夏休みが明け、2学期が始まるといよいよ本格的な中学受験準備に入ります。中学受験をする親子にとって、2学期は最も多忙となる時期。合格を勝ち取るために、2学期をどう上手に乗り切ればいいのか詳しくお伝えします!
CONTENTS:
4. 2学期に学校を休ませる?休ませない?メリットとデメリット
1. 中学受験生にとっての2学期とは?
最も多忙となる2学期
2学期になると受験生は本格的な受験モードに入り、志望校を決め、それに向け学習方針も変わっていきます。塾などでも「ラストスパート」としきりに煽ってくるようになるでしょう。受験生やその家族は否応なしに緊張感が増してくる時期になります。
しかし、小学校では運動会や学芸会など学校行事も多く、受験生にとっては小学校最後の行事ともなるので、気持ちも揺れやすくなります。いくら時間があっても足りないというくらい、体力的にも精神的にもこれまでで最も多忙でハードな時期になると思っていたほうがいいでしょう。
受験生も親もやらなければならないこと、考えるべきことが多すぎてイライラしたり不安定になったりしやすい時でもあります。中には何もかも投げ出したくなったり、急に落ち込んでやる気をなくしたりする子どももいます。
2学期にやるべき3つのこと
このハードな2学期を親子でいかにうまく乗り切るかが合格に繋がるといっても過言ではありません。それには、あらかじめ2学期の多忙さを知り、やるべきことや情報を整理し、何を優先するのか、よく話し合ってスケジュールを立てることがとても大切です。
具体的には下記3つを行っていきます。
①志望校決め(学校見学)
②学校を休むか否か
③出願準備(スケジュール立て)
次に細かく見ていきましょう。
2. 志望校決め~学校見学5つのポイント
志望校を決めましょう
夏休みが明けると、いよいよ具体的に志望校を決める時期に入ります。受験校を早く絞ることができれば、その分早くから過去問など、その学校に合わせた学習に入ることができますし、合わないと思ったときに素早く変更することも可能です。
志望校選びは、模試などの結果から判断していくことになりますが、偏差値だけで決めてしまわないように注意しましょう。志望校を決める時は、実際にその学校を見てみることをおすすめしています。
(※志望校選びの注意点については下記のブログをご参照ください。)
↓↓↓
『中学受験の志望校の選び方~後悔しないための学校選び5つのポイントと調べ方』
学校見学のすゝめ~学校見学ができる最後のチャンス!
2学期はどこの中学校でも学校説明会や文化祭などイベントごとが多く、オープンスクールを開催している学校も多くなります。受験生を対象とした学校説明会やオープンスクールなどでは、学校側もたくさんの生徒に受験してもらいたいので、受験生のモチベーションを上げる内容が多く盛り込まれています。
本人が行きたいと思う学校を見学すると、確実にモチベーションが上がります。受験生に「受験間近なんだからモチベーションを上げて」と口で言ってもなかなか変われるものではありませんが、実際に体験すると違います。
やはり実際に本人が自分の足で通学路を歩き、自分の目で校内を見て、自分でその学校の雰囲気に触れてみること、そして主体的に「この学校に入学したい」と思うことが何より大事です。
2学期のこの時期が学校見学できる最後のチャンスとなりますので、できれば第1、第2志望校くらいは何かしらの学校イベントに参加することを強くおすすめします。
とくに受験生はずっと机の前にすわって勉強をする日が続いているので、良い気分転換にもなりますし、親子のコミュニケーションにもなるので、ぜひ参加してみましょう。
学校見学5つのチェックポイント
学校見学に行く際は、次の5つのポイントをチェックしましょう。
□ 校風が自分に合っているか
□ 生徒の雰囲気や制服はどうか
□ やってみたい部活動等があるか
□ 図書室や音楽室、理科室、食堂、グラウンドなどの施設・設備はどうか
□ 周辺環境や通学路などに問題がないか
中高一貫校なら、貴重な青春期を6年間も過ごすところです。モチベーションを上げるためにも、できれば複数校足を運んで自分に合った学校を選んでくださいね
3. 行事の多い2学期~親子の共通認識が重要
小学校を休む受験生も増えてくる2学期
2学期は在籍している小学校でもさまざまな行事が行われることと思います。学芸会や運動会、展覧会に遠足や修学旅行など、学校によっていろいろあることでしょう。小学校生活最後の1年ですので、いい思い出づくりにしたい反面、中学入試も近づいてくるので、上手に「両立」させなければなりません。
2学期になると、学校を休みがちになる受験生が毎年必ず出てきます。学校には「体調不良」で届けていますが、本当は家や塾で受験勉強をしているというケースが多くあります。
塾によっては、積極的に学校を休むことを推奨するところもあり、朝から自習用に教室を開けている塾もあります。夏休み明けくらいの時期には、まばらだった教室が2学期の終わり頃になると教室いっぱいになり、自習室の数を増やすケースもあります。
小学校を休むか否かは本人の気持ちと親子の共通認識が重要
学校を休むか否かは各家庭の判断なので、どちらがいいも悪いもないのですが、大切なのは親子でよく話し合い、共通の認識を持つことです。「親は学校を休ませたいが、子どもは休みたくない」や、逆に「子どもは学校を休んで勉強したいが、親は学校を休ませたくない」など、意見が不一致にならないよう注意しましょう。
何より大事なのは、受験生本人の気持ちです。無理やり休ませて勉強させたり、いやいや学校に行かせたりしても、決していい結果にはなりません。本人の意見を尊重しつつ、必ず親子で共通した認識を持つようにしてくださいね。
4. 2学期に学校を休ませる?休ませない?メリットとデメリット
学校を休むメリット
2学期に学校を休むメリットとしては、次のようなことが考えられます。
- 受験勉強に専念できる
- ライバルに差をつけられる(=ライバルに差をつけさせない)
- 病気やケガなどが予防できる
- 遊びなどの誘惑を回避
当然のことですが、学校を休めばその分受験勉強に専念できます。とくに志望校に特化した勉強を何倍も時間をかけてできるわけですから、ライバルに差をつけられる可能性は高くなります。
また、友人の遊びなどの誘惑に惑わされることもなくなりますし、学校や帰り道でふざけてケガをしたり、感染症などをうつされたりする心配もなくなります。
学校の行事と受験の両立が体力的にも精神的にも厳しいようなタイプなら、学校を休ませることもひとつの手段かもしれません。
学校を休むデメリット
一方、2学期に学校を休むデメリットとしては、次のようなことが考えられます。
- 行事に参加できない、またはついていけなくなる
- 最後の思い出づくりができない
- 周囲の目が気になる
- 仲間の話題に入りづらくなる
- どこか後ろめたさを感じる
前述したように、2学期はさまざまな学校行事があります。学校を休めば、行事の進行についていけなくなったり、チームワークを乱し周囲に迷惑をかけてしまったりすることも考えられます。
遅れを取り戻そうと放課後に残って練習などをしていると、塾に間に合わなくなったり、その分受験勉強が遅れてライバルに差をつけられてしまうのではと焦ったりすることも考えられます。
それならいっそ、その行事にも参加しないと考えることもできますが、それはそれで周りの目も気になりますし、卒業アルバムの行事シーンで皆が楽しんでいる中で自分だけが写っていないということにもなります。
また、休むことに対して仲間への後ろめたさや周囲の目などが気になるようなら、結局勉強にも集中できないので、やはり休まないほうがいいでしょう。
本人の意志を尊重することが大切!
2学期に学校を休むにしても休まないにしても、時間は全員に平等なのでどちらかの時間が増えれば、もう片方は減ることになります。どのような選択・決断をしても100%スカッとすることはないかもしれません。大切なのは、どちらのほうがより本人が納得できるのかということです。
先にも述べましたが、本人が望まないのに無理やり親が指示しても決していい結果にはなりません。本人の意志をいちばんに尊重し、親子でよく話し合って決めましょう。
一度決めても、実際に2学期が始まり、行事の練習などが始まってくると、考えが変わるかもしれませんし、また2学期も後半になってくると休む受験生も増えてきて、また違った考えになるかもしれません。
考えが変わったら、その都度必ず親子で再度話し合い、納得して行動するようにしましょう。どちらにしても、大事なことは本人の意志をいちばんに考えた上で、親子が統一した納得できる選択をすることです。
5. いよいよ始まる出願手続き
出願期間に要注意!
2学期中の中学入試に関わることとして、最も留意しなければならないことは、「出願手続き」についてです。近畿圏や関東の入試は年明けなので、まだまだ先の話のように考えがちですが、2学期中に出願を締め切ってしまう学校も複数校ありますし、年内に中学入試が始まる地方もあります。
2026年度中学入試の募集要項は、早いところでは5月のゴールデンウィークあたりから公表し始めていて、夏休み明けにはどこの学校も公式ホームページなどで発表されます。
次年度の近畿圏統一入試日初日は2026年1月17日(土)ですが、近畿圏の受験生の前受け受験校としても人気の岡山県の岡山中の試験日は毎年12月下旬です。出願締め切りは第1回入試で11月中となります。前受け校として受験を考えているのならば、今からしっかりチェックして忘れずに出願しておく必要があります。
入試準備が始まります!
つまり、夏休みが明け2学期になったら、入試の本格的な準備を始めなければいけないということです。少なくとも9月のうちに、漠然とでも第1志望校はもちろん、前受け校、併願校など受験したい学校のリストアップ、受験日、出願締め切り日くらいはチェックしておいたほうがいいでしょう。
まだまだ先だと思っていた中学入試が、いよいよ目前に迫ってきています。2学期も中盤になってから慌てないように、今からしっかり心得ておきましょう。
6. まとめ~親も覚悟の2学期!
多忙な2学期!やるべきことを整理しよう
今回は本格的な中学受験準備が始まる2学期について、親子で何をするべきか、重要なポイントをお伝えしました。何をどうするのか、今一度順序立てて整理しておきましょう。
具体的には、第一志望校を確定させ、前受け校や併願校も検討します。それに伴い、受験校へは最低でも一度は学校見学をし、出願期間を確認しておきましょう。当たり前ですが、出願は締め切りを過ぎれば1秒でも待ってはくれません。余裕をもって出願できるよう前もって準備しましょう。
また、小学校の学校行事も確認し、もし学校を休むのであればなるべく行事に支障のないように考えることも必要でしょう。その際はよく親子で話し合って本人が納得する形で休むことが大切です。
受験準備は親の役目!早めのスケジュール調整を
2学期の忙しさはもう十分ご理解いただけたことと思います。受験はまだまだ先ではありません。もう始まります。「これから忙しくなるぞ」と気合を入れ、何事にも先手先手で動くようにしましょう。
受験生本人は入試に向けた勉強に専念させるため、受験準備をするのは親の役目です。いろいろ動かなければならないので、仕事の都合など親のスケジュールも今から調整しておく必要があるでしょう。
「なんだかたいへんそう」「だいじょうぶかな」と気が重くなってしまうかもしれませんが、受験生の親御さま皆全員が通ってきた道です。その覚悟ができていれば、絶対に乗り越えられます!
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