
少子化が進んでいるのに、中学受験をする人は増えているといわれています。それは本当なのか、なぜ増えているのか。その人気の秘密、中学受験のメリット・デメリットなどをご紹介します。
CONTENTS:
中学受験は頭がいい子や金持ちの子だけがするという考えは古い!?
②公立中にはないさまざまな特色と魅力~幅広い学習や高いスキル
1. 少子化なのに増え続ける中学受験!

中学受験は頭がいい子や金持ちの子だけがするという考えは古い!?
中学受験というとどのようなイメージを持たれるでしょうか。「うちの子は勉強が得意でないから、中学受験なんて無理」や「うちにはそんな余裕なんて、とてもとても」などという声をよく聞きます。
しかし、中学受験は昭和の時代と違って、令和の今では必ずしも「頭がいい子」や「金持ちの家の子」だけがするというイメージのものではなくなっています。
私立中学校には、有名難関大学や医学部進学を目指す進学校はもちろん、スポーツや文芸に力を入れている学校もあり、その特色もさまざまです。子どもが将来どうなりたいか、どういう学生生活を過ごしたいのかによって目指す学校も変わります。
また、現在では授業料の減額など、経済支援制度や特待制度なども充実してきていることから、中学受験は「お金持ちがするもの」などというイメージもだいぶ変わってきていて、都市部を中心に一般家庭の中学受験が増えてきているのも事実です。
少子化でも中学受験は増えているというのは本当?

上記表は、文部科学省が行った令和7年度の「学校基本調査」の結果です。全国の中学校に在籍する生徒数は、約310万5千人で、前年度より約3万6千人減少し、過去最少となっています。これは毎年減少していて、毎年過去最少を更新するような結果になっています。
当然、公立の中学校、国立の中学校の在籍者数も前年度より減少していますが、私立中学だけは増加しています。毎年少子化が進んでいるのに、私立中学に入学する生徒だけは毎年増加しているのです。
それだけ中学受験する人が多く、人気が高いということが改めてわかります。特に首都圏や近畿圏など都市部の受験率はとても高く、首都圏では5~6人に1人は受験しているのが実情です。それはなぜなのか、次に中学受験のメリットをご紹介します。
2. 中学受験をするメリット

中学受験をする意味やメリットは次の4つが考えられます。
①大学受験に有利
基本的に中高一貫校では、大学受験に向けてカリキュラム(シラバス)が組まれています。進学校であれば概ね高校2年生の夏には大学受験に必要な学習は終わっていて、そこから受験勉強だけに特化するようになります。
志望校対策などもしっかり行ってもらえるので、やはり断然有利といえるでしょう。公立の場合、中学で一度途切れて、また高1から始まるような形になるので、どうしても一貫校より学習進度が遅れることになります。
②公立中にはないさまざまな特色と魅力~幅広い学習や高いスキル
教師や授業の質が高いのはもちろん、校舎の設備やグランド、プールや図書館、食堂、制服などが充実している学校が多いのも魅力です。
また、課外活動に力を入れている学校もたくさんあります。スポーツや吹奏楽部などの強豪校だったり、他にはないような特色のある部活動があったり、ネイティブ講師や海外研修など国際教育に特化していたりなど、さまざまな魅力があります。
③安定した6年間を過ごせる
中高一貫なので、6年間を同じ学校に通うことになります。その間高校受験もありませんし、精神的にも安定して学習や部活動などに励むことができます。
また、公立中とは違い、基本的に自分が選び、自分で頑張って受験して入った学校で、学力も考え方も近い友人や部活動に出会える確率も高く、充実した学生生活を送れる生徒が多いようです。
④強い精神力と自信が早いうちにつく
やはり中学受験という過酷な体験を経ることで、試練を乗り越える強い精神力と自信がつきます。たとえ第一志望に合格できず、第二、第三志望校に入学することになったとしても、小学生のうちにがんばったことは生涯消えません。
大学受験などその後の学習はもちろん、大人になってからも役に立つでしょう。
3. 中学受験の弊害・デメリット

逆に中学受験をする際の弊害や主なデメリットは次の4つです。
①精神的な負担
中学受験は、やはり精神的負荷がかかるものです。まだ小学生の子どもはもちろん、親にも大きな負担となります。性格にもよりますが、なるべく親子で中学受験を楽しむように過ごすのがポイントです。
とくに最難関校を目指す場合、小学校3年生くらいから塾に行くことになり、友人と遊んだり、スポーツなど好きなことができなくなったりもします。その場合、余計にストレスを感じ、反発して逆効果になるケースもあるので、よく話し合う必要があるでしょう。
②経済的な負担
中学受験にはそれなりに費用がかかります。塾や家庭教師などをつけることも多く、どうしても受験しないご家庭より負担は大きくなります。それでも最小限に抑えることもできますし、入学する中学校によっては学習フォローが手厚く、中学では通塾する必要がないような学校もあります。
長い目で考えると、意外とトータルはさほど変わらなかったりする場合もあるので、最初から「無理」と思わずに、一度計算してみるといいでしょう。
③仲間との別れ
地域によっては、クラスのほとんどが地元の中学に進学するという場合もあるでしょう。その場合、仲のいい仲間と別れ、自分だけ違う中学に行かなければならなくなります。仲間と遊ぶ時間も削られ、話も合わなくなったりする可能性もあります。
それが「とても辛い」と感じる子どももいれば、案外「むしろそのほうがいい」と思う子もいます。前者の場合、なにがなんでも中学受験をさせるのではなく、なぜ受験するのか、どうしてその学校がいいのか、本当に本人が納得しているのか、よく話し合うようにしましょう。
④学校が合わない
毎年のように「思った学校と違った」とせっかく入った学校を辞めて公立中に戻ってしまう生徒が少なからずいます。理由はさまざまですが、公立の小学校では優等生だったのに、進学校では下位グループになってしまう、友達と合わない、好きな部活動がないなどが多いようです。
毎年のように「なんのためにあんなにがんばったのか」と本人よりも強くショックを受けている保護者の悲痛な声を聞きます。そのようにならないためにも、学校選びは慎重にじっくり時間をかけて決める必要があります。
4.よくある学校選びの間違い

中学に入学してから「やっぱり違った」などとならないように、学校選びは慎重に行う必要があります。ここではよくある学校選びの間違いをご紹介します。
成績と偏差値だけで決めてしまう
いちばん多い間違いが、模試などから「この成績なら、この学校」と偏差値表のようなもので安易に判断してしまうことです。中には一度もその学校に訪れることなく、どういう教育方針なのか、何に力を入れているのか、何も知らずに入学してしまう人もいるくらいです。
入学してみて初めて自分のやりたい部活動がない、教育方針が合わない、思っていた学校じゃなかった、実は乗り換えが多く通いづらかったなど、後悔することになります。もっとちゃんと調べておけばよかったということにならないよう気をつけましょう。
ネームバリューや通いやすさだけで決める
これもよくある話ですが、とにかく受験は「〇〇中学一択!」、理由は誰もが知っている「名門校だから」というもの。ある種モチベーションが保てるのならいいのですが、なぜその学校がいいのか、本人のやりたいことが本当にあるのか、今一度確かめてみる必要があるでしょう。
また、「〇〇中学はうちからいちばん近いから通いやすい」という理由だけで選ぶのも考えものです。もちろん通いやすいに越したことはないのですが、もっと本人に適した学校があるかもしれないのに、「近さ」だけで選ぶのはあまりにもったいない話です。
周囲に流され、何も考えずに進学
最もよくないのは、周りに流され何も考えずに受験したり、「公立中学でいい」と決めつけたりしてしまうことです。Aさんが〇〇中学に行くから、塾から✕✕中学を勧められたから、みんな公立に行くから、というまったく他人任せの行動です。
自分の人生です。誰かに言われて決めるものではありません。とくに進学塾では合格実績を上げるために、偏差値のより高い学校を勧めてきますが、本人の性格ややりたいことまで考えてくれているかどうかは疑問です。
やはり、その中学校に入学した後に何がやりたいのか、どうしてその学校がいいのか、よく考え話し合って決めるのがいいでしょう。
それでは、どのように学校選びをすればいいのでしょうか。
5.中学受験の種類~学校選びのポイント

学校選びの際、大きく分けて以下の2点を考える必要があります。
1) 男女別校or共学校
1点目が、「男子校・女子校」か「共学校」かです。
多感な中学高校時代は異性を意識せず、学習や部活動に専念できる男子校・女子校でのびのびと学校生活したいと考える人も多いですし、逆に偏りのない集団の中で学生生活を送りたいと考える人も多く、考え方はそれぞれです。
ひと昔前までは前者も多く、男子校や女子校の中高一貫校が一般的と考えられているようなところがありましたが、近年では共学化する学校が増えてきています。それでも、最難関校などの名門校は今でも男女別の学校も多いようです。
2) 中高一貫校or大学附属校
2点目は、「中高一貫校」か「大学附属校」かです。
通常は中高6年一貫で高校受験はしませんが、大学の附属中でその大学に進学するのであれば、高校受験だけでなく大学受験も内部推薦で免除されることがほとんどです。
大学受験をせず、そのままその大学に進学することについては、ご家庭によって考えが大きく違います。附属校であれば10年間受験を気にせずのびのびと学校生活を送ることができます。
もちろん内部推薦にあたり、ある程度の基準はありますが、概ね大学進学が保障されているので、大学受験をする中高一貫校の生徒のようには勉強しなくなるかもしれません。「勉強しなくなって駄目になる」と附属校を否定するご家庭も少なからずあります。
大学受験をさせてより高いレベルの国立大などに行かせたいと考えるご家庭もあれば、中学受験だけであとはのびのびとエスカレーター式に上がらせてあげたいと考えるご家庭もあり、考え方はそれぞれです。ご家庭の都合ももちろんありますが、本人の希望がどうなのかよく話し合って決めるといいでしょう。
6.学校選び3つのステップ

中学受験を考えていて、何からどうしたらいいかわからないという場合は、まず次の3つのステップから始めてみましょう。中学受験を考えていない場合でも、少なくとも最初のステップ1だけでもやってみてはいかがでしょうか。
STEP1まずはネット調べから始める
前述の通り、中学受験する学校は国公立、私立を含めたくさんあります。中学受験にあまり関心のないご家庭であっても、どんな学校があるのかだけでも一度各学校のホームページなどを検索してみるといいでしょう。
それぞれに学校の特徴やアピールポイントがあり、制服や施設、部活動の様子など、見ているだけでも楽しいものです。「もしこの学校に入学したら、どのような将来が待っているのかな」などと考えてみるだけでもワクワクしてくるでしょう。
なかには、「絶対に合わない」などと思うような学校もあるかもしれません。見るだけですから、タダですし損にはなりません。親子であれこれ学校を見ているうちに、意外な発見もあったりしますし、それはそれで楽しいものですよ!
STEP2学校訪問には必ず行きましょう!
ネットで検索などして、少しでも気になる学校があったら、一度学校説明会や文化祭など、その学校を親子で訪問してみましょう。
同じ私立の中高一貫校でも、進学校でバリバリ勉強する学校もあれば、学習よりも部活動や課外活動に力を入れている学校もあります。
通塾しなくてもいいように補習なども多い面倒見のいい学校もあれば、基本的に学習は自身で行うという考えの学校もあります。規律に厳しい学校もあれば、髪型も服装も自由という学校もあります。
行きたい学校により、中学受験も変わってきます。大手進学塾に家庭教師などをつけて受験を目指したほうがいい場合もあれば、個人塾などでのんびりマイペースで学習するほうがいい場合もあります。
入学してから後悔することのないよう、学校の雰囲気が本人に合っているのか、やりたいことがその学校にあるのか、交通アクセスがよく通学しやすいのかなども含め、一度学校訪問をしてから志望校を決めるようにしましょう。
STEP3模試で自分の現在の位置を知る
いくつか気になる学校が見つかったら、まずは一度何らかの模試などを受けてみるといいでしょう。これまで中学受験の勉強をしていない場合は、最初からいい点数は取れないと思いますが、自分の偏差値と考えている学校の偏差値の差を知ることができ、今後の学習の参考になります。
そこから志望校の偏差値との差を埋める勉強が始まります。こんなに差があるなら無理と考えてしまうかもしれませんが、これから勉強を始めるので、むしろ志望校が見つかっただけでも目標が明確となりモチベーションも上がります。
もちろん、志望校は途中で変わっても構いません。成績がぐんぐん伸び、最初は思ってもみなかった学校に行きたくなることもよくあります。塾や家庭教師の先生などと相談しながら受験勉強を進めていければいいでしょう。
7.まとめ~人生を左右する中学受験!

中学受験をする理由は人それぞれ
今回は中学受験をする理由をいろいろ述べてきましたが、「この中学に行きたいから」という明確な理由がある人もいれば、「地元の公立中学に行きたくないから」という理由の人もいます。
理由はどうであれ、本人にとって「行きたい」と思える学校があれば、それに越したことはありません。
とくに中高一貫校であれば、少なくとも高校受験はなく、6年間を有意義に過ごすことができます。部活動なども、中学卒業で一度途切れることなく、そのまま続けることができるので、身につくものも大きいですし、その時の仲間が生涯の親友になるというのもよく聞く話です。
中学受験は人生の大きな選択肢
中学受験をするにしてもしないにしても、本人の大事な思春期を過ごす中高3~6年間です。何も考えずに偏差値だけで学校を決めたり、地元の公立中学に当たり前のように進学したりするのではなく、どのような学校があるのかだけでも一度調べてみるといいでしょう。
志望校を選ぶ理由は人それぞれでも、選んだ学校によって人生が大きく変わることはまず間違いありません。それだけ中学受験は人生の大きな選択になるともいえるでしょう。ぜひ今一度よく考えて学校選びをしてみてくださいね。
子どもにどういう学校が向いているのかよくわからない、そもそも中学受験について不安があるなど、中学受験について何か悩みがある場合は、受験のプロ家庭教師に相談してみてください。いっしょにお悩みを解決していきましょう!

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