前回の記事では強い体と心の土台を作る食事について、それぞれ「免疫」と「神経伝達物質」をキーワードにあげご紹介しました。
これらを整え正常に働かせるために必要な栄養素は、共通するものも多く体を正常に機能させるために全てが必要であり繋がっています。
そこで今回は、重要な栄養素一つ一つについてその働きや摂取のポイントなどをご紹介します。

◉タンパク質
タンパク質は体のあらゆる細胞の主材料であり、基礎となる最重要栄養素です。
そのため日々の生命活動において必要量が非常に多いのに対して、食べ溜めが出来ないため毎食ごとに小まめに摂取する必要があります。
タンパク質が不足すると、免疫力が低下し感染症にかかりやすくなったり、ストレスに弱くすぐに落ち込んだり、見た目にも老けてきたりなどさまざまな悪循環に繋がります。
◉ビタミンB群
ビタミンBは細胞のエネルギー産生に必須であり、食べた物を代謝する際にも不可欠であるため、ビタミンB不足はなんとなくしんどい、だるい、疲れやすいといった日常の不調に直結していることが多いのです。
また、神経伝達物質の合成にもタンパク質に次いで重要ともいえる栄養素であり、強く健やかな心を作る上で欠かせません。
ビタミンBにはB1,B2,B6,B12,ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類があり総じてビタミンB群と呼ばれます。
それぞれに重要な働きがありますが、群と総称されるように8種類が互いに作用し合い力を発揮するため、さまざまな食品から多くの種類を摂取することが重要になってきます。
◉ビタミンD
ビタミンDは免疫機能の調整、ウィルスの増殖抑制などに作用し免疫機能に大きな影響を与えます。
また、腸の粘膜細胞同士の結合を安定させ、アレルギー物質や未消化の食物、毒素などの腸管からの侵入を防ぐ働きがあります。
そのため、感染症のリスクが高まる冬場やアレルギー症状の出やすい季節の変わり目には特に重要となってきます。
ビタミンDは食物からの摂取以外に、紫外線を浴びることにより皮膚上で生成される特徴があり、冬場などの日照時間の少ない時期にはサプリメントなどの利用も有効です。
<レシピ>
~豚肉と舞茸のれんこんチヂミ~
【材料】(8枚分)
- ・れんこん…200g
- ・豚バラ肉(うす切り)……80g
- ・舞茸……30g
- ・にんにく(すりおろし)……1片
- ・米粉……大さじ3
- ▼▼▼ A ▼▼▼
- ・酒……大さじ1
- ・しょうゆ……大さじ1/2
- ・砂糖……大さじ1
- ・塩……小さじ1/8
- ・水……大さじ1と1/2
- ▲▲▲ A ▲▲▲
- ・ごま油……適量

【作り方】
- ① れんこんは皮ごとよく洗いスライサーなどで8枚薄めの輪切りにし、残りをすりおろす。
豚バラ肉、舞茸は5㎜~1㎝ほどの大きさに切る - ② ボウルにすりおろしたれんこん、豚肉、舞茸、にんにく、米粉を入れて全体をよく混ぜ合わせる。
- ③ Aを入れてさらに混ぜたら、フライパンに多めのごま油をひき➁を8等分にして丸くおき、上からスライスしたれんこんを軽く押しながらのせる。
- ④ 蓋をして中火で4~5分焼いたら、蓋を取りひっくり返してさらに4分程焼いたら出来上がり。
*お好みで、甘酢しょうゆなどをかけても美味しく召し上がれます。

タンパク質やビタミンB群豊富な豚肉とビタミンDを含む舞茸を、熱に強いビタミンCと食物繊維が豊富なれんこんと合わせてチヂミにしました。
外はカリカリ、中はもっちりあまく、おやつや夜食にもおすすめですのでぜひ一度作ってみて下さい。
◉鉄
鉄は赤血球を生成し体内に酸素を運ぶことでよく知られていますが、その他にも非常に多くの重要な役割を担っています。
免疫系では、免疫細胞のエネルギー源となり病原体の殺菌に寄与し、感染症の予防だけでなく罹患後の症状の重症度や期間をも左右します。
また、ビタミンB群同様に細胞のエネルギー産生に不可欠な栄養素であり不足するとだるい、疲れやすい、集中力の低下などの不調を起こします。
心の面においても、神経伝達物質を生成する上で必須な栄養素であり不足するとメンタルの不調へと繋がります。
鉄には植物性食品に含まれる非ヘム鉄と、動物性食品に含まれるヘム鉄の2種類があり、体内での吸収率は非ヘム鉄に対してヘム鉄の方が6倍近く高くなります。
《非ヘム鉄を含む食物》
◇ほうれん草、小松菜、納豆、ひじき など
《ヘム鉄を多く含む食物》
◇牛肉、豚赤身肉、レバー、赤身魚、貝類 など
◉ビタミンC
ビタミンCは免疫力強化のほかに、抗酸化力に優れ体内で発生する活性酸素を除去する働きがあり、ストレス時や炎症(怪我、細菌感染、ウィルス感染 など)が起こった際には大量の活性酸素が発生するため特に急速に消費されます。
また、心を作る神経伝達物質のうち集中力ややる気などを担う興奮系の物質であるノルアドレナリンの生成にも必須の栄養素です。
ビタミンCは一度にたくさん摂取しても尿と一緒に排出されるため、タンパク質同様小まめに摂取することが重要です。
また、水に溶けだしてしまう性質があるためスープや鍋、ジュースなどとして摂取するのもおすすめです。
◉マグネシウム
マグネシウムは体内で実に300種類ものさまざまな反応に関わっており、これが不足すると他の栄養素の力が十分に発揮できません。
その中でも、マグネシウムは体の細胞内でエネルギーを産生する際に必須の栄養素であると共に、神経伝達物質の伝達や制御にも働くため、不足すると慢性疲労や神経・精神疾患のような症状のリスクが高まります。
その他にも、足がつる、肩こり、鼻炎・アレルギーなどの日常の不調にはマグネシウム不足が隠れているかもしれません。
マグネシウムは食物からの摂取以外にも、経皮吸収(皮膚から吸収)される特徴があるため入浴の際に、硫酸マグネシウムを多く含むエプソムソルトなどの使用も有効です。
《マグネシウムを多く含む食品》
◇ナッツ、海藻類、大豆製品、海水から製塩された塩 など
<レシピ>
~簡単ビーツの豆乳スープ~
【材料】
- ・ビーツ(水煮缶)…1缶(総量420g)
- ・玉ねぎ……1/2個
- ・豆乳……400ml
- ・塩……小さじ1/2
- ・バター……10g

【作り方】
- ① 玉ねぎは薄めのくし切りにする。
- ② 鍋にバターを入れて熱し、玉ねぎを加えてしんなりするまでよく炒める。
- ③ そこに、ビーツの水煮缶を汁ごといれ、中火で3~5分ほど煮込み、出てきたアクは取り除く。
- ④ 豆乳を加えてハンドミキサーなどで滑らかになるまで攪拌し、塩を加えて味を調え、ひと煮立ちさせたら出来上がり。

ビーツは強力な抗酸化物質や鉄分、ビタミンCが豊富に含まれているスーパーフードとしてもよく知られています。
生のままでは土臭さや癖のある風味が強いのですが、水煮缶を使いスープにすることで癖がなくビーツ本来の甘みが引き立ちとても美味しくなると共に、栄養も丸ごと摂取できます。
植物性食品に含まれる非ヘム鉄は体内での吸収率は2~5%程度と低いのですが、ビタミンCやタンパク質と一緒に摂取することで吸収率が数倍にも上がります。



