「頭が良くなる食べ物」って?!

  • 2022.01.25
  • 受験レシピ

受験合格を目指す上で、受験生が最も力を注ぐのは「勉強」です。

一方、受験生の家族ができる最善のサポートはその環境を整えること、中でも「食事」が特に重要であることに多くの方が気付いていると思います。
これまで、インターネットや本などで「食」に関する多くの情報を目にしてきた方もいると思います。

その中でも、受験生(家族)にとっての最大の関心は「頭が良くなる食べ物」「何を食べたら頭が良くなる」といった事ではないでしょうか。

そんな食べ物や食べ方が存在するなら、誰もが試してみたくなりますよね。

今回は、そんな「頭が良くなる食べ物」の真偽についてご紹介したいと思います。






◎頭が良くなるとは?

「頭が良い」とは、具体的にどのような事を指すのでしょうか。
機転が利く、頭が切れる、柔軟な考え方が出来る……など、人によってその定義や必要性は様々です。

受験生においては、次のようなことが思い当たるのではないでしょうか。

・頭の回転が速い
・集中力が持続する
・記憶力が良い など


しかし、これらを体内の反応で見てみるといずれにおいても、外部から情報(刺激)を受け取り、それを頭の中で処理し、対応することの積み重ねで成り立っています。

この情報(刺激)の処理や対応を行う際、脳内では無数に張り巡らされた神経ネットワーク上を、神経伝達物質が駆け巡り、細胞間でやりとりが行われています。

つまり、この神経細胞同士のやりとりがスムーズであればあるほど、脳がよく働く(フル回転する)ということになります。

そのため、ここで言う「頭が良い」とは、脳内の神経細胞同士のやりとりの円滑さを指し、それをよりよくするための、脳のエネルギーとなる糖質や、神経細胞の材料となるタンパク質・脂質、伝達物質の材料となるアミノ酸などが「頭が良くなる食べ物」としてよく取り上げられます。



◎脳が必要とする最適な栄養素量は個人差が大きい

同じ食事をしている家族(兄弟)でも体質や体格に差があるように、同じ栄養素を摂っていても脳の働きには個人差があります。

それは、個人における脳の栄養素の最適需要量が遺伝子(体質)や、生活環境、これまでの食事などによって大きく左右されるからです。

特にストレスがかかると、それらに対応すべく脳は多くの栄養素を消費します。

つまり、ストレスが大きい環境下であればあるほど、脳の栄養素の最適需要量は上がっていき、場合によっては一般的な栄養基準量をはるかに上回る摂取量が必要になることもあります。



◎脳の働きに欠かせない5つの栄養素

脳にとっての必要な栄養素とはなんでしょうか。それは1つではありません。
複数の栄養素が互いに作用し合うことで、脳は働き(脳が働く=脳内の神経細胞間で伝達物質がやりとりされる)を保っています。

具体的に大きく分けて、次のような5つがあります。

1.糖質

脳は体重の2%ほどの重さしかありませんが、全エネルギーの18%も消費する大食臓器です。その上このエネルギーとなる栄養素は、糖質(場合によってはケトン体)のみです。

2.タンパク質

脳内の神経ネットワークを形成する、神経細胞の主成分となるのがタンパク質です。

3.脂質

神経細胞の膜の原料となるのが脂質(必須脂肪酸・リン脂質)です。この細胞膜の良し悪しによって、伝達物質の内容や速度にも違いが生じ、脳の働きも左右されます。

4.アミノ酸

伝達物質(ノルアドレナリンやセロトニン など)の原料となるのがアミノ酸です。

5.ビタミン・ミネラル

糖質がエネルギーに変換される際には、「酵素」という反応を進めるための物質が必要となります。同様に、アミノ酸が伝達物質に変わる場合にも酵素が必要となります。この酵素を活性化させる働きをするのが、ビタミンやミネラルです。

これまでの多くの情報の中で言われてきた、「頭が良くなる食べ物」は決して間違いではありません。
実際、過去の記事でも何度も取り上げ紹介した栄養素や食べ物(DHAやビタミンB群、アミノ酸 など)もあります。

しかし、それが全てでもありません。

脳にとって良い働き、必要な物質の材料となる栄養素は存在しますが、それが体内で最大限(最適)に働くためにはその他の多くの栄養素も必要であることを忘れないで下さい。

それを踏まえ何を食べたら良いのかを考えるとき、バランスの良い食事がベースとなり、その上に「魚を多く摂ろう!」、「ビタミンBの多い食材を意識しよう!」、「貧血が気になるから鉄やビタミンCを!」、「勉強に集中するため血糖値を安定させる食事法を試そう!」「免疫力をあげよう!」、「食事でまかないきれない分はサプリメントの活用を考えよう!」といった、個々人に合わせた食事方法が見えてくると思います。

 

<レシピ> 
 

〜鮭団子のごちそう味噌汁〜



【材料】(4人分)

(鮭団子)
・鮭……2〜3切(250g)
・長ネギ……1/4本
・レンコン……30g
▼▼▼ A ▼▼▼
・長芋……30g
・卵白……1/3個
・塩麹……大さじ1/2
・酒……小さじ1
・片栗粉……大さじ1/2
・醤油……大さじ1/2
▲▲▲ A ▲▲▲
(味噌汁)
・出汁……800ml
・人参……適量
・大根……適量
・長ネギ……適量
・しめじ……適量 など、お好みの野菜
・味噌……大さじ3~4


【作り方】

① 鮭は、スプーンで身をこそげ取るようにして骨や皮を除いた後、包丁で細かくたたく。

② 長ネギ、レンコンはみじん切りにする。長芋はすりおろす。

③ ポリ袋に、鮭と長ネギ、レンコン、Aを入れて袋の上から、手でよく混ざるようにもむ。

④ 出汁に野菜(適当な大きさに切る)を入れて煮立たせ、野菜に火が通ったら、ポリ袋の先を少し切って(絞り出しやすいよう)、鮭団子を適当な大きさに絞り出す。
*鮭団子が柔らかく絞り出しにくい場合は、2本のスプーンを使いまとめながら入れる。

⑤ 鮭団子に火が通って固まったら、火を止めて味噌を溶いて出来上がり。

 



鮭は、タンパク質やEPAなどの良質な脂を多く含むだけでなく、身のピンクの色素は抗酸化作用がありストレスによって発生する活性酸素などの有害な物質を除去してくれます。

この鮭を使い子供も食べやすい、柔らかく、臭みも少ない鮭団子を作りました。

いつもの味噌汁に鮭団子をプラスすることで、栄養バランスも整い、食べ応えのあるごちそう味噌汁になります。
寒い日は暖かい食べ物で、体の中から温め免疫力もしっかり維持しましょう。




また、今回作った鮭団子は焼いてハンバーグ風にしたり、揚げて甘酢団子風にしたりと、これ一つで魚料理のレパートリーが広がりますので、是非一度作ってみて下さい。
 

〜鮭団子のつみれバーグ〜

【材料】

・鮭団子……適量
・お好みのタレ(みりん、醤油、酒、片栗粉 など)


【作り方】

① 鮭団子をフライパンで焼いて、お好みのタレを絡めて出来上がり。

 

〜豚肉とレンコンのごまダレ和え〜



【材料】(3〜4人分)

・豚肉(薄切り)……100~150g
・片栗粉……大さじ1
・レンコン……60g
・ほうれん草……3~4束
▼▼▼ A ▼▼▼
・練りごま……大さじ2
・酢……大さじ1
・砂糖……大さじ1
・醤油……大さじ1
▲▲▲ A ▲▲▲


【作り方】

① レンコンは包丁(ピーラーなどでも可)で、薄く切り水にさっとさらしたら、沸騰したお湯で1分茹でてザルにあげる。

② ほうれん草はよく洗って、沸騰したお湯(塩をひとつまみ加える)で、さっと茹で粗熱が取れたら水気をしっかりきり、食べやすい長さに切る。

③ 豚肉は食べやすい大きさに切り、片栗粉を全体にまぶして絡めたら、沸騰したお湯で色が変わるまでさっと茹で、ザルにあげる。

④ 耐熱ボウルなどにAを入れてよく混ぜ、ラップをかけて電子レンジ600Wで30秒加熱する。

⑤ レンコン、ほうれん草、豚肉、Aをよく混ぜ合わせたら出来上がり。

 



糖質(レンコン)、タンパク質、脂質(豚肉)、ビタミン(ほうれん草・豚肉)、ミネラル(ほうれん草・練りごま)が1品で摂れる副菜レシピです。

野菜や、お肉は下茹でなどをする事で時間が経っても水っぽくならず、お弁当のおかずにも最適です。
濃厚なごまの風味と酢の酸味のバランスが食欲をそそる一品です。

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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