繰り上げ合格した受験生は、合格点に何点足りていなかった?泣くか笑うかはX点の差だった!!

  • 2020.04.14
  • 受験情報

 

 

中学受験をすると、当然合格と不合格とに結果が分かれますが、不合格のなかには「繰り上げ(補欠)合格」というものがあります。

「繰り上げ合格」という言葉をなんとなく聞いたことはあるけれど、具体的に合格点より何点差なら可能性があるのか、いつまで待てばいいのか、よく分からない方もいらっしゃるかと思います。

そこで、今回は「繰り上げ合格」について分かりやすく解説いたします。

 

CONTENTS:

1.そもそも「繰り上げ合格」とは?

2.繰り上げ合格はいつまで待つ?~出し方と期間

3.合格点まで何点差なら可能性がある?

4.2020年の近畿圏の繰り上げ合格の現実

5.まとめ~1点の重み

 

1.そもそも「繰り上げ合格」とは?

繰り上げ合格」という言葉をご存知でしょうか。「繰り上げ合格」とは、合格者が入学を辞退した場合などに、合格を保留状態にしてあった受験生のなかから繰り上がって合格になることを言います。通常の合格発表ではあらかじめ辞退者が出ることを想定し、募集定員に対してやや多めに合格者を出しています。しかし、想定以上に辞退者が出て定員を下回った場合、「繰り上げ合格」を再度発表することになります。ただし、必ずしも辞退者の人数分だけ繰り上げ合格者が出るわけではありません

 

補欠合格」とも言いますが、これは通常の合格者と同時または翌日以降に「補欠合格者」として発表、通知されるものです。近畿圏では「繰り上げ合格」がほとんどで、自分が「補欠者」になっているのか分からないため、自身で判断して待つ必要があります。いずれの場合も、受験校から「繰上げ合格になりました」という連絡を受けた場合のみ合格となります。

 

 

2.繰り上げ合格はいつまで待つ?~出し方と期間

 

 

繰り上げ合格者はどうやって決まり、どのくらいまで待てばいいのでしょうか。一般的に、まず1点差で不合格になった受験者が何人いるかによって、1点、2点またはそれ以上の繰り上げ合格者を出していきます。先の「1」で、あらかじめ辞退者を想定して多めに合格者を出すと述べましたが、そうは言っても、学校は定員を大幅に超えるような合格者を出すことはしません。学校側も辞退者が思った以上に出なかった場合、入学者が大幅に募集定員を上回ってしまうような事態は、教職員の数や教室・施設の都合上できる限り避けたいことです。辞退者が少ないという理由で一度出した合格者を不合格にはできませんから、どこの学校も毎年その数読みには頭を悩ませていると思います。

 

このように、どの学校でも毎年なるべく募集定員から大幅に超過しないように調整して合格者を出しているので、さほどたくさんの繰り上げ合格者が出ることはまずありません。学校にもよりますが、繰り上げ合格の連絡は早くて翌日、遅いところで他県の状況が決まってからということもあり、1ヵ月にも及ぶこともあります。基本的には1週間以内に連絡がない場合は、他校にシフトしておき、万が一後日連絡が来たら儲けものくらいに思っていた方がいいでしょう。

 

 

3.合格点まで何点差なら可能性がある?

たとえ不合格となってしまった受験生も、だいたい1~、2点くらいの差の不合格であれば、まだ十分に望みがあると期待してしまうのではないでしょうか。

しかし、先に述べたように、学校側も毎年どのくらいの辞退者が出るのかを受験生同様に傾向と対策で合格者数を調整しています。数年前でしたら、「2点差くらいなら、繰り上げがあるんじゃない?」のような会話は普通にされていました。今でも少なからずそのような話もあることには違いありませんが、学校側の分析も進みましたし、受験生の実力も拮抗していることから、よりその差は小さくなっていると思った方がいいでしょう。

 

例えば東大寺学園大阪星光学院では、3科受験か4科受験かを選べる受験となっていて、合計点を合わすような計算がなされることから、合格最低点が280.5点など小数点以下の数字になることもあります。つまり、不合格者も0.5点差など1点未満の点数での不合格ということも十分にあり得るわけです。

近畿圏の中学の中には、不合格者には得点の開示がされる場合もあり、そのような学校では自分が合格点に何点足りていないのかが分かります。1点差なら可能性は高いようにも思いますが、0.5点差など1点未満の差でも不合格になることもありますし、極まれではありますが、後述のように4点差で繰り上げることもないわけでもありません。こればかりは蓋を開けてみないとわからないところではありますが、一般的に1~2点ならば可能性はあり、3~4点差なら運が良ければ繰り上がることもありで、5点差以上なら難しいと思っていいと思います。

 

 

4.2020年の近畿圏の繰り上げ合格の現実

 

 

次に、2020年の中学受験はどうだったのでしょうか。繰り上げ点数を公表していない学校もありますので、全ての学校の状況をお伝えすることはできませんが、ここでは近畿圏で最難関校に位置づけられる数校のご紹介をします。

 

・灘中……1点、

・西大和学園も……1点、

・東大寺学園、大阪星光学院……0(今年度の繰り上げ合格者はなし)

 

今年、東大寺学園や大阪星光学院で1点差、更に言えば0.5点差で不合格になった受験生にとっては、もしかすると「1点差くらいなので繰り上がるだろう」と考えていたかもしれません。しかし、残念ながら今年の繰り上がり合格者は「0」でしたので、1点差や0.5点差の生徒も不合格のままでした。

学校側の見方をすれば、あらかじめ上手に辞退者の数を読んで合格者人数を出したと言えます。

 

同様に、灘中も1点差と比較的上手に合格者を出したと言えるでしょう。昨年は思った以上の辞退者があり、なんと4点差の不合格者の繰り上げがありました。もしかすると今年も2~3点差での繰り上げ合格を期待していた受験生もいたかもしれませんが、今年は僅か1点差まででした。灘中は今年、この1点の繰り上げで9人が不合格から合格に繰り上がりました。いかに合格・不合格のボーダーラインに人が密集しているかがわかります。

 

 

5.まとめ~1点の重み

今回は「繰り上げ合格」について述べてきました。このブログのバックナンバーもぜひ読んでほしいのですが、「1点を大事にすること」、「いかにケアレスミスをなくし1点を拾うということが大事か」がわかると思います。

 

実際、今年も不合格となって大泣きしていた生徒が、1点差で繰り上がり合格をもらうことができ、今度は親子で嬉し泣きをしたという事例がありました。その生徒は「1点って本当に大事なのですね」と実感できたことを嬉しそうに語ってくれました。

 

当セミナーでは常々「1点の重み」を生徒たちに強く言い聞かせていますし、ブログにも何度か書かせていただいています。お時間がある時にぜひ過去のブログも読み返してみて下さいね。

また、1点に泣かないための指導をご希望の方は、受験のプロ講師までお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

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浅田ゆうき先生

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