中学受験はなぜ夏が大事?夏が大事な本当の理由と親がやるべきフォロー

  • 2023.07.14
  • 受験情報

 

 

夏を制するものは受験を制する」とはよく言われますが、それはなぜなのか、その理由を解説すると同時に、親はこの期間何をすべきなのか、わかりやすく解説いたします。

 

 

CONTENTS:

 

1. 中学受験で夏が大事な本当の理由

夏の過ごし方で将来が変わる!?

受験モード全開!

 

2. 休み前までにやるべきことは?夏休みに時間があるは間違い!

夏休みはふだんよりも忙しく時間がない!

事前に具体的な学習計画を!

 

3. 夏休みの計画の立て方~親が注意すべき点

夏休みにやるべきことは1人ひとり違う!

塾に相談する前に!注意したいこと

困ったときは信頼できる第3者に相談を!

 

4. 夏休みに親がするべき受験生への3つの気づかい

夏休みの遊び計画はお預け

きょうだいへの配慮

意外と侮れない塾弁!

 

5. 夏休みに親が注意すべきこと!NG行為と理想の声かけとは

受験生に言ってはいけないNGな声かけ

受験生がかけられたい言葉

夏期講習に行かせているからだいじょうぶは危険!丸投げしていませんか。

Aさん親子の事例

 

6. まとめ~受験最後の夏を有意義に!

 

 

1. 中学受験で夏が大事な本当の理由

 

 

 

 

夏の過ごし方で将来が変わる!?

 

受験生にとって、昔から「夏は受験の天王山」や「夏を制する者は受験を制す」とよく言われ、夏はとても大事な時期とされてきました。とくに中学受験において、夏休みが極めて重要で、その過ごし方によって志望校が変わる将来が変わってしまうかもしれません。大袈裟なようですが、これが現実です。

 

それは、夏休みが明ければすぐに模試があり、その成績如何で第一志望校を含めた中学受験が決まるようなところがあります。学校がない夏休みの間に勉強量を増やしてぐんと力をつけ、希望の受験校を目指せるだけの実力を養います。そのために塾の先生もライバルである仲間たちもこの時期必死でがんばるわけです。

 

受験モード全開!

 

どこの塾でも夏休みに入ると本格的な受験モードに入ります。夏休み前までは、午前・午後と学校に通い、夕方から2~3時間通塾するのが常だったかと思いますが、夏休みになると、「通常授業」にプラスして「夏期講習」が始まります。「夏期合宿」のある塾もあるかもしれません。

 

朝から晩まで1日中お弁当を2つ持って塾に通い、長時間缶詰状態で勉強するような日もあります。塾の先生方も急にハードモードになり、指導にも熱が入ります。塾内のレイアウトも「合格!」だの「目指せ第一志望!」、「受験まであと〇日」などとあおった文言が目立つようになります。

 

どんなにのんびりしている子どもでも、否応なしに受験モードに入るようになり、急激に勉強量が増えます。ここで多くの生徒がこの勢いに押されてぐんぐん成長し、成績も伸びます。逆にこのモードに入れない、乗り遅れてしまうと、たちまち置いて行かれて差がついてしまいます。

そうならないためにはどうするかを次に詳しくお伝えしていきます。

 

 

2. 休み前までにやるべきことは?夏休みに時間があるは間違い!

 

 

 

 

夏休みはふだんよりも忙しく時間がない!

 

夏休みになれば時間があるから、「ふだんできていなかった模試の間違い直し苦手分野の学習などは夏休みになってからやろう」などと考えている受験生が毎年多くいます。また、前述したように、夏休みになれば夏期講習もあり、みっちり勉強させてもらえるから安心、などと思う親御さまも多いでしょう。

 

先に述べたように、夏休みになれば通常の授業にプラスして夏期講習があり、宿題もたくさん出ます。夏休みで学校に行く必要がないとはいえ、学校の宿題にプラスしてさらに塾の宿題が増えるわけです。むしろ受験生はふだんより夏休みのほうが忙しいとさえいえるでしょう。

 

結局夏休みにやろうと思っていたことは何もできず、宿題に追われる毎日で精いっぱいというのが現実です。

 

模試の間違い直しや弱点補強など、必要なことは夏休み前までに済ませておいてください。やるべきことは後回しにせず、今やることです。そのちょっとの努力が後に大きな力となります。

 

 

事前に具体的な学習計画を!

 

夏休みは基本的に塾と宿題で精いっぱいになるとお伝えしましたが、人によっては空いている時間もあるでしょうし、空き時間がまったくないということもないと思います。

その空いた時間に何をするのか、今のうちに計画しておくことがとても大切です。空いた時間をすべて遊びや休憩時間にしてしまってはいけません。

 

何をやるべきかは、受験科目や受験校数の違いもあるので、個人個人で学習メニューも変わってきます。大事なことは、単に「算数」や「理科」ではなく、具体的にどの単元や問題集のどこまでというように、はっきり決めておくのがよいでしょう。

 

具体的でないと、けっきょく夏休みになっても何をしていいかわからず、何もできないまま終わってしまいがちです。忙しくなる夏休み前までにぜひ親子で具体的な計画を立てるようにしてください。

 

例えば、

・水曜日の20時~22時⇒弱点補強の時間

・日曜日の10時~12時⇒模試の間違い直しの時間

 

などといったように、前もって具体的な計画を立てておきましょう。

その際、自分の弱点は何で、その弱点をどのように補強するのかも前もって考えておけるとよりいいですね。

 

 

3. 夏休みの計画の立て方~親が注意すべき点

 

 

 

 

中学受験を熟知している親御さまなら問題ないのですが、たいていの親御さまはこの大事な夏の時期に何をしたらいいのかわからず困惑していると言われる方々です。

ここでは、夏休みの計画の立て方とその注意点についてご紹介します。

 

 

夏休みにやるべきことは1人ひとり違う!

 

まず本人にとって、夏休みに何をするのが一番有益なのか明確にしておきましょう。個人個人で苦手な教科や分野が違い、今までできていなかった単元や、やり残してきた過去の模試などの間違い直しをする量も違います。

 

学習メニューが個々人で違いますので、自分で考え計画を立てる必要があります。必要なら「塾の先生か誰かが言ってくれるだろう」とただボーっと待っていても誰も何も言ってくれません

 

基本的に塾の先生は、「受験生にとって夏休みはとても重要だから、夏期講習を受講して、宿題もしっかりやるように」とはあおってくるのですが、受験に向けて1人ひとりが何をすればいいのかというアドバイスまではしてくれません。

 

集団指導の塾にとって、夏休みになったら「夏期講習をしっかり受講して、いつもよりたくさん勉強しましょう」と全員に同じことを言うほかないのです。

 

先にも述べましたが、夏休み前になると忙殺されることになりますので、その前に自分たち(親子)でしっかり計画を立ておくことをおすすめします。

 

 

塾に相談する前に!注意したいこと

 

夏休み前に計画といってもどうしていいかわからないと、通っている塾に相談する場合はよく気をつけてください。多くの場合、さらに別の講座の受講を勧められたり、その塾系列の個別指導教室を勧められたりします。

 

本人に合わせた個人的な指導を希望しているのに、またカリキュラムの決まった集団授業を別に受講するというのは、新たな負担が増えるだけで考えものです。

 

一方、個別指導は望ましいのですが、注意点はその塾系列の個別指導です。必ずそうだとは言えませんが、系列の個別指導講師は学生アルバイトも多く、その系列塾の講師よりも指導実績も指導力も劣ることが多いと聞いています。

 

生徒の現状をきちんと把握し、志望校についてもどれだけ知っているのか、また今後受験に向けての相談などできるのかというと疑問が残ります。

 

 

困ったときは信頼できる第3者に相談を!

 

やはり自分たちだけでは不安だと思ったら、信頼できるプロの個別指導者に相談してみるのがよいでしょう。志望校に強い講師中学受験実績の豊富な講師から現状を把握してもらいアドバイスを受けるのがいちばん確実だと思います。

 

志望校に合格するには、案外苦手だと思っていた教科を補強するより、別に補強しなければいけない科目や分野を優先して勉強したほうがいいこともあります。こればかりは本人の現時点での実力を見てみないとわかりませんので、今のうちにプロに一度見てもらうといいでしょう。

 

今からしっかり夏休みの計画を立て、何をどうするか明確化しておくことをおすすめします。

 

 

4. 夏休みに親がするべき受験生への3つの気づかい

 

 

 

 

受験生の夏休みは、やはり家族の協力が必須となります。以下3つの気づかいをぜひ意識してあげてください。

 

 

① 夏休みの遊び計画はお預け

 

中学受験をしない小学生であれば、夏休みといえばプールや家族旅行など、遊びの計画で盛り上がったりもするでしょう。中学受験生の耳にもそういった楽しそうな話題が自然と聞こえてくることと思います。

 

しかし、受験生はこの大事な時期に、旅行に行ったり遊びに行ったりする時間はまずありません。どうしても我慢を強いられることになります。不憫に思って少しくらいいいだろうと、例年同様、普通に旅行に行ったり、逆に受験生なのだから1年くらい我慢しなさいと怒ったりするのも違います

 

まずは遊びたい盛りの夏休みに、勉強一色でがんばるお子さまを「すごいことをがんばってやっている」とリスペクトし、全力で応援してあげてください。

そして、家族の旅行などの遊びの計画は今年に限ってはなしにして、受験が終わった春休みに夏休み分も含めて本人の行きたい所に連れていってあげる約束をするなどとするのがいいでしょう。

 

 

② きょうだいへの配慮

 

受験生のために遊び計画はお預けにできても、本人にきょうだいがいる場合、せっかくの夏休みに何の思い出も作らせてあげられないとなると、それはそれでかわいそうにもなります。そこは親御さまのどちらかが日帰りでプールに連れて行ってあげたり、ご実家に帰省したりするなどして、何かしら対処してあげるようにしましょう。

 

間違っても受験生1人だけを残して家族みなで旅行に行ったり遊びに行ったりというのは避けてくださいね。いくら本人が塾に行っていていないからといっても、みなで楽しく出かけて帰ってきたのではやりきれません。ご両親のどちらかは家に残って、塾の送迎や帰りを待って、ちゃんと「おかえりなさい」と笑顔で言ってあげてください。

 

受験生とはいえ、まだ小学生の子どもです。無関心を装っていても、家族が楽しんでいるのを気にしないわけがありません。受験のモチベーションを下げる原因にもなりかねないので注意しましょう。

 

 

③ 意外と侮れない塾弁!

 

塾で食べるお弁当タイムは、唯一ホッとできる時間です。あまりじっくり味わって食べる時間もないかもしれませんが、そこだけは楽しみにしているお子さまも少なくないでしょう。

 

塾弁だからといって、毎回毎回凝ったお弁当を作らなければならないと、親御さまのほうが必要以上に負担に感じることはありません。ときには手を抜いてもいいですし、忙しいときは購入した惣菜を弁当箱に詰めるだけでも十分だと思います。

 

塾弁のコツは、お子さまの好きなものを1品以上は入れてあげることです。健康を考えて、栄養バランスやオーガニックのヘルシーなものが詰まった愛情弁当ももちろんいいのですが、ぜんぶ本人の嫌いなものだったりすると、テンションも下がってしまいます。

 

「明日のお弁当は何がいい?」などと聞いてみたりするのもおすすめです。親の愛情を感じて、塾で食べるお弁当を嬉しく思うようになるかもしれません。案外そのようなちょっとしたことで塾に行くことが好きになったりするものですよ!

 

 

5. 夏休みに親が注意すべきこと!NG行為と理想の声かけとは

 

 

 

 

受験生に言ってはいけないNGな声かけ

 

夏休み中、夏期講習に通っているとはいえ、本人にぜんぜんやる気が感じられなかったり、家ではダラダラしたりしているようにしか見えないなどという場合、親はついイライラして以下のような言葉を言ってしまいがちです。

 

・「受験生なんだからね!」

・「がんばりなさい」「もっとやらないと!」

・「みんなやってる」「みんなもっとがんばっているのに」

・「夏が勝負!」「ここでがんばらないでどうする」

 

親からすれば、応援や励ましのつもりでかけている言葉かもしれませんが、これらはぜんぶNGワードです。

 

受験生は塾などでもう十分に発破をかけられ、ハードな勉強を強いられています。家でまでうるさく追いつめられると行き詰まってしまいますし、「みんな」という他人と比べられることは誰でもイヤなことですよね。

 

 

受験生がかけられたい言葉

 

それでは中学受験生は、この時期どんな言葉をかけられたいのでしょうか。

 

・「お弁当を持って塾で一日お勉強って、高校生のお兄さん、お姉さんみたいね」

・「お仕事をしているパパみたいでカッコいいね!」

・「こんな難しい問題を解けるなんて、大学生みたい!すごいね」

・「こんなにたくさんの宿題をちゃんとやっていてえらいね。カッコいい!」

 

ポイントは、自分のやっていることはかっこいい、大人っぽいと思わせてあげることです。男子であれば「かっこいい」、女子であれば「大人っぽい」と言われると、嬉しくてついもっと頑張ろうという気持ちになるものです。

 

うまく言葉でモチベーションを高めてあげる(乗せてあげる)というのも、受験生に対する親の大事な役目の一つといえるでしょう。

 

 

夏期講習に行かせているからだいじょうぶは危険!丸投げしていませんか。

 

毎年よくあるのが、「塾に行かせているからうちの子はだいじょうぶ」という丸投げしただけの変な安心感です。

以下は、中学受験をしたAさん親子の実例です。

 

Aさん親子の事例

ある女児の生徒Aさんは、夏期講習も通常授業も休まず、毎日塾に通っていました。とくにいやがる様子もなく、家でも時間は短いようでしたが一応宿題もやっている様子でした。母親が「宿題やっているの?」と聞くと、「宿題はぜんぶ終わった」と毎回言うので、それを信じて安心し、そのままにしていました。

 

夏休みが終わり、9月の模試で、国語と理科の成績はよく伸びていましたが、なぜか算数だけはぜんぜん上がらず、むしろやや下がっていました。その時はじめて、実は国語と理科の先生が厳しい先生だったので、宿題をちゃんとやったけれど、算数の先生は比較的やさしい先生だったので、宿題は答えを丸写ししていただけだったとわかりました。

これでは伸びるはずもありません。

 

それが後々まで響き、Aさんは受験当日まで算数はずっと苦手なまま、最後の最後まで足を引っ張る結果となり、第一志望校には合格できませんでした。母親は後からになって、なぜ夏休みにちゃんと宿題をやったか見ることをしなかったのか、子どもの口だけではなくきちんと確認するべきだったと後悔したそうです。

 

 

このようなケースはけっこうあって、「塾にさえ入れていれば」「夏期講習に行っていれば」「机にちゃんと向かっていれば」すべてOKと思い込んでしまうのですが、実はぜんぜんOKではないのです。

 

塾の宿題はきちんとやっているのか、机に向かって本当は何をしているのか、時には確認することがとても大切です。

 

その際は、「何やっているの!」「まだそこまでしかできていないなんて!」「ちゃんとやりなさい」とガミガミ言うのではなく、「がんばっているね」「どこまでやったの?」「宿題見せて」「すごいね!どうやってやるの?教えて」といった感じで確認するといいでしょう。

 

 

6. まとめ~受験最後の夏を有意義に!

 

今回は、受験生とその親が夏休みとその前に何をするべきかをお伝えしました。受験に向けた計画的な勉強やスケジューリングは、夏休みになってからやればいいと思っていると、けっきょく何もできずに終わってしまいます。

 

 

受験生にとって大事な夏休みを迎えるにあたり、ただ休みに入るのではなく、家族の協力を含め、勉強の内容や日々の生活を再度見直してこの夏を有意義なものにしていきましょう。

 

今のうちに学習計画が立てられるか否かで、夏休みが充実したものになるか何となく過ぎてしまうのかの分かれ目となり、後の結果にも大きく影響を及ぼします。

 

「夏を制する者は受験を制す」です!本番直前になって後悔することにならないように、今やれることをやってくださいね。

 

夏休み前の学習計画や休み中の宿題など、この夏に不安に感じたら、ぜひ一度受験のプロにご相談ください。

 

 

 

 

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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