令和時代の中学受験!平成との違いは?~中学受験の今と昔7つの変化

  • 2025.02.07
  • 受験情報

 

 

 

令和に入って早7年。人々の生活意識や行動も変化しています。中学受験も例外ではありません。一昔前とは大きく変化しています。今回は、とくに関西圏の中学受験の今と昔で変わった7つの変化について解説いたします。

 

 

CONTENTS:

 

1.中学受験の時期

l 中学入試解禁日の今と昔

l 解禁日の流れ

l 東京の中学受験の解禁日

 

2. 学校の形態

l 年々進む共学化

l 偏差値もイメージも変化

 

3.出願方法

l 便利になったWeb出願

l Web出願の落とし穴

 

4.合格発表

l Web発表が主流の令和時代

l ノスタルジックな校内掲示板発表

 

5. 入試形態

l 多様化する入試形態

 

6.入試日程

l 何度も受験できる令和時代

l 増える受験回数

 

7.入試会場にての塾応援

l お祭りさながらの試験会場

l 様変わりした現在の会場

 

8.まとめ~多様化する令和の中高一貫校

l 今と昔7つの変化一覧表

l 少子化の中で差別化を図る私立学校

l 特色はさまざま

 

 

1.中学受験の時期

 

 

 

 

● 中学入試解禁日の今と昔

 

関西の中学入試解禁日は、大学の共通テスト(旧大学センター試験)と同日の「1月第2または第3土曜日」で、ここ10年以上変わっていません。つまり、中学受験も大学受験と同様「年が明けたらすぐに入試」というのが常套句のようになっています。

 

しかし、昔の中学入試はもっと遅い時期に実施されていました。関西で中学入試をした経験のある現在50歳前後の方々は、3月1日が解禁日だったのではないでしょうか。それが時代と共に前倒しとなり、現在の1月15日前後に至っています。

 

 

● 解禁日の流れ

 

1994年までの長い間、兵庫、大阪、京都の中学校の統一入試日(入試解禁日)は、3月1日に決められて、奈良和歌山の中学校は、1月下旬から2月にかけて行われていました。

 

1995年からは2月1日に1か月前倒しになりましたが、その年に阪神大震災が起き、校舎の倒壊などで2月1日に試験ができなくなった学校もあり、この年は大阪、兵庫、京都が別日程となりました。

 

それから数年間は模索が続き、年度ごとにイレギュラーな日程となりました。2006年からは奈良、滋賀、和歌山を含めた近畿圏全体で1月の統一入試日になり、大学共通試験に合わせることで落ち着いて現在に至ります。

 

 

● 東京の中学受験の解禁日

 

ちなみに東京の入試解禁日は、昔から現在までずっと2月1日で変わっていません。昔の関西の受験生は東京の学校で前受け受験をして、3月の本番に臨むという例も多くありました。最近では逆に東京の受験生が前受けとして関西の難関校を受験し、2月の本命に臨むというパターンが増えてきました。

 

そのため、近年の灘中受験も関東からの受験者が増加していて、合格をしても辞退する者が増え、定員を大幅超えた合格者を出すようになりました。灘中がこのような大量の合格者を出すなどということは、昔はありえなかったことです。

 

 

2. 学校の形態

 

 

 

 

● 年々進む共学化

 

令和時代の今は昔と比べ、男子校や女子校を廃止し、共学化する学校が増えています。少子化やジェンダー意識が進み、男女の区別をなくす社会風潮が影響しているものと思われます。

 

関西の難関校の一つでもある洛南高附中西大和学園中高槻中や10年一貫のエスカレーター校として人気の関西学院中関西大学第一中もかつてはみな男子校でしたが、今は当たり前のように女子生徒も活躍する共学校になっています。

 

 

● 偏差値もイメージも変化

 

このような共学化の流れの中で、校舎や学校名も変更になるなど、学校そのもののイメージ人気偏差値レベルなども昔とはまったく変わってきています。親の時代には、さほど偏差値が高くなかった学校が、今では関西を代表するような難関校になっていることもあります。

 

昔は「自由でのびのびとした文武両道の学校」と言われていた学校が、今は「部活の時間を制限し、大学進学に注力する放課後学習等の学習時間の多い進学校」に変わったり、その逆に昔は「学習時間が長く厳しい学校」と言われていた学校が「自由でスポーツも盛んな文武両道の学校」になったりと、イメージも学校自体も年々大きく変わっています

 

 

3.出願方法

 

 

 

 

● 便利になったWeb出願

 

令和時代の今の出願方法は、そのほとんどがインターネットによるWeb出願ですが、以前は直接持参または郵送するのが当たり前でした。

 

少し前まで、受験生は各学校から出願書類を取り寄せて、在籍している小学校から内申書(調査書)をもらい、期日までに郵送または直接学校に持参するなどして出願していました。その場で受験料を支払い、受験番号の付いた受験票をもらって帰るのが一般的でした。

 

昔は出願する時間帯も決められていたので、複数校受験したり、遠方の学校を受験したりする場合、親の負担は大きなものでした。今は自宅にて好きな時間にWeb出願できますし、一部を除き小学校の内申書(調査書)を不要とする中学校も増えましたので、負担もかなり軽減されたものと思います。

 

 

● Web出願の落とし穴

 

令和になって主流となったWeb出願。たいへん便利になった反面、意外な落とし穴もあるので注意してください。Webだからといつでもできると後回しにしていて、うっかり失念して期日を過ぎてしまったり、そういう時に限ってPCやネット環境がダウンしてしまったりといったトラブルもあります。

 

送信したつもりが、送信ボタンを押し損ねていたり、間違ったコピペをしてしまったりすることもあります。また、文字の変換ミス記入漏れなどもよくあるので、くれぐれもしっかり確認してから送信するようにしましょう。

 

 

4.合格発表

 

 

 

 

● Web発表が主流の令和時代

 

令和時代の合格発表は、Webによる発表が主流で、学校に掲示するスタイルの合格発表を行う学校はほとんど見られなくなりました。以前はどこの学校も合格者の受験番号が張り出される掲示型の合格発表で、多くの受験生が受験票を手にドキドキしながら自分の番号を探したものでした。

 

Webによる合格発表は、「各個人に合否の連絡」がきたり、「合格者の受験番号の一覧を閲覧」できたりします。受験者は合格発表の時間になれば、いつでもどこでも好きな時に合否を知ることができるので、たいへん便利になったといえるでしょう。

 

 

● ノスタルジックな校内掲示板発表

 

現在、近畿圏の難関校だけで調査したところ、掲示のみでの合格発表を行っているのは甲陽学院中くらいでした。

わざわざ現地に出向かなければいけない不便さはありますが、掲示板前の独特の雰囲気と、たくさんの合格者番号の中から自分の番号を見つけた瞬間の映像は、喜びと共に脳裏に焼きつくものかと思います。

 

合格発表は一大イベントで、確かにWeb発表は便利ではありますが、その反面、掲示板の前で受験生が一喜一憂する姿が見られなくなったのは、少し寂しいと感じる親御さまも少なくないのではないでしょうか。

 

 

5. 入試形態

 

 

 

 

● 多様化する入試形態

 

一昔前まで関西圏の中学受験は、学校ごとに3科受験4科受験のどちらかと決まっていました。令和の今は、出願時に3科受験か4科受験かを自分で選択できるような学校が増えています。

 

それどころか、2科目や1科目で受験できる学校や、英語の資格を点数化したり、英語の筆記試験を行ったりしている学校もあり、入試形態も実に多様化しています。

 

 

6.入試日程

 

 

 

 

● 何度も受験できる令和時代

 

試験日程も昔と比べるとかなり変化しました。以前は、受験するチャンスは1回だけという学校が多かったのですが、令和の今では午後入試後期試験など、2~4、5回受験できる学校が増えてきました。

 

1日で午前と午後の2回入試があるという学校もあり、1日に同じ学校を2回受験する受験生もいますし、同じ学校を4回も5回も受験する受験生もいます。また、複数回受けると点数が加算されるような学校もあります。

 

 

● 増える受験回数

 

私立中学校を複数校受験する受験生も増え1人が受ける受験回数も昔に比べかなり多くなりました。まず入試解禁日前に前受けとして地方の学校を1、2校受験し、入試解禁日初日の午前と午後に1校ずつ、2日目も午前と午後に各1校、3日目は午前中に1校など、合計5~7回の受験日程を立てている受験生も普通によくいます。

 

場合によっては、4日目、5日目も受験が続き、さらに受験回数が増えることも毎年あります。令和の中学受験は、昔では考えられないくらい受験回数が増え、逆に私立校1校を1回だけしか受験しないという受験生はほとんどいないといっていいでしょう。受験生の負担は増えたかもしれませんが、その分チャンスは広がったといえます。

 

 

7.入試会場にての塾応援

 

 

 

 

● お祭りさながらの試験会場

 

新型コロナウイルスが猛威を振るった5年以上前まで、受験会場はどこもお祭りのような異様な盛り上がりを見せていました。入試当日、各学校の正門前に大手塾の先生やスタッフが一堂に会し、色とりどりの塾のノボリが立ち並びます。知らない人が見たら、まるで縁日か何かの大イベントを開催しているのかと思われるほどです。

 

塾の先生やスタッフたちは、おそろいの塾の法被を着て、受験生1人ひとりと握手をしたり「がんばれ」と声かけしたりして応援します。大声でシュプレヒコールを上げる塾もあり、その集まった人数やノボリの数で、塾の規模の大きさや知名度を競っているようなところもありました。

 

 

● 様変わりした現在の会場

 

しかし、近年は新型コロナウイルスの蔓延も影響し、人が密集するような場や大声を出す行為は控えるようになりました。学校側からも塾に「当日の応援は控えて下さい」「塾からの応援は2名までにしてください」などと自粛を促す連絡が入るようになりました。

 

以前とは違い、どこの学校の受験会場も応援する人がいなくなり、いてもほんの数名で、もちろんノボリなどもなく、落ち着いた静かな状態の会場となりました。

 

2025年の現在でも自粛状況は続いています。今後これが令和の新しい応援スタイルとして定着するのか、それとも以前のように大イベント的な光景が再び見られるようになるのか、は定かではありません。

 

 

8.まとめ~多様化する令和の中高一貫校

 

 

 

 

● 今と昔7つの変化一覧表

 

今回はとくに関西圏の中学受験の今と昔の違い」についてお伝えしました。入試や学校の形態などが時代と共に変化していることがおわかりいただけたと思います。以下、これまで述べたことを一覧表にしてまとめましたので、ご覧ください。

 

 

1.時期(関西)
(東京)

1月15日前後

2月1日

3月1日

2月1日

2.学校イメージ

共学化が進む

男子校、女子校が多い

3.出願方法

Web出願

郵送または持参

4.合格発表

Web発表

学校にて掲示

5.入試科目

科目選択制

3科または4科

6.入試日程

何回も受験できる学校が多い

受験は1回のみの学校が多い

7.塾の応援

少人数で静かに応援

大勢でイベント的に応援

 

 

● 少子化の中で差別化を図る私立学校

 

毎年、中学受験では何らかの変更があります。関西圏の最難関と言われる灘中をはじめ、甲陽学院中神戸女学院中などの入試は、昔からほとんど変わっていませんが、難関校や中堅難関校などは、独自の特徴を前面に出すように変化しています。

 

少子化の影響も大きく、多くの生徒を集めるためには、他校と差別化できるような強い特色が必要です。「進学実績」や「文武両道」、「英語教育」などに特化しているのか、「校舎や施設の充実」、「制服」などが特徴的なのか、特色はそれぞれです。時代に合わせて、学校のイメージも年々変化しています。

 

 

● 特色はさまざま

 

中学受験」と言えば、勉強ができる子どもがするもので、勉強ができない子どもには受験は無理、無縁だと考えている人もいますが、それは違います。今は勉強だけでなくスポーツや習い事、文化活動などでも何か特技を持っていれば、有利に受験ができる学校も増えています。

 

学校の特徴も多様化しているので、特技や習い事での経験が活かせることもあるかもしれません。中学受験を考えているご家庭はもちろん、今は考えていないご家庭でも、一度どのような学校があるのか調べてみるといいでしょう。

 

中学受験について、「どうしたらいいのかわからない」、「本人に合う学校が見つからない」など、何かしらお悩みがあるようでしたら、ぜひ一度プロの家庭教師にご相談ください。どのようなことでも親身にお応えさせていただきます。

 

 

 

 

 

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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