夏休みが終わり、2学期が始まると、中学受験まであと数か月。いよいよラストスパートの時期に入ります。この時期の「体調管理」や受験生が積極的に摂りたい「栄養素」など、体調管理について詳しくお伝えします。
CONTENTS:
受験生の体調不良に対し、親がするべきこと・してはいけないこと
1. ラストスパート時に最も大事なこととは?
最も大事なことは「体調管理」!
2学期になると受験生は本格的な受験モードに入り、いよいよ志望校に向けた勉強もハードになっていきます。受験生本人や家族まで否応なしに緊張感も増してくる時期です。
この時期に何よりも大事にしなければならないことは、「学習」ではなく、「体調管理」です。ラストスパート時に体調を崩してしまうと、本番まで残りあと数か月という中学受験生にとって大きな痛手となります。
なかなかエンジンがかからなかった受験生でも、この時期になるとさすがに目の色が変わり、これまでとは人が違ったように追い上げを見せたりもします。また、元々がんばっていた受験生も、ラストスパートにはお尻に火がついたかのごとくさらにがんばります。
いかに体調を崩さないようにするか
このような時期に体調を崩し、何日も休むことになれば、前を走るライバルたちにはさらに差をつけられ、やや後ろにいると思っていたライバルたちには猛烈な勢いでどんどん追い上げられることになります。
そうかといって、この時期に無理をして、本番でダウンしては何の意味もありません。つまり、残り数か月から本番までのこの時期に、いかに体調を崩さないでいられるか、しっかり体調管理することが何よりも重要なのです。
秋は体調を崩しやすい?
2025年の夏は猛暑がつづき、たいへん暑い夏となりました。10月にもなると、ようやく秋の涼しさを感じるようになりましたが、まだまだ日中は暑い日もあり、朝晩の冷え込みによる寒暖差で体調を崩しやすい時期でもあります。
ここ数年、寒暖差はとくに大きくなっているように思います。この「寒暖差」と夏の暑さによる「夏疲れ」が蓄積し、自律神経が乱れて、いわゆる「秋バテ」を起こしやすくなります。
倦怠感や疲れやすさ、よく眠れないなどという症状が出ることがあります。免疫力も落ち、風邪など感染症にも罹患しやすくなるので十分に注意しましょう。
2. ラストスパート時に体調を崩さないようにするためには?
体調を崩さないためにできる3つのこと
大事なラストスパート時に体調を崩さないようにするためには、「当たり前の生活を普通にする」ことが大事です。
当たり前の生活とは主に次の3つができている生活です。
①規則正しい生活
②適度な運動と良質な睡眠
③栄養バランスの良い食事
基本的に、決まった時間に起きて、しっかりご飯を食べ、夜はよく寝るという普通の生活です。当たり前の普通の生活ですが、ひと昔前までは当たり前の生活でも、現代の小学生、とくに受験生にとってはなかなか難しかったりするものです。
次に詳しくみていきましょう。
3. 規則正しい生活
体内時計が正しく働く生活
規則正しい生活とは、一定のリズムが繰り返される生活です。毎朝決まった時間に起きて太陽の光を浴び、同じ時間に食事をし、夜になればまた決まった時間に就寝します。
毎日同じように規則正しく繰り返していると、カラダが自然にそのリズムを記憶して体内時計が正しく働き、意識しなくても自然に目が覚めたり、お腹が空いたり、眠くなったりします。
その結果、毎日朝は気持ちよく目覚め、食事は美味しく、夜はぐっすり眠ることができるようになります。身体は軽く、免疫力も上がります。忙しい現代の受験生にとって、なかなか規則正しく生活することは難しいかもしれませんが、せめて今から受験本番まではがんばってみましょう。
4. 適度な運動と良質な睡眠
適度な運動と入浴
受験生は1日のうち、勉強する時間が最も長くなるとは思いますが、だからといって1日机に向かって椅子に座り続け、まったく動かないのもよくありません。血液の巡りが悪くなり、さまざまな心身の不調を引き起こす要因になります。
また、運動することは脳にも良い影響があると科学的にも示されていて、神経細胞の増加や海馬(記憶に関わる部分)の機能向上、神経成長因子の増加による記憶力、集中力、認知能力全般が高まるといわれています。
運動といっても、ハードな運動をする必要はまったくなく、勉強の合間に少しだけ家の周囲を散歩したり、ちょっと立ち上がってストレッチをしたりするだけでも構いません。いい気分転換や息抜きにもなるので、ぜひ定期的に行ってみてくださいね。
また、ゆっくり湯船に浸かる入浴もおすすめです。副交感神経を優位にして自律神経のバランスを整え、リラックス効果が期待できます。疲労回復にもつながり、運動とあわせて夜もぐっすり眠れるでしょう。
良質な睡眠と脳の関係
受験生にとって、この時期の体調管理で最も大切なのは「良質な睡眠」といっても過言ではありません。睡眠不足はあらゆる体調不良の原因になるだけでなく、集中力の低下などにもつながる可能性があります。
人は深く眠ることで、日中に学習した内容を記憶として整理し脳に定着させるといわれています。睡眠時間が十分でない子どもはそうでない子どもと比較して「海馬の体積が小さい傾向にある」ともいわれ、記憶力だけでなく、ストレスやうつなどにも影響するそうです。
良質な睡眠をとることで、カラダには「疲れから休めてあげる時間」を与え、脳には「昼間とは違う別の仕事をする時間」を与えていることになります。遅くまで勉強して睡眠時間を削るより、しっかり睡眠をとるほうが健康面のみならず、学力アップにもつながる可能性が高いと覚えておきましょう。
毎年ラストスパートに入ると急にエンジンがかかって、がんばりすぎてしまう受験生がいますが、睡眠時間はしっかり確保するよう親が管理してあげてください。毎日8時間睡眠をひとつの目安にするとよいでしょう。
受験生本人はがんばることがあまり苦でもなく、無理をしているという自覚もないまま深夜まで勉強してしまいがちで、親も「遅くまでえらい!」と喜んでしまうかもしれませんが、そこは「もう遅いからきりのいいところで終えて、今日は寝てまた明日がんばろうね」と寝かせるようにしましょう。
5. ラストスパート時の受験生におすすめの栄養素とは?
5大栄養素をバランスよく!
残念ながら、これを食べれば「頭がよくなる」「風邪をひかない」などという魔法の食材はありません。基本的には、「炭水化物・たんぱく質・ミネラル・ビタミン・脂質」の、いわゆる「5大栄養素」をしっかりバランスよく摂ることが大事です。
その中でもとくにラストスパート時の受験生におすすめしたい栄養素をご紹介します!
免疫力を高め、脳の働きや集中力をアップする効果が期待できる栄養素なので、これらを多く含む食材は体調を崩しやすい秋から冬の受験生にとくにおすすめです。
ラストスパート時の受験生にとくにおすすめしたい7つの栄養素
上記は免疫力UPや疲労回復などの効果が期待できる栄養素を中心にご紹介しましたが、何か1つを大量に摂るのではなく、これらをバランスよく摂取することが大事です。日々の食事やお弁当にぜひ彩りよく取り入れてあげてくだいね。
6. もしも体調を崩してしまったら?
受験生にとって大事なラストスパート時の「健康管理について」や「体調を崩さないための予防策」などをお伝えしてきました。
しかし、どんなに気をつけていても、絶対だいじょうぶということもありません。もしこの時期に体調不良になってしまったら、どうすればいいのでしょうか。
ここでは、体調を崩したときの対処法や注意点をご紹介いたします。
無理をしないでゆっくり休養する
体調を崩していちばんよくないのは、無理をして体調不良を長引かすことです。「熱がないから」、あるいは「たいした熱じゃないから」「少しくらい無理してもいいだろう」という考えは絶対にやめましょう。
なるべく早めに市販薬などを服用したり、速やかに医療機関を受診したりして休養しましょう。
「ライバルたちに差をつけられてしまう」と焦る気持ちもわかりますが、体調不良のまま勉強しても集中できませんし、何も頭に入ってきません。まずは無理せず1日しっかり休み、カラダを回復させることに専念しましょう。
受験生の体調不良に対し、親がするべきこと・してはいけないこと
体調不良の受験生に対して親がいちばんしてはいけないことは、「この大事な時期に体調崩してどうするの」などとイライラを子どもにぶつけることです。
親としては、受験前の大事な時期に子どもが休んでしまうと、「なんでいま」とイライラしてしまう気持ちもわかります。しかし、いちばん焦っているのは当の本人です。その本人の傷口に塩を塗るようなことだけは避けなければなりません。
まずは親が「1~2日休んだところで何も変わらない」と認識することです。むしろ「本番じゃなく、いまで良かった」くらいに思いましょう。
そして、受験生本人には「入試本番の日じゃなくて良かったね」「1日や2日休んでもぜんぜん平気だよ」となるべくやさしく言ってあげましょう。子どもにとって親はいちばんの味方です。具合の悪い時こそやさしい一言があると、体調が回復した後に、きっとよりがんばってくれると思いますよ。
7.まとめ~家族みんなで行う体調管理
当たり前の生活でしっかり体調管理を!
今回は、入試本番まで残り数か月となったラストスパート期間中、最も大事な「体調管理」について詳しくお伝えしました。まずは体調を崩さないこと、そしてもし体調不良となっても焦らずにしっかり回復させることが大事です。
それにはごく「当たり前の生活」を普通に行うことです。「規則正しい生活・適度な運動と良質な睡眠・栄養バランスの良い食事」の3つを日々意識して行動しましょう。
その上で不特定多数が集まるような場所に行く場合は、感染予防対策の「手洗い」や「うがい」、「マスクの着用」などを励行しましょう。入試本番まで気を抜かず、今一度予防対策を徹底してください。
親や家族の体調管理も大事
受験生にとって大事な「体調管理」ですが、本人任せにするのではなく、親がしっかりと見て管理してあげてください。もちろん、親自身やきょうだいなど家族の体調管理も同様に重要なのはいうまでもありません。
親も無理しすぎて先に倒れてしまうことのないよう、ご自身のことも十分いたわってあげてくださいね。
大事なラストスパートです!もし受験のことで何か不安に感じたり、悩みがあったりしたら、この時期だけでも受験のプロ講師に相談してみましょう。1人ひとりに合った志望校向けカリキュラムをご提案します。最後までいっしょに駆け抜けましょう!
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