【最新版】東大寺学園中合格への道!2024年入試からみる2025年の傾向と対策

  • 2024.04.18
  • 受験情報

 

 

 

 

2024年の中学入試から、今回は東大寺学園中について振り返ります。今年度の受験データを細かく分析各科目の傾向やポイント、2025年の対策等について徹底解説いたします!

 

 

CONTENTS:

 

1.東大寺学園中2024年入試の特徴

試験時間と配点

■4科受験と3科受験について

 

2.2024年東大寺学園中の入試データ

 

3.地域別、志願者数・合格者数

 

4.東大寺学園中志願者の受験パターン

 

5.大手塾別合格者数

 

6.科目別平均点

難易度の推移について

東大寺学園を受験するなら4科か3科か?

 

7.東大寺学園中、科目別の傾向と2025年の対策

国語◆

算数

理科

社会

 

8.まとめ~東大寺学園中学合格への道~

 

 

1.東大寺学園中2024年入試の特徴

 

■試験時間と配点

 

東大寺学園中入試は、国語・算数・理科の3教科、または国語・算数・理科・社会の4教科受験のどちらかを選ぶことができます。試験時間は国語と算数が60分、理科と社会は50 分です(※2023年までは算数のみが60分でしたが、2024年より変更となりました)。

 

近畿圏の最難関男子校の中で唯一全教科均等配点を行っていて、配点は4教科各100 点400 点満点となっています。4教科受験では、4教科の合計点または国算理の3教科の合計の4/3倍のうち、高いほうを総合点としています。他校によくある国算社という3科評価はありません。

 

3教科受験は、得点300点満点4/3 して400 に換算します。

 

 

■4科受験と3科受験について

 

前述のような配点法のため、東大寺を第一志望にしている受験生のほとんどが4教科で受験します。社会科があまり得意ではない生徒や、灘や甲陽学院のように社会科が試験科目にない学校を第一志望校にする場合は3教科で受験する受験生もいます。

 

東大寺学園は統一受験日から3日目が受験日なので、毎年初日、2日目に甲陽学院を受験した生徒の併願校となっているケースが多く、今年もこの併願パターンが多かったようです。

 

灘と甲陽学院は3科入試ですので、毎年のことですが、3科受験と4科受験の生徒の成績を比べると、特に算数においては3教科受験の生徒の方が受験者平均点も合格者平均点もかなり高くなります。今年も受験者平均点で11.7点、合格者平均点で9.6点も3科受験のほうが4科受験より高くなりました。

 

このことからも灘や甲陽学院といった最難関を目指す受験生の算数のレベルが相当高いことがわかります。3教科で東大寺学園を受験するなら、算数のレベルを十分に上げておかないと厳しいでしょう。

 

 

2.2024年東大寺学園中の入試データ

※( )内は昨年比 <人>

【募集人員】

200

出願者数

受験者数

合格者数

3科受験

383(+10)

367(+18)

187(-15)

4科受験

587(-7)

556(+2)

221(+14)

合  計

970(+3)

923(+20)

408(-1)

 

 

2024年の東大寺学園中入試は、昨年に引き続き志願者数、受験者数ともに増加し、過去5年間で最も多くなりました。合格者数は昨年より1名減少していますので、昨年と比べるとやや狭き門となりました。

 

 

3.地域別、志願者数・合格者数

 

2024年東大寺学園中入試で府県別合格者数が多い順に並べたものが下の表です。

 

※( )内は昨年比 <人>

【募集人員】

200

出願者数

受験者数

合格者数

大阪府

442-29

412-27

197+2

兵庫県

131+23

124+26

66+8

京都府

136+12

131+15

53(±0)

奈良県

126-9

124-5

38-6

愛知県

47-3

46-3

24(±0)

滋賀県

13-4

13-2

6-1

三重県

9-4

8-4

2(±0)

和歌山県

7+5

7+5

1+1

上記以外

59+12

58+15

21-5

合  計

970+3

923+20

408-1

 

 

昨年60名も増加した大阪府ですが、今年の受験者数はやや減少しました。それでも高い水準で推移しています。また、昨年大きく減少した京都府はやや持ち直しました。

 

兵庫県の受験者数は昨年に続き増加しましたが、兵庫県の受験者は灘や甲陽学院を第一志望にしている併願者も多いため、合格しても辞退者が多いのも例年通りです。

 

 

4.東大寺学園中志願者の受験パターン

前受(お試し受験)

1日目(1/13)

2日目(1/14)

3日目(1/15)

・愛光(愛媛)

・海陽学園(愛知)

・岡山白陵(岡山)

・北嶺(北海道)

・函館ラ・サール学園(北海道)

 

・灘(兵庫)

・甲陽学院(兵庫)

・大阪星光(大阪)

・洛星(京都)

・灘(兵庫)

・甲陽学院(兵庫)

・清風南海(大阪)

・西大和学園(奈良)

・高槻B(大阪)

・東大寺学園(奈良)

 

4日目以降(1/17~)】

・清風南海B(大阪)

・六甲学院B(兵庫)

・洛星後期(京都)

 

東大寺学園中は毎年統一受験日から3日目(今年は1/15)が受験日となります。

統一受験日前の前受け受験として、愛光、海陽、岡山白陵、北嶺、函館ラ・サール等を受験した生徒が多いようです。

 

統一入試日以降は1日目と2日目の2日間受験として甲陽学院を受験するか、1日目に大阪星光学院洛星高槻等を受験し、2日目に清風南海西大和学園高槻B等を受験して本番の3日目に臨むパターンが多く見られました。

 

前半で合格していない受験生は、4日目以降に清風南海B六甲学院B洛星後期を受験したと思われます。

 

 

5.大手塾別合格者数

 

関西大手進学塾東大寺学園中学合格者数は多い順に下記の通りでした。

※( )内は昨年比 <人>

浜学園

馬渕教室

希学園

日能研

能開センター

158+8

87-25

65-21

57+19

56+23

進学館

SAPIX

成基学園

京進

第一ゼミナール

11(±0)

11-10

5-3

4(±0)

3-1

 

 

今年も昨年に引き続き、東大寺学園の合格者は浜学園が圧倒的に多く、他塾を引き離しました。昨年度合格者数2位だった馬渕教室と3位だった希学園が大きく減少し、4位だった日能研と5位だった能開センターが大きく実績を伸ばしたので、2位から5位までが僅差となっています。

 

昨年、一昨年と100名以上の合格者を出していた馬渕教室が今年は浜学園にどこまで迫れるか注目されていましたが、上記のように大きく離されることになりました。

 

一方、昨年大きく減少した能開センターが今年は大きく増加し、浜学園をとらえるのは難しくても、来年度はどこまで数字を上げることができるのか興味深いところです。来年度は2位から5位までの塾がどのような位置づけになるのか注目です。

 

 

6.科目別平均点

 

東大寺学園中合格者の各教科の平均点と受験者平均点との差を表したものが下記の表です。

                      ※( )内は昨年比 <点>

 

受験者平均

合格者平均

合格者平均との差

国語(3科)

54.2-5.7

60.0-3.9

5.8

国語(4科)

52.3-5.8

59.2-4.8

6.9

算数(3科)

56.0-3.1

66.4-4.6

10.4

算数(4科)

44.3+1.0

56.8-0.6

12.5

理科(3科)

63.4+3.2

70.0+3.4

6.6

理科(4科)

58.9+2.3

66.8+2.6

7.9

社   会

64.4-1.4

70.6-1.3

6.2

※全教科 各100点

 

■難易度の推移について

 

東大寺学園の一昨年2022年の試験がたいへん難易度が高い入試だったので、昨年はやや易化しましたが、それでも例年に比べると難度の高い試験でした。

 

今年度入試は、再び難化し、例年と比べても難度の高い試験となりました。今年は特に国語の難度の高さが顕著で、過去20年間で2番目に平均点の低い難度の高さでした。

 

 

 

■東大寺学園を受験するなら4科か3科か?

 

特徴的なのは前述した通り、3科受験者は主に灘や甲陽学院といった3科受験の最難関校を第一志望に考えている受験生の併願校として受験する場合が多いので、3科受験者と4科受験者の算数の点数に差があることです。

 

東大寺学園は全教科均等配点で、4科受験でも3科と比較して点数が高いほうを評価点にしてくれます。上記の点数を見ても、東大寺学園中を第一志望に考えるのであれば、社会は例年安定して平均点が高いので、4科で受験したほうがややハードルは下がると言えるでしょう。

 

 

7.東大寺学園中、科目別の傾向と2025年の対策

 

2024年の東大寺学園中入試を参考に、教科ごとの傾向と対策をご紹介します!

 

 

◆国語◆

 

 

 

 

【試験時間・配点と難易度】

 

東大寺学園の国語入試は、これまで50分100点満点の試験でしたが、今年度2024年からは60分100点満点に変更になりました。昨年、一昨年と難度の高い試験が続いていましたが、今年はさらに難度が高く前述の通り過去20年で2番目に平均点の低い試験でした。

 

 

【構成】

 

例年大問1が漢字・語句の問題、大問2と大問3が長文読解物語文論説文が出題される3題構成でしたが、今年から試験時間が10分延びたことに伴い、やや短めの随筆文が追加され4題構成となりました。

 

 

【大問1】

 

東大寺学園の漢字は、文字自体はさほど難しくないのですが、小学生が使わないような難しい語句が出題されます。

 

今年の漢字の書き取りでは、「インシュウ(因習)にとらわれる」「ゲンカ(言下)に否定する」「科学の発展に(資)する」などが出題され、四字熟語では「金科玉条」「面従復背」を答えさせる穴埋め問題が出題されています。

 

中学の国語入試というと、漢字や語句問題で8~9割以上正答してしっかりと点数を稼ぎ、長文問題等に臨むというのが定説ですが、東大寺学園の国語入試は漢字・語句で6~7割取れれば十分に勝負になります。

 

 

【大問2~4】

 

今年は長文読解が3題となり、大問2がやや短い随筆分、大問3が論説文、大問4が物語文でした。東大寺学園の記述は字数制限のあるものがほとんどで、今年も50字以内、60字以内、80字以内が2題の合計4題の記述解答が出題されました。問題数は増えましたが、記述量は例年並みでした。

 

60分に試験時間が伸びたとはいえ、多くの記述と難度の高い漢字に立ち向かわなければなりません。要領よく問題をこなしていかないと、時間が足りなくなるでしょう。そのためにもしっかりとした対策をしておくことが必須となります。

 

 

◆算数

 

 

 

 

【試験時間・配点と難易度】

 

東大寺学園中の算数入試は、60分100点満点の試験です。一昨年の2022年の入試がここ数年で一番難しい試験で、昨年は例年並みに易化し、今年は一昨年ほどではないもののまた難化し、例年と比べても難度の高い試験となりました。

 

 

【構成】

 

昨年も一昨年も問題用紙がB4用紙4枚で、算数にしては枚数が多いのが東大寺入試の特徴でしたが、今年はB4用紙2枚と半分になりました。

 

しかし、問題数は大問4題から大問5題に増え、小問数も少し増加しました。今年の特徴は大問1の小問集合の中に、普通の計算問題が2題出題されたことです。これまでも最初に計算問題が1題出題されることはありましたが、2題も出題されるのは2012年度入試以来です。

 

昨年はなかった計算問題が今年は2題も出題されたり、大問が4題から5題に増えたりと、年度により構成はさまざまですが、小問数は毎年概ね15問前後です。

 

 

【出題単元】

 

単元にはやや偏りがあり、頻出単元は数論・場合の数速さ平面図形立体図形問題で、今年も出題がありました。頻出単元とはいえ、昨年は速さの単元からの出題はありませんでした。頻出単元はもちろん、幅広く学習しておきましょう。

 

 

【対策】

 

例年大問1の小問集合以外は、ほとんどが解き方を書く記述解答方式です。入試は1点、2点で合否を争うので、部分点が取れる解答を作成できるようになることがとても重要です。第三者が見てわかるように思考過程を書き残す練習をするなど、しっかりと対策しておきましょう。

 

 

◆理科

 

 

 

 

 

【試験時間・配点と構成】

 

東大寺学園中の理科入試は、50分100点満点の試験です。問題用紙はB4用紙7枚とB4の解答用紙が別に1枚あり、計8枚となっています。

 

大問6題構成と7問構成の年度があり、今年は昨年に続き7題構成でした。例年、化学と物理の分野から各2題と、生物と地学の分野から各1題の6題構成が多いのですが、今年のように7題構成の年は地学分野も2題出題されます。

 

出題順序は生物、地学、化学、物理の順で、今年も大問1が生物、大問2と3が地学、大問4と5が化学、大問6と7が物理と例年通りでした。

 

 

【難易度】

 

2年連続で易化しましたが、一昨年がたいへん難しい試験でしたので、今年はほぼ例年並みの難易度でした。今年度は小問数が昨年に比べ5問ほど増加したものの、生物と地学の分野では基本的な知識問題も多かったため、物理と化学の分野のやや難解な計算問題に時間を費やすことができたかと思われます。

 

例年化学と物理の分野の難易度が高く、時間を要する傾向にあります。基本的な問題も出題されますから、そこは時間をかけずに解き進めることが大切です。

 

 

【対策】

 

2025年理科入試の対策としては、まず基本をしっかり押さえ、基本的な知識問題で時間をかけずに解き進めるようになること、そして難問が多い後半の化学・物理の分野に時間を残しておけるように過去問などでトレーニングしておきましょう。

 

難問かそうでないかの見極めができなければ、問題の取捨選択ができず、無駄に時間を費やすことになります。小問50問ほどの問題数を50分以内に解き切る必要があり、十分な訓練が必要です。

 

入試問題は図や表が多いとはいえ、問題用紙B4用紙7枚と、多くの文字数を読まされることになります。問題文中にヒントが隠されていることも多いので、慌てず丁寧に読み進めることが大切です。読解力も求められるので、長文問題をたくさん解いて慣れておくとよいでしょう。

 

 

 

◆社会

 

 

 

 

 

【試験時間・配点と構成】

 

東大寺学園中の社会入試は50分100点満点の試験で、問題用紙はB4用紙9枚と解答用紙が別に1枚計10枚あり、かなりのボリューム感があります。

 

地理・歴史・公民の各分野から出題があり、地理・歴史・公民の融合問題も毎年出題されています。

 

 

【難易度】

 

2024年の社会科入試は、昨年と比べやや難度の高い試験でした。例年と比較しても受験者平均点は低めでしたが、難度は比較的安定していて、年度毎の変化はさほど大きくありません。例年、受験者平均点が65~70点ほどで、合格者平均点が70~75点程度です。

 

今年の受験者平均点は64.4点でしたので、やや高い難度と言えます。国語、算数、理科の3科に比べると、社会は点数を取りやすい教科なので、4科受験の受験生は社会科でしっかりと点数を稼ぐ必要があります。

 

 

【対策】

 

解答方法は記号選択がほとんどですが、「正誤の正しい組み合わせはどれか」という問いも多く、そのような問題は選択肢の文を最後まで読まないと答えられません。選択問題がほとんどとはいえ、B4用紙9枚分の問題をすべて読み切るのは、慣れていないとかなりきつく感じるかもしれません。集中力を最後まで切らさないよう訓練が必要です。

 

50分で50問の小問を解き切るのですから、社会の知識だけでなく読解力、集中力、忍耐力がなければ、試験の後半で疲れが出てしまい、問題文を読んでも内容把握ができなくなる可能性があります。過去問や問題集などでしっかり対策をしておきましょう。

 

公民や融合問題には、時事問題を絡めた問題も頻出しています。一昨年には「成人年齢」、昨年は「コロナウイルス」、今年も「ボランティア活動」などが出題されていました。日ごろから社会の出来事に関心を持ち、ニュースや新聞などにも目を通しておきましょう。時事に関しては、親子で日常的に会話ができると受験対策にもなり、より効果的です。

 

 

8.まとめ~東大寺学園中合格への道~

 

 

 

 

自主性を重んじる自由な校風の東大寺学園は、毎年多くの東大・京大進学者を輩出している中高一貫の男子校です。関西地区の最難関中学として知られ、毎年多くの生徒が受験する人気校です。昨今の少子化の流れに逆行するかのように、今年も受験者が増加しました。

 

総合進学セミナーには東大寺学園に特化して指導できる講師も多く在籍しています。毎年のように東大寺学園中志望の受験生を指導しているため、入試傾向にも精通しています。お子さま1人ひとりの現状を踏まえ、入試までの限られた時間を無駄のない効率的な指導で合格を目指します

 

東大寺学園中受験はもちろん、併願校の選定など、中学受験に関するお悩みがあったら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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