
いよいよ中学受験が目前に迫ってきています。そこで、これまで実際にあった先輩受験生や保護者の失敗談から、試験当日に注意すべきこと、反省点などをご紹介。後悔しないための対策をお伝えします。
CONTENTS:
4. 緊張緩和のため友人といっしょに行ったら、まさかの結果に!?
1.持ち物チェックを怠った結果が…!!


受験当日の持ち物によくあるうっかり
試験当日の持ち物は、「受験票と筆記用具」と簡単に考えがちですが、試験の持ち物は学校ごとに異なります。当日によくある持ち物の失敗は、算数で必須の定規やコンパスを忘れたり、逆に持ち込み禁止のシャープペンシルしか持っていなかったりすることです。
試験本番はただでさえ緊張しているのに、持ち物の失敗によりさらに緊張感が増したりパニックに陥ったりしてしまうので、くれぐれも注意したいところです。
受験当日の持ち物とは?
受験当日の持ち物は、まず大前提として、前日までに募集要項を見ながら何度もチェックして準備しておくことが基本です。
「コンパス持参」という学校もあれば、逆に「コンパスや分度器、三角定規の持ち込み禁止」という学校もあります。当日はもちろん、前日の夜になってから、「しまった、コンパスは学校に置いてきてしまった」などと慌てないように、早め早めに準備しておきましょう。
他にも、「デジタル時計の持ち込み禁止」や、「ポケットティッシュは袋から出す」など細かい注意事項が書かれている学校もあります。当日パニックにならないためにも、念のため再度細かいところまで早めに確認しておきましょう。
万が一忘れ物をした場合には?
忘れ物をしないように何度も注意しているのにも関わらず、毎年必ず「受験票」や「消しゴム」など、何かしら必要な携行品を忘れてしまう受験生がいます。
さすがに「受験票」を忘れる受験生は少ないと思いますが、鉛筆や消しゴムなどがない場合には、試験監督に言えば貸してくれることが多いと思います。しかし、コンパスなどは貸与してくれない可能性が高いので、やはり事前にしっかり準備しておくにこしたことはありません。くれぐれも持ち物の事前確認は怠らないようにしましょう。
2. 早めに寝ようとしたことが裏目に!?


早寝の強要は逆効果になる可能性が高い
翌日は朝から試験でいつもより早く起きなければならないため、早めに寝かせようと考えることと思います。しかし、普段よりも2時間も3時間も早く寝なさいと言われても、そう簡単に寝られるものでもありません。
無理やり早く寝かされても、布団の中で逆に焦りを感じて余計に寝られなくなってしまうこともよくあります。試験の前日は不要なプレッシャーやストレスはなるべく排除し、気持ちよく寝かせてあげるようにしましょう。
勉強はほどほどに、ふだんより少し早めに寝る
試験前日に難度の高い勉強を夜遅くまで頑張らせるのもNGです。受験は一夜漬けでどうにかなる試験ではありません。難しい問題をやって解けないと余計に不安になりますから、これまでの確認、復習を軽く行う程度にしましょう。
試験日前日の夜は勉強はほどほどにして、いつもよりも少しだけ早めに就寝することが基本です。この「少しだけ」というのがポイントで、基本は「いつも通り」で、それより少しだけ早めに就寝できたらいいでしょう。
そして、もう一つ大事なポイントは、家族みんなで協力してあげることです。くれぐれも本人の好きそうなテレビやゲームなどを夜遅くまで楽しむようなことはしないであげてくださいね。
3.到着が集合時間ギリギリになってしまい…


行き方チェックは念入りに、時間には余裕をもって!
当日の行き方や乗る電車の時間などは前もって決めていると思いますが、念のため何度も確認しておきましょう。とくに乗り換えがある場合には、うまく乗り換えができなかったり、次の電車がなかなか来なかったりということがよくあります。
パニックになって反対方向の電車に乗ってしまったとい事例も実際にあります。電車はちょっとしたことで遅れたりしますので、当日は時間に余裕をもって常に早め早めに行動できるようにしましょう。
駅に着いてゆっくり電車を待つくらいの余裕が理想です。電車に間に合うか否かと心配しながら急いで駅に向かうようなことがあると、試験とは関係のないところで緊張感や焦りが発生してストレスになります。時間の余裕は気持ちの余裕に繋がるので、バタバタと慌てることのないよう余裕を持って行動してあげてください。
4. 緊張緩和のため友人といっしょに行ったら、まさかの結果に!?


受験は友人といっしょに行かない
試験会場には友人と行かないようにしましょう。友人といっしょのほうが緊張感もほぐれていいという考えもありますが、それ以上にストレスになる可能性のほうが高くなります。
それは、何かしらのトラブルになる可能性が大きいからです。待ち合わせ場所を間違えて時間になっても来なかったり、「この問題ってこうだよね」「窓際の席に座るとよくないんだって!」などと本人に悪気はないものの、友人との不必要な会話で焦らされたり不安になったりすることもよくあります。
せっかく何度も確認したスケジュールや落ち着いている気持ちが乱されることになりかねません。入試当日はただでさえピリピリと張り詰めた状態なので、余計なストレスにならないよう、少しでもリスクが考えられるシチュエーションはできるだけ排除するようにしましょう。
帰りも友人といっしょに帰らない
同様に、帰りも友人といっしょに帰るのは避けましょう。試験の出来不出来はそれぞれです。思った以上に手応えがあり、「思ったよりできた!」などと言いたくなったりするかもしれませんし、逆に力が発揮できず落ち込んでいるかもしれません。
後者の場合は、「ぜんぜんできなかったー」「ダメだったぁ」などと明るく話して上手に切り替えられる子どもはいいのですが、「友達はできたといっているのに、自分には難しかった。もうダメだ」と気持ちが落ちてしまい、次の試験に影響する可能性もあります。
子どもによっては、親に少し弱音を吐いて慰めてもらいたいと思っていたり、逆に思いきり褒めて欲しかったりとさまざまですが、友人といっしょだと本音を出せません。親のほうもつい「なんでダメだったの?昨日早く寝ないからでしょ。あれほどいったのに」と余計なことを言ったり、素直に褒めてあげられなかったりします。
不要なリスクはなるべく排除したいので、試験会場へは親子だけで行って帰ってくることをおすすめします。
5.最後の最後まで勉強したかっただけなのに…


教材等は必要最小限に厳選する
忘れ物とは逆で、試験直前まで見直しができるようにと、教材やノート、参考書などをたくさん持っていく受験生がいます。
最初の試験は何かと心配であれもこれもたくさん持っていきがちですが、ほとんど見返すこともなく、持っていき損だとよく聞きます。家から試験会場まで遠い場合も多く、使いもしない重たい荷物はただただ苦痛になるだけです。
試験会場に持っていく教材等は、ノートやプリントなど、ちょっと確認できる程度の最小限に厳選し、できるだけ荷物を軽くするようにしましょう。
6.寒さ対策は万全だったのに…


試験会場に行ってみないと席の状況まではわからない
入試は冬に行われるため、寒さ対策は誰もが考えますが、自分の席がどういう状況なのかまでは行ってみないとわかりません。少し寒い会場もあれば、暖房がガンガンに効いて暑く感じる場合もあります。
寒いと思ってヒートテックなど厚手のインナーを着ていったら、暖房が直に当たる席で暑くて汗びっしょりになり、気持ち悪くて集中できなかったというケースもありますし、またその逆で寒くて手がかじかんで字を書くのに時間がかかってしまったという場合もあります。
試験当日に着ていく服装は、脱ぎ着がしやすく、文字などの入っていない服を着ていくのが鉄則です。
服だけではない!文字入りの持ち物に注意
英語や漢字などが入った服は脱ぐ、または上着で隠すなどと指示されることがあります。それによって暑かったり寒かったり、気持ちが動揺して試験に集中できなくなる恐れがあるため、無地など文字の入っていない服でいきましょう。
同様に、消しゴムや鉛筆、ティッシュなども文字入りは厳禁です。つまらないことで注意されることのないよう、最初から文字入りのものは持っていかないようしましょう。
7. 「どうだった?」と聞かないで!


当日子どもにあれこれ話しかけない!
入試会場に行く時に、親が子に必要以上にあれこれ話しかけるのはやめましょう。緊張を少しでも和らげてあげたいという親の気持ちもよくわかりますが、子どもは静かに集中したいかもしれません。
親は良かれと思っていろいろ話しかけていることが、子どもにとっては答えようもない質問を次々にされ鬱陶しく感じていることが多いのです。受験生にとっては、「何か困ったことがあれば頼れる人が近くにいる」と思えるだけでいいのです。
もちろん、子どもの方から話しかけてくるなら、それが試験に関係ないことでも何でも気持ちよく笑顔で応えてあげましょう。「この大事な時に、そんなくだらないおしゃべりはやめなさい」と考えるのではなく、「緊張を紛らわせたいのだな」と気持ちを汲んで、しっかり対応してあげてくださいね。
試験後の何気ない声かけが苦痛になる場合も!
試験から戻ってきた子どもに、「どうだった?」「できた?」「合格できそう?」「何点くらい取れていると思う?」などと矢継ぎ早に質問責めにしないであげてください。
実はこれこそが受験生にとって苦痛に感じる質問です。手応えがあって自信があるなら、親が何も聞かなくても、本人自ら「できた!けっこう簡単だったよ」などと誇らしげに言うでしょう。
「別に」などと無愛想に応えるか、何も言わないのなら、聞かれたくなかった質問ということです。逆に「思ったようにできなかった」と自ら話しかけてくるのなら、親の温かい慰めの言葉を待っているサインですので、「よく頑張ったよ」などと前向きになれる声かけをしてあげてください。
間違っても、「そんなことでどうするの」「もう後がないんだからね」などと追い打ちをかけるようなワードを言わないでくださいね。特に最初の試験後の親子のやり取りが、その後に続く他の試験に影響を及ぼすということも頭に入れておきましょう。
もちろん、本人の性格やご家庭の状況によって声かけや対応はさまざまで、絶対にこれが正解で、これは間違いというものでもありません。それでも、親が質問責めにするのではなく、まず「笑顔で労いの言葉をかけ、次にしっかりと本人の話を聞いてあげる」ことが大切です。
親が受験前日や当日に言ってはいけない3大NGワード
親が受験前日や当日によく言ってしまいがちなNGワードは、
●がんばって!
●どうだった?
●絶対合格だね!
上記の3ワードです。え?なぜNGなの?よく言う励ましの言葉だと思われるかもしれません。実際に試験前日や当日に当たり前のようによく使われる言葉ですが、親は良かれと思っていても、実は受験生本人には辛く聞こえる場合が多い言葉です。
もう十分がんばっているのに、「がんばれ、がんばれ」と言われると、「もっとがんばらなきゃいけないのか」としんどく重く感じます。
前述した通り、いちいち試験が終わる度に「試験どうだった?」「できた?」などと聞かれると辛くなります。次の試験のモチベーションダウンにもなりますし、試験結果についてはこちらからは聞かず、本人が話し出すのを待ちましょう。
「絶対合格」は、とてもポジティブな言葉で、一見するといい言葉のようにも思いますが、「絶対合格しなければいけない」と無用な圧力を感じさせてしまう可能性があります。余計な力が入ってしまいますので、言わないほうが無難でしょう。
8.初日試験の失敗は2日目以降に活かそう!

これまで実際にあった中学受験の反省点とその対策をご紹介してきましたが、その他にも
・午前の試験後の待ち合わせでなかなか親と会えず、午後の試験に遅れそうになって焦った
・マスクを途中で落としてしまい、不安になった
・背中に貼っていたカイロが熱くなって試験中ずっと不快だった
などと、さまざまな反省があります。
これらも1回目の初めての試験で反省できれば、その次の試験では改善できるでしょう。そういう意味でも前受け(お試し)受験があるので、本命の試験では、
★待ち合わせ場所は早めに行ってわかりやすい場所をしっかり決めておく
★予備のマスクを持っていく
★カイロは貼るタイプではないものにする
などとしっかり対処して臨むことができるでしょう。
それ以外にも、入試当日には思いもしない出来事があったり、突然今までにない感情が湧いてきたり、想定外のことが起きる可能性があります。
中学入試は複数回受験する生徒がほとんどです。初日に感じた反省点は、2日目以降は改善できるように、しっかり対策していきましょう。そして無用なストレスを排除し、試験だけに集中できるようにしてあげてくださいね。
9.まとめ~親子でゴールする中学受験

今回は中学受験で後悔しないために、試験当日によくある反省点とその対処法についてご紹介しました。
中学受験の入試当日は「試験以外のストレスは可能な限り排除する」というのが大原則です。今回ご紹介したさまざまな反省点を参考にして、試験当日は受験生本人はもちろん、親も無用なストレスを排除して、十分に力が発揮できるようにしていきましょう。
受験本番まであと数日です。もう少しで受験から解放されます。昔から「中学受験は親子の受験」と言われてきました。親子で同じゴールに向かっているはずです。悔いのないよう最後まで走り切って下さいね。ゴールテープは目の前ですよ!

最後まで諦めないでください!
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