受験生の食事 合格の鍵を握る栄養素②〜ビタミンB群〜

  • 2022.03.30
  • 受験レシピ



前回は、受験生の合格の鍵を握る栄養素として、タンパク質のお話をしました。

そして、そのタンパク質を体内で利用する際に必要な栄養素としてビタミンB6のお話もしましたが、今回はそのビタミンB6を含むビタミンB群についてさらに詳しくご紹介したいと思います。

というのも、ビタミンB群は「代謝ビタミン」とも呼ばれ、タンパク質だけでなく脂質、糖質といった3大栄養素全ての代謝に関わり、エネルギーを作り出す際に欠かせないビタミンだからです。

それと同時に、勉強と大きく関わる脳や神経においても特に需要が高く、その働きや機能にも影響を及ぼすビタミンです。



<ビタミンB群とは>

ビタミンB群はビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸、B6、ビオチン、葉酸、B12の8種類あり、どれも単独では機能しづらく、相互に補助的に作用することで力を発揮する特徴があります。

ビタミンB群はあらゆる種類の酵素の補酵素となるビタミンです。
消化や代謝、排泄など体内で起こる反応を促す働きをするのが酵素です。

その酵素は単体では機能しないものも多く、その酵素の働きをサポートする補酵素が必要になります。
酵素はタンパク質から作られているのに対して、補酵素はビタミンの中でも主にビタミンB群などから作られています。



<ビタミンB群の働き>

ビタミンB群は補酵素として、以下のような重要な働きをします

◎栄養素をエネルギーに変える

炭水化物、タンパク質、脂質の3大栄養素は体内で代謝されそれぞれエネルギーを作り出すことができます。
その際の補酵素として必要になってくるのがビタミンB群です。

炭水化物の代謝にはビタミンB1B2タンパク質の代謝にはビタミンB6脂質の代謝にはビタミンB2B12全体に共通する代謝にはナイアシンパントテン酸B1B6などが特に必要となってきます。




◎脳・神経系の機能維持に必要

ビタミンB群は脳や神経系の発育に必要な栄養素であり、タンパク質(アミノ酸)から神経伝達物質ができる際の反応にも欠かせない栄養です。

ビタミンB群に関する研究報告の中には、お母さんがビタミンB群をしっかり摂取した場合、生まれてくる赤ちゃんのIQに違いが生じる(B群をしっかり摂取していない場合と比べて高くなる)という有名な報告もあります。[チェラスキン・レポート より]

また、ビタミンB群欠乏による特有の神経疾患も広く知られています。

ビタミンBは私たちの脳や神経と深く関わっているだけでなく、そのエネルギーを作り出す上でも欠かせない栄養素であり、このことは勉強の集中力や、理解度、記憶、やる気などにも影響を与えるということになります。



<ビタミンB群摂取のポイント>

◎ビタミンB群としての摂取

口から入ったビタミンB群は、体内で活性型に変換されて機能します。
その際、8種類もあるビタミンB群は、互いに互いを活性化させながら力を発揮しています。

例えば、ビタミンB6の活性にはB2が必須であり、葉酸を利用する際にはナイアシンやB12が必要となってきます。

このようにして、ビタミンBの働きには他のビタミンBが関係しているのです。
また、一つの代謝経路に複数のビタミンBが関わっていることも多いです。

そのため、ビタミンB群は一つの種類を単独で摂取するのではなく、B群全体として摂取することが重要になってきます。
それには、様々な種類の食材を食べることが必要であり、ここでもバランスの良い食事の必要性が挙げられます。



◎加工・精製・保存品によるビタミンB群の不足

食品の加工、精製、保存によりその様々な過程で、食品中のビタミンB群の含有量は減少します。
現代においては、このような食品を摂る機会が多いため、気がつかないうちにビタミンB群が不足しているかもしれません。


◎糖質・ストレスによるビタミンB群の消費増加

ビタミンB群は炭水化物の過剰摂取や、ストレス、病気(炎症)などによって、体内で大量に消費されます。


◎腸内環境を整える

ビタミンB群の中には腸内細菌によって合成されるものもあります。
そのため、腸内環境のバランスが乱れると、この合成が低下してしまうので、この意味でも日頃から腸内環境を整えていくことが重要です。


 

<レシピ> 
 

〜鰻と春野菜の柳川風〜



【材料】(3~4人分)

・鰻……1/2尾(100g)
・新ごぼう……1/2本
・スナップエンドウ……4本
・たけのこ……50g
・卵……3個
・だし汁……200ml
▼▼▼ A ▼▼▼
・酒……大さじ1
・みりん……大さじ1
・しょうゆ……大さじ1
・砂糖……大さじ1
▲▲▲ A ▲▲▲


【作り方】

① 鰻は5mmほどに切って、新ごぼうはささがきにして水にさらしアク抜きをする。
スナップエンドウは筋を取って、沸騰したお湯でさっと塩茹でし、食べやすい大きさに切る。
たけのこは細切りにし、卵は割りほぐして溶き卵にする。

② フライパンにだし汁とごぼうを入れて沸騰したら、中〜弱火で5分ほど煮る。

③ たけのこ、スナップエンドウ、Aも加えて再び沸騰させる。

④ そこに鰻を入れ、フライパンの中央から「の」の字を書くように溶き卵を少しずつ流し入れる。

⑤ 卵が半熟状態になったら、汁ごと器に盛り付け出来上がり。
 


鰻は、ビタミンB群やビタミンA、たんぱく質、DHAなどを豊富に含んでいる、言わずと知れた 栄養満点食材です。

昔から「疲れた時は鰻を食べる」と言われますが、それは鰻に含まれているビタミンB1が炭水化物からエネルギーを作り出す際に必要なビタミンであり、過労時などには多く消費されるビタミンだからです。

また、これに合わせた旬を迎える春野菜は、柔らかく苦味や風味に富んだものが多く、これらは体内の老廃物の排泄を促し、新陳代謝を高めてくれる働きもあります。
栄養価の高い鰻と旬の食材で、変化の多い春を乗り切りましょう。

 

〜牡蠣とレバーの黒酢オイスター炒め〜



【材料】(2人分)

・牡蠣……6粒(100〜120g)
・牛or豚レバー……100g
▼▼▼ A ▼▼▼
・片栗粉……大さじ1
・薄力粉……大さじ1
▲▲▲ A ▲▲▲
・長ネギ……1本
・にんにく……1片
・しょうが……1片
▼▼▼ B ▼▼▼
・オイスターソース……大さじ1
・黒酢……大さじ1
・みりん……大さじ1
・酒……大さじ1
・砂糖……小さじ1
▲▲▲ B ▲▲▲
・ごま油……大さじ3


【作り方】

① 牡蠣は塩水をはったボウルの中でやさしく振り洗いし、水気をキッチンペーパーでよく拭き取っておく。

② レバーは食べやすい大きさに切り、氷水で汚れや血などを綺麗に洗う。(水を替えて3回ほど洗う)
水をきったら、塩小さじ1と酢大さじ1/2(分量外)を入れて揉み込み、15分ほど冷蔵庫で置く。
表面が白っぽくネバネバしてきたら、ボウルにはった水で綺麗に洗う。(水が透明になるまで何度か繰り返す)
水気をキッチンペーパーでよく拭き取っておく。

③ ネギは斜めに切り、にんにくとしょうがはみじん切りにする。

Aを混ぜて牡蠣と、レバーの表面にまぶす。

⑤ フライパンにごま油とにんにく、しょうがを入れて熱し、香りが立ってきたら牡蠣とレバーを加えて揚げ焼きにする。

⑥ 牡蠣の両面に焼き目がついたら、ネギを入れしんなりするまで炒める。

⑦ そこにBを入れて、全体を混ぜ炒めたら出来上がり。
 


レバーや牡蠣はビタミンB群だけでなく亜鉛や鉄をはじめとしたミネラルも多く、特に子供や女性にとって不足しがちな栄養素が豊富に含まれています。
しっかりと下処理をして揚げ焼きにすることで、特有の臭みなども軽減され食べやすくなります。

今回は、食欲増進効果もある酢と合わせて、お子さまにも食べやすい炒め物にしましたので、是非一度作ってみて下さい。

 

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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