今年もインフルエンザをはじめウィルスが猛威を振るう季節になりました。
受験生においてはまさに体調管理との戦いの時期でもあり、試験本番に向けて何が何でも体調を崩さずに過ごしたいと本人はじめご家族も願っておられると思います。
しかしながら中々、意思や根性だけでは体調管理は難しく、マスク、手洗い、人混みを避けるなど予防を徹底していてもかかってしまうこともあります。
そこで今回はこれらの外的予防だけではなく、根本となる自分自身の免疫を上げる栄養を通しての内的予防のポイントについてご紹介します。

◉予防に欠かせないビタミンD
外部から入ってくる細菌やウィルスなどを体内に入れないにために、私たちの身体には喉や鼻、腸などあらゆるところに粘膜という機能が備わっています。
この予防の第一線で活躍する粘膜を強化する働きがあるのがビタミンDです。鼻から直接つながる喉の上部などにおいてビタミンDは、付着したウィルスや細菌を殺すタンパク質を生成する働きがあります。
このビタミンDは食物から摂取するだけでなく、太陽の紫外線を浴びることで皮膚で作られる特徴を持っています。
そのため、冬場に風邪などをひきやすくなるのは、寒さや乾燥による免疫低下やウィルスが増殖しやすい環境だけが原因ではなく、冬季の日照時間低下に伴うビタミンD不足も影響しています。
ビタミンDを食材やサプリメントなどから摂取することは、冬のインフルエンザや風邪の予防としてとても重要になってきます。
・しらす、煮干し、ししゃも などの内臓ごと食べられる魚
◉免疫力を強くする亜鉛
亜鉛は病原体が体内に入ってきたときに攻撃する白血球の一種であるT細胞の活性と増殖に影響を与えており、不足すると免疫力が低下し感染症を引き起こしやすくなると共にそれらの症状も重く、長引きやすくなります。
また、亜鉛はストレスによって尿中や便中、汗の中に混ざって排出される量が増加するため、身体的・精神的ストレスとなる感染症時には亜鉛の必要量がより一層高まります。
亜鉛の体内での吸収率は低いですが、動物性タンパク質やクエン酸を含む食物と一緒に摂取することで、吸収率が高まります。
・牡蠣、牛肉、ナッツ類 など
<レシピ>
~しらすとたまごの和風ポテトサラダ~
【材料】(4人分)
- ・釜揚げしらす…80g
- ・卵……2個
- ・じゃがいも……小2個(200g)
- ・きゅうり……1本
- ▼▼▼ A ▼▼▼
- ・ごま油……大さじ1.5
- ・しょうゆ……大さじ1.5
- ・砂糖……大さじ1
- ・すりごま……大さじ1.5
- ・にんにく……1片
- ・マヨネーズ……小さじ1.5
- ・塩……2つまみ
- ▲▲▲ A ▲▲▲

【作り方】
- ① 卵は沸騰したお湯で9分茹でて皮をむき、一口大に切る。
じゃがいもは皮をむいたら小さめの一口大に切り、水から茹でて竹串などがすっと通るくらいになったらざるにあげる。
きゅうりは薄めの輪切りにし、塩(分量外)をまぶして1分ほどおいたら水気を絞る。 - ② にんにくをすりおろしたらボウルにしらす、ゆで卵、じゃがいも、きゅうり、Aをいれて混ぜ合わせたら出来上がり。

丸ごと食べられる小魚のしらすはビタミンDが豊富なだけでなく、亜鉛やカルシウムなどのミネラルも含んでいます。
とくに、体内での吸収率の低いカルシウムはビタミンDと一緒に摂取することで吸収率が上がるため、しらすはそれらのミネラルも効率よく摂取できる食材です。
しらすや卵などタンパク質がしっかりと摂れ、さっぱりとして食べやすいポテトサラダを是非一度作ってみて下さい。
◉免疫の要の腸
私たちの身体の免疫機能のおよそ70%を担っていると言われているのが腸です。
腸には多種多様な腸内細菌が存在し、その数はなんと100兆個にもおよびます。
この腸内細菌は働きによって大きく善玉菌、日和見菌(腸内環境により善玉菌のような働きをしたり、悪玉菌のような働きをする)、悪玉菌の3つに分けられその割合は通常2:7:1となり、健康な人の腸内では善玉菌が悪玉菌を抑え込んでいます。
しかし、食生活やストレスなどで腸内細菌のバランスが崩れることにより、風邪をひきやすくなる、落ち込みやすくなる、集中できないなど心身ともに不安定になりやすくなります。
◉腸の炎症を抑えるω3系脂肪酸
腸内環境を整える上でよく知られているのが、善玉菌のエサとなる食物繊維や善玉菌を含む発酵食品の摂取です。
しかし、その他にも腸の健康を守る上で意識したい栄養素が魚の脂に含まれるω3系脂肪酸(DHA、EPA)です。偏った食事や暴飲暴食などによりお腹のハリや、腹痛、下痢などの不調が出るときなどは、消化吸収器官である腸に炎症が生じているかもしれません。
その炎症を抑える働きをするのがω3系脂肪酸であり、その抗炎症作用により腸だけでなく、アレルギーの抑制や、脳の炎症抑制などにも働きます。
<レシピ>
~カツオの玉ねぎと大葉の和風マリネのせ~
【材料】(作りやすい量)
- ・カツオのたたき…200g
- ・玉ねぎ……1/2個
- ・大葉……10枚
- ▼▼▼ A ▼▼▼
- ・酢……大さじ1
- ・白だし……小さじ2
- ・ごま油……大さじ1
- ・砂糖……大さじ1
- ・しょうゆ……小さじ1
- ・いりごま……大さじ1
- ・塩……2つまみ
- ▲▲▲ A ▲▲▲

【作り方】
- ① 玉ねぎはみじん切りにし耐熱ボウルにいれ、ラップをして電子レンジ600W1分加熱し粗熱をとる。
大葉はみじん切りにする。
カツオのたたきは好きな厚さに切って冷やしておく。 - ② ボウルにAと玉ねぎ、大葉を入れてよく混ぜ合わせ、冷蔵庫で冷やす。
- ③ 器にカツオのたたきを並べ塩(分量外)を少々まぶしたら、その上に➁をたっぷりかけて出来上がり。

カツオには、ω3系脂肪酸(DHA、EPA)のほか不足しやすい鉄やタンパク質も豊富であると同時に、それらを体内で使う際に必要となってくるビタミンB群も含まれています。
そのため、カツオ単品でも栄養価の高い食材となっていますが、今回はそこにさらに美味しく食べやすくする玉ねぎと大葉のマリネを合わせました。
玉ねぎにはオリゴ糖が含まれており、善玉菌のエサとなり腸内環境にも良い影響を与えてくれます。



