
小学生が通う塾について「中学受験をするならいつから通わせる?」や「受験しないのなら塾は必要ない?」など、小学生の塾選びについての疑問や注意点などについて徹底解説いたします!
CONTENTS:
1. 小学生が通う塾とは?塾通いは本当に必要?いつから?

小学生の塾の種類
小学生が通うほとんどの塾は、中学受験も終わり、新学年を迎える手前の2月から新年度がスタートします。つまり、小学4年生から塾を始めようと思ったら、小学3年生の2月からスタートするとスムーズに入塾できます。
小学生が通う「塾」は、次の3つのスタイルがあり、大手から個人経営まで規模もさまざまです。
● 進学塾→主に中学受験をする生徒向け
● 個別指導塾→進学塾のフォローや学校学習のフォローなど人それぞれ
● 補習塾→主に学校学習のフォローが中心
塾はいつから?本当に必要なの?
前述の通り、小学生が通う塾には3つのスタイルがあります。中学受験を考えているのなら、「進学塾」に4年生(3年生の2月)から通わせるのが一般的です。難関校以上のレベルを目指すなら、3年生から始めたり、1、2年生から始めたりする生徒もいます。
もちろん、難関校であっても、5年生から始めてちゃんと合格する生徒もいます。それでも、家庭教師や個別指導など何かしら別の学習をしていることがほとんどです。
それでは、中学受験を考えていない、もしくは受験しても基礎校レベルの場合は通塾しないのかというと、やはり多くの生徒が4年生以降から塾に通い始めています。中学受験組が通塾し始めるというのもありますが、学校の授業も難しくなってくるため、通塾組との差が大きくなってしまうためです。
ここで勉強の苦手意識がついてしまうと、中学に入ってからも出遅れてしまい、やがて来る高校受験でも苦戦を強いられることになります。中学受験をしなくても、高校や大学受験を見据えて、何かしらの塾に通う、または家庭教師をつける生徒が多いようです。
次にそれぞれの塾について詳しくみていきましょう。
2. 大手進学塾

大手進学塾とは
難関中学受験を考えている受験生が通う大手進学塾。近畿圏では浜学園や希学園、馬渕教室、日能研、能開センターなど、関東圏ではSAPIX、四谷大塚、日能研、早稲田アカデミーなどが有名です。
毎年難関中学校に多くの合格者を出していて、どこの中学に何名合格者を出したかを実績として公表しています。それを1つの目安に塾選びを考えるご家庭も多いでしょう。大手進学塾は新聞広告やインターネット広告でも合格者数を大々的に発表しているので、わかりやすく魅力的に映ることと思います。
ひとくくりに「大手進学塾」と言っても、授業の進め方やスピード、クラス編成やテストの頻度などは異なります。よくあるパターンとしては、復習テストが毎週か2週に1度あり、塾オリジナルの公開テストや実力テストが1か月または2か月に1度行われることが多いようです。
また、学力別のクラス編成の場合が多く、定期的にクラス替えもあり、最難関を目指す受験生は最上位クラスをキープするために、個別指導塾や家庭教師をつけていたりもします。
大手進学塾はそれなりに費用もかかりますが、それぞれの地域に多くの教室があり、講師の質やカリキュラム、運営やセキュリティもしっかりしているので、やはり人気が高く、広い地域で多くの生徒が通っています。
大手進学塾のメリット
大手進学塾のメリットは、何といっても受験情報や実績が豊富で、授業カリキュラムがしっかりしているところにあります。生徒数も多いのでいいライバルや仲間ができて競争心も煽られます。テストや模試なども多く、成績や進捗状況もコンスタントに把握することができるので安心でしょう。
大手進学塾のデメリット
大手進学塾のデメリットは、1人ひとりにまでなかなか目が届かないので、全体のなかで埋没してしまったり落ちこぼれてしまったりする可能性があります。また、先生に質問したくても、多くの生徒が並んでいるため、本当に理解できるまできちんと質問ができないことも多くあります。
大手進学塾は時間的な制約も多くなります。他に習い事をしていると、どちらかを休まなくてはいけないことも多くなり、その都度親子で口論するようでは何も前に進まなくなります。塾のスケジュールと習い事のスケジュールを見比べ、親子でよく話し合って塾を決めるようにしましょう。
大手進学塾によくある錯覚!

大手進学塾によくある錯覚として、「最難関校の合格実績がたくさんある塾ならば、その塾にさえ入れば、周りの流れもあって学力が上がり、最難関は無理でもそれなりのレベルの中学なら合格できるだろう」と考えてしまうことです。
これは大きな間違いです。もちろん、多くの実績を出している塾なので、中学入試のノウハウも情報量も豊富です。中学受験に長けた講師が授業をしてくれますし、カリキュラムもしっかりしていて授業は計画的に進んでいき、基本的に取りこぼしもありません。
しかし、授業は子どもたちの理解とは関係なく次々に進み、宿題も多く課せられます。そのスピードとペースについていけて宿題も確実にこなすことができれば、難関校も狙えるでしょう。
ここで「うちの子は学校でも宿題をすぐに終えてしまうからだいじょうぶ」とまた錯覚をしてしまいがちですが、大手進学塾の上位クラスの進度スピードと宿題量は学校のそれとはまったく異なります。
すべての教科の内容を理解し、宿題もすべてこなすというのは至難の業です。それでも何とか歯を食いしばってついていければいいのですが、宿題をしなくなったりわからない単元をそのままにしてしまったりする子どもも必ず出てきます。
そこで「もう無理」とあきらめてしまっては、ただ大手進学塾に身を置いていても難関校はもちろん、中堅校なども難しい話になります。目を引く広告に惹かれ、大手進学塾に夢を託したくなるのもわかりますが、個人のレベルや性格によっては逆効果になるということも予め知っておいたほうがいいでしょう。
同じ進学塾でも、もう少しゆっくりと宿題も少なめの進学塾もありますから、いろいろ体験して決めることをおすすめします。
3.個別指導塾

個別指導塾とは
個別指導塾は文字通り、基本的に個人1人ひとりを個別に指導し、その生徒のペースで進めることができる塾です。個別指導塾にもさまざまありますが、主に講師1人に対して生徒2~4人を同時に指導することが多いようです。
集団指導の大手進学塾に比べ、講師の目が届きやすいのは確かですが、指導の質は各個別指導塾により差があり、学生のアルバイトなども多く、やや物足りなく感じることも少なくないでしょう。
また、個別指導塾では大手塾のように算数や国語など教科ごとの専門の先生ではなく、算数と理科と社会のように複数教科を1人の先生が指導することも多くあります。
信頼できる1人の先生に複数教科を教えてもらえるのがいいと考える子どももいますが、大手集団塾のように教科ごとに中学受験専門の講師が指導するのと比べ、どれだけ各教科の中学受験指導について詳しいのかは疑問です。
個別指導塾では、その塾オリジナルのテストなどがほとんどなく、定期的に五ツ木駸々堂などの業社テストを受験することで成績や進捗を把握することになります。もちろん大手塾の公開テストは塾外生でも受験できますので、それらを毎月受験する生徒も多くいます。
個別指導塾の授業スタイル
個別指導塾の基本的な授業の流れは、当日担当の講師が指導単元の説明をして、それに関する問題を指示、問題を解かせている間に次の生徒に移動。次に回ってきた時には課していた問題の添削と間違い直し、また次の問題を指示して次の生徒に回るというパターンが多いようです。
講師の説明が理解できず課せられた最初の問題から手が動かなかった場合、次に自分の番に回ってくる10分ほどは何もできなくなる可能性もあります。そのあたりを上手に回せているのかなどは事前に確認することは難しく、見学をしてもわかりにくいでしょう。
個別指導塾のメリット
個別指導塾の最大のメリットは、基本的に個人授業なので、講師が横にいてわからないことを気兼ねなく質問しやすいところです。また、基本的な指導計画はあるにしても、テストなどに合わせて、自分が個人的に指導してもらいたいことを優先して先に教えてもらうなど、融通を利かせることも可能です。
個別指導塾は集団の大手進学塾と比べ、のんびりしたファミリー的な雰囲気の塾が多く、それが良いと感じる子どもも多いでしょう。
個別指導塾のデメリット・問題点
デメリットは教室ごとに大きな差がある点です。授業は講師1名に対し生徒2~4名で、先生は順番に回ってきますが、教室によっては1回の授業のうちたくさん質問できたりできなかったりします。講師の指示が少なく、ほとんど自習しているような感じになって学習効率が低くなってしまうような教室もあります。
個別指導塾を見学、体験する際は、必ず通うことになる教室の雰囲気を確認しましょう。同じ会社の個別指導塾でも、教室ごとに雰囲気が違います。それなりに緊張感のある指導ができているのか、授業中に生徒が歩き回ったり騒がしかったりはしていないかなど、しっかり確認しておきましょう。
4.補習塾

補習塾とは
最後に補習塾とは、基本的に「受験ではなく、学校の授業フォローや基礎理解を深めたい」人のための塾です。中学受験をしないのならば、補習塾が最適です。
主に学校で習う範囲の学習ですので、中学受験のための大手進学塾とは学習内容がまったく違います。受験も考えていないのに、ネームバリューや知名度だけで大手進学塾に通ってしまうと、学習内容やスピードについていけなくなり、勉強嫌いになってしまいかねないので注意しましょう。
補習塾のメリット
補習塾のメリットは、学校の授業でわからなかった所をフォローしてくれる塾なので、学校では質問しにくいところを気兼ねなく質問でき、わかるまで教えてもらえることです。基本的に中学受験を考えていない生徒が通う塾なので、中学校に入ってから困らないよう、小学校の基本をしっかりと身につけ、来たる高校受験に備えることができます。
補習塾のデメリット・問題点
デメリットは、補習塾は進学塾に比べると進度が遅いので、得意科目などの授業は物足りなく感じるかもしれません。教室によっては勉強が嫌いな生徒も多くいるなど、授業が崩壊してしまうようなケースもなくもありません。入塾する前にどのような授業をしているのか、体験などで事前に確認しておきましょう。
補習塾は、基礎学習をいかに親身にわかり易く、個人の理解度に合わせた指導ができるかが重要なポイントです。補習塾とは名ばかりで、理解度の確認もなく一方的にどんどん進んでしまうのでは意味がありません。
理解不足がある場合、後戻り学習などもしっかりしてくれるところを選びましょう。補習塾には個別指導もあれば、少人数の集団授業の塾もあります。やはり一度見学や体験をして、教室の雰囲気などを確かめることをおすすめします。
5. 塾選びのポイント

中学受験塾を選ぶ基準
中学受験をすると決め、進学塾に通うことにした場合、数多くある塾のなかで何を基準に塾を選べばいいのかと迷ってしまう人も多いと思います。
基本的には、次の2点(①志望校の合格実績、②場所)が重要となりますので、ぜひ参考にしてください。
①志望校の合格実績
志望校が決まっているのならば、その学校の合格者を例年出しているかが大事な判断基準となります。たとえ最難関中学校に数多くの合格実績がある塾でも、自分の志望する中堅難関校に合格者が少ないのであれば選択すべき塾ではないかもしれません。必ずしも最難関校の合格実績が多い塾が自分にとっていい塾とは限りません。
②通塾する場所
もう1点、塾の場所がどこにあるのかも大きな判断基準となります。小6になり受験が近づくと週の半分以上通塾することになります。毎回宿題も出ますし、テスト直しもしなければなりません。
通塾に時間がかかると、その分家で宿題をしたりテスト直しをしたりする時間がなくなってしまいます。また、通塾時間が長いとただでさえ塾の授業で疲れているのに、通塾の往復でさらに疲れてしまいます。体力のない子どもにはかなりきつく、免疫力も下がって体調を崩しやすくなってしまいます。通塾する場所も塾選びでは大きなポイントとなるでしょう。
6. 塾選びの注意点!よくある間違いとは

塾選びについてお伝えしましたが、選ぶ際にやってはいけないことや気をつけたい注意事項があります。以下は「よくある塾選びの間違い」ですので、ご参考までにご一読ください。
ネットの評価はどこまで信じる?
今は塾の評価をネットで調べる人も多いでしょう。しかし、ネットの評価をあまり鵜呑みにしないほうが賢明です。書き込む人の主観が入り、志望校に合格できれば過度にいいように書いたり、逆に志望校に合格できなければ不必要に悪く書いたりされる場合もあります。
また、前述した通り、個人1人ひとりによって合う塾は違いますし、同じ会社の塾でも教室によっても異なります。Aさんにとっていい塾がBさんにとってもいい塾とは限りませんし、A社の〇〇校はとても雰囲気よく合格実績も高いけれど、同じA社でも隣町の〇〇校は騒がしく、合格実績も低いということもあります。
塾を選ぶ際は、必ず通塾する教室で体験や見学をしてから決めるようにしましょう。
いい塾とはどういう塾?
塾選びの際に、「友達の〇〇くんが通っている塾が楽しそうだから行きたい」と子どもがいうので通わせるという話を時々聞きます。勉強嫌いで塾も行きたくないと言っていたのに、友人が通っているから、楽しそうだから「行ってもいい」という気になったと嬉しそうにいいます。
確かにきっかけはこのような理由で入塾し、そこからメキメキと力を発揮、見事志望校に合格ということもあります。しかし、皆が必ずそうなるかというと難しいものがあります。
塾は勉強をしに行くところですので、放課後も友人と楽しく遊べる感覚で通塾するようでは意味がありません。楽しい塾がいい塾かどうかは疑問です。授業中はただ椅子に座っているだけではなく、少なくとも先生の話をしっかり聞いて学習しなければなりません。その見極めが必要です。
また、どのような塾でも、本人の性格や学習ペースなど、合う合わないなどの相性があります。本人にとって学習しやすく、成績も上がり、気持ちよく通える塾がいい塾です。それは人によって違います。そのためにも事前に見学や体験することをおすすめします。
面倒見のいい塾とは

「あの塾は面倒見のいい塾だからおすすめです」という、「面倒見のいい塾」という言葉をよく耳にします。
これは、単に集団授業をするだけではなく、個人1人ひとりの生徒に対してきちんと向き合い、学習や受験のアドバイスなどをしてくれる塾のことを指します。
しかし、同じ塾であっても人によっては「面倒見がいい塾だ」と感じる人もいれば、「面倒見が悪い」と感じる人もいます。
例えば、最難関校に合格した生徒の親が「子どもが通っていた塾はとても面倒見のいい塾だった」と言っていたとしても、中堅校に合格した生徒の親に聞くと、同じ塾なのに「面倒見の悪い塾だった」と言われることもあります。
成績上位者にはやさしく、下位者には冷たいという話は実際になくはありません。逆に成績下位者であっても「とても親身に相談にのってくれた」という塾ももちろんたくさんあります。いわゆる「切り捨てない塾」です。
つまり、面倒見がいいかどうかは人によって違うということです。同様にネット情報や口コミもあまりあてにはなりません。実際には入塾してみないとわからないと思っていたほうがいいでしょう。
オプション授業はすべて受けるべき?
ほとんどの塾には通常の授業に加え、春夏冬講習や特訓講習などさまざまな名称のオプション授業があり、それなりに費用もかかります。「塾から勧められたのですが、特訓講習は受けたほうがいいのでしょうか」というような質問をよく受けます。
同じ志望校を目指す仲間が特訓講習を申し込んでいると、自分も受けないと遅れをとってしまうと焦りを感じるかもしれません。そして、塾が勧めるがままに受講すると、その特訓授業でも宿題が出て負担が増し、間違い直しや弱点補強に時間を費やすことが難しくなります。無理に特訓講習を受講することで、逆効果になってしまう可能性もありますから注意が必要です。
もちろん、その志望校を目指すには受講したほうがいい講習もありますし、同じ講習でも人によって受講したほうがいい場合とそうでない場合があります。トータルで考えて、本人にとって本当に必要なのか否かよく見極めることが大切です。
7. まとめ~塾に入れて終わりではない!

体験授業を受けよう!
今回は小学生の子どもを持つご家庭に向け、塾について詳しくお伝えしました。塾を選ぶ際は、「進学塾」か「個別指導塾」か「補習塾」かを選択し、その中で有名な大手塾がいいのかこじんまりした地域の小規模塾がいいのか、塾の場所がどこにあるのかなどを確認します。
その上で、できれば親子でその塾に直接訪問し、体験授業を受けるなどして授業や教室の雰囲気も確認し、親子で納得した上で決めるようにしましょう。
家庭学習(塾フォロー)は必須!
また、塾に入れさえすればいいということはなく、どんな塾でも、ただ行きっぱなしではいい成果は期待できません。宿題はもちろん、塾で理解できなかった単元のフォローやテストの間違い直しなど、家庭学習がとても大事になります。
子どもは1人ひとり理解度も性格も目指すところも違います。全く同じ子どもはいません。当然学習の進め方も違います。いろいろな形態、大小さまざまな規模の塾がありますが、その塾だけで1人ひとりの家庭学習までフォローできるところは少ないでしょう。
宿題やテスト直しなど、塾フォローが自分1人では難しいと思うのなら、思いきって週に1、2回だけでもプロの家庭教師をつけてもいいでしょう。学習フォローだけでなく、進路相談やオプション授業の取捨選択など、さまざまな相談にのってもらえる経験豊富なプロの家庭教師を選ぶと安心でしょう。
家庭教師と個別指導塾との違い
家庭教師は個別指導塾とも違い、先生と生徒が1対1で授業することが基本です。その生徒とだけと向き合うので、「いま何が問題で」「受験までに何をすればいいのか」細かいところまで丁寧に指導することができます。
当然、質問もしたい放題できますので、わからないところを徹底的につぶしていくことも可能です。
家庭教師については前回のブログで詳しく述べているのでコチラをご覧ください。
↓↓
『中学受験の家庭教師選びは今がチャンス!~よくある家庭教師に関する質問Q&A!』
中学、高校になった時、小学生の時にもっと学習しておけばよかったと後悔する声を多く聞きます。中学受験をするしないに関らず、どの塾のどの講座を受けることが子どもにとって本当に大切なのか、一度プロ家庭教師の無料体験授業を受けてみて相談をしてみるのもいいでしょう。




