすすめですが、後者は時間ばかりかかって、自分だけではなかなか難しいでしょう。
塾の先生に聞ければいいのですが、そのタイミングを待っているとその分だけどんどん遅れていきます。そのような時は、この時期だけでも家庭教師などに個別指導してもらうほうがいいでしょう。
3. 今やるべきこと② 「苦手分野の克服」
今が苦手克服のチャンス!
この時期にやっておきたいことの2つ目は「苦手分野の克服」です。苦手な教科や単元は、本人もわかってはいても、なかなか手がつけづらいものです。
たとえば、国語の「長文記述が苦手」や、算数の「旅人算や立体図形の問題でいつも失点している」、理科の「浮力や月と太陽が苦手」など、誰でも人それぞれ苦手なものがあるはずです。
苦手単元がわかっていても、いつか時間のある時になどとついそのままにしてはいないでしょうか。それではいつまでたっても苦手なままです。前述したように、今より時間のある時は他にありません。今こそ苦手分野に取り組むべき時、今こそが苦手克服のチャンスなのです!
苦手分野をそのままにしているとどうなる?
夏休みが明けると、いよいよ志望校別の受験対策が始まります。それぞれの学校の入試問題を意識した難問に取り組むようになります。自分が苦手とする単元が志望校では頻出単元になっている可能性もあります。その時に慌てて基礎からやり直すのはたいへんですし、精神的にもきつくなります。
そうならないためにも、今のうちに苦手分野を得意とまではしなくても、せめて苦手意識をなくすようにしておく必要があるのです。そうはいっても、苦手分野に自ら取りかかれる子どもはなかなかいません。
大人でも苦手なものに手をつけるのは苦しいものです。そもそも苦手であることを親に知られないよう隠している子どもも少なくありません。秋ごろに初めて苦手分野があることを知って驚くというのはよく聞く話です。
少しでも不安に感じる場合は、やはりこの時期だけでも一人ひとりの理解度をしっかり把握してくれる家庭教師などの個人指導を受けることをおすすめします。
4.今やるべきこと③ 「受験校リサーチ」
偏差値や学校名だけで志望校を決めていませんか?
この時期にしておきたい3つ目は、受験校として「いろいろな学校を知る」ことです。志望校や併願校について、模試の結果や偏差値表だけで判断していないでしょうか。「自分は塾内ではこのクラスで、このくらいの成績だからこの学校を受験すればいいのかな」などと安直に決めていませんか。
成績だけで何となく知っている名前の学校を志望校に選び、その学校のことをよく知らずに受験しようとしている生徒をよく見かけます。「塾の先生が言っていた」や「友達と一緒の学校を受験する」などと、学校の名前は知っていても、その学校がどこにあるのかすら知らない受験生も少なからずいます。
今ならまだ間に合う本人に合った学校探し
中高一貫校は、合格すれば中学・高校の貴重な6年間を通う学校です。「誰かが言ったから」や「友達と一緒に行く」では、あまりにリスキーすぎます。本当に本人に合う学校なのかよく吟味しておかないと、入学後に後悔することになります。
学校をいろいろ調べてみると、あまり話題になったことがない学校でも、いい学校がたくさん見つかります。今まで知らなかっただけで、より興味のある魅力的な学校が見つかるかもしれません。
まだこの時期なら、どこの学校にするか迷う時間も十分にあります。夏休みが明ければ、志望校に絞った学習に集中することになり、他の学校を見る余裕などもなくなるので、今のうちにいろいろな学校を知っておくことがとても重要です。
今考えている志望校で本当にいいのか、この時期に家族でゆっくりと話し合いましょう。そして余裕があれば、モチベーションも上がるのでぜひ直接学校見学に行きましょう。
5.2026年度の中学入試
最近の中学入試に増えている「加点制度」とは?
早いところでは、今年の5月初旬頃には2026年度入試の新入生募集要項が公開されています。来年度から入試形式が変更になる学校も、既にわかっているだけでも複数校あります。
変更点として多いのが、さまざまな「加点制度」です。例えば、前期・後期など複数回入試がある学校では、2回目や3回目受験時に加点されるという学校も増えてきています。
また、学校によっては各種資格やスポーツ・文化活動による加点などもあります。英検・漢検・数検などはもちろんのこと、スポーツや書道、吹奏楽などの入賞経験、ボランティア活動などでも出願時に書類を提出すると加点される学校もあります。
もしかすると、今習っている、または習っていたことが入試で有利になることがあるかもしれません。一度確認しておくといいでしょう。
学校の入試情報は常に最新のものを確認する!
受験予定の学校や興味のある学校の情報は、ホームページや説明会等で知っているとは思いますが、変更になっている場合もあるので、必ず最新の情報を確認しておくようにしましょう。
特に気をつけたいのが、志望校の受験日時が変更になる場合です。その場合、考えていた併願校の日時と重複してしまう可能性もあり、併願校を変えなければいけないことになるケースもあります。
出願ギリギリになって考えていた受験校の変更は受験生本人にとっても大きなストレスとなります。常に最新情報を得ておくように意識しましょう。
6.まとめ~今すぐ始めよう!
今回は中学受験生が夏休み前のこの時期にやっておくべきことを述べました。長年多くの受験生を見てきた経験から、今お伝えしたほうがいいと思ったことです。
どの受験生も、受験結果がどうであれ、受験後に「夏休み前にもっとやっておけばよかった」と後悔の念を口にします。夏休み前のこの時期だからこそできることがあり、残された貴重なこの時間をどう使うかで、後の結果に大きく影響を及ぼします。
夏休み前のこの時期は、まだ比較的時間の余裕があるように述べましたが、その余裕もすぐになくなってしまいます。悔いの残らないよう、今すぐやるべき3つのことを始めましょう!
受験に不安のある方、間違い直しのやり方や志望校選びなど、受験のことで何か悩みがある場合は、受験のプロ家庭教師に相談してみましょう。きっといい解決策が見つかりますよ!
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