受験生の食事〜ストレスと緊張に立ち向かう食事術〜

  • 2022.10.31
  • 受験レシピ

長い受験勉強にはストレスも多く、そして試験本番には緊張がつきものです。

これらは、多少のものであれば良い刺激となるかもしれませんが、ストレスや緊張の感じ方は人それぞれで、人によっては敏感に感じやすく体に不調がでる場合もあります。

「緊張するとお腹が……」「試験が近づくと強い不安を感じる……」など感じ方や反応は様々ですが、それらに対応する身体と心は食べた物でできているため、食事によってそれらをフォロー、強化することができます。

そこで今回は、本番でしっかり力を発揮させるために、この「ストレス」と「緊張」に立ち向かえるベストなコンディション作りについてご紹介します。




◎ストレス時に必要な栄養素

ストレスの多い受験生にとって必須の栄養素はビタミンとミネラルです。
この中でも、ストレスに対抗するために特に必要なのがビタミンC、ビタミンB群、カルシウム・マグネシウムなどです。

◆ビタミンC……

ストレスがかかると脳からコルチゾール(副腎皮質ホルモン)が分泌されストレスに対抗します。このホルモンが作られる際にビタミンCが必要となるため、ストレス時に消費量が増加します。体内のビタミンCが不足すると、免疫低下や神経失調などを引き起こします。

◆ビタミンB群……

ビタミンB群(パントテン酸)も、副腎皮質ホルモンの合成に必要となりストレス時にはその必要量が増します。また、B群が不足すると精神不安や神経過敏、不眠、落ち込みなどの症状が引き起こされやすくなります。

◆カルシウム・マグネシウム……

カルシウムにはイライラを鎮めて神経を安定させる働きがあり、マグネシウムは幸せホルモンであるセロトニンの分泌を促し精神を鎮静させてくれます。ストレスがかかるとカルシウムとマグネシウムは、尿中からの排泄量が増します。

外食やコンビニ、ファストフードが多い食生活ではビタミンとミネラルが最も不足しやすく、その結果ストレスを感じやすくなります。


◎アミノ酸でストレス対策

情緒や心は神経伝達物質によって作られており、その材料となるのがタンパク質です。
タンパク質はアミノ酸によって構成されており、約20種類あるアミノ酸はそれぞれ様々な働きと効果を持っています。
その中で、ストレス時に働く重要なものをご紹介します。 

◇グルタミン……肉、魚、チーズ、卵、大豆、小麦に多いアミノ酸の一種であるグルタミンは精神的あるいは運動的ストレスによって消耗されやすいアミノ酸で、不足すると風邪をひきやすいなどの免疫機能の低下などに繋がります。また、グルタミンには胃や腸の粘膜を保護する作用もあります。

◇トリプトファン……乳製品や大豆製品に豊富なトリプトファンは、ストレスに対して気持ちを落ち着かせ、イライラを抑える際に有効な神経伝達物質であるセロトニンを作り出すアミノ酸です。

◇フェニルアラニン……卵、乳製品、豆類、種実類に多いフェニルアラニンはやる気や精神の高揚をもたらし、ストレスに立ち向かう際に有効なドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質を作る主材料となります。

◇リジン(アルギニン)……牛乳、大豆、卵黄、しらす、マグロなどに多く含まれるリジンが不足すると、ストレスに弱い状態になり不安や腸障害などを引き起こしやすくなる可能性があります。
*サプリメントなどでリジンを摂取すると血中のアルギニン濃度が低下するため、合わせてアルギニンも同時に摂取することが望ましいです。

このようにアミノ酸は様々な食品に含まれていますが、主に肉や魚、乳製品、卵といった動物性タンパク質に多くの種類のアミノ酸がバランス良く含まれているため、毎食しっかり動物性タンパク質を摂ることが重要です。


◎腸を整え、強くする

胃や腸はストレスや緊張に弱い臓器であり、特に「第二の脳」とも言われる腸は最もそれらの影響を受けやすい臓器です。
不安や緊張などのストレスにより自律神経が乱れることで、腸の運動(蠕動運動)に異常が生じ(下痢、便秘、腹痛など)、その情報が脳にフィードバックされることで不安感がさらに大きくなり悪循環に陥ってしまうことがあります。

これらは性格や体質によっても大きく影響を受けますが、不規則な生活や乱れた腸内環境によっても症状が起こりやすくなります。
そのため、規則正しい生活と、食習慣、腸内環境、胃腸の粘膜を強くすることなどが重要になってきます。

食習慣
食習慣においてポイントとなるのが、朝食です。しっかりと朝食を摂ることで代謝や免疫力が上がり、朝の活動・学習能力が向上し、望ましい体内リズムが形成されやすくなります。
また、朝食後の反射による便通の習慣もつきやすくなり、排便リズムが整う事で腸内環境にも良い影響をもたらします。

腸内環境を整える
普段の腸の状態が悪ければ、ストレスや緊張によって生じる異常の度合いや頻度も増すため、腸内環境を整えることが重要です。
善玉菌のエサとなる食物繊維、野菜や果物に含まれるオリゴ糖の摂取や、腸内環境にとって有用な菌を含む機能性食品や発酵食品の摂取が重要です。

粘膜の強化
胃も腸も粘膜で覆われており、ストレスを感じると粘膜のバリア機能が低下し、胃酸(消化酵素)の刺激によって胃痛などを引き起こしやすくなります。
この粘膜の機能を上げるためには、常に強く新しい粘膜に作り変えていく必要があります。
そのためには、粘膜上皮細胞の材料となるタンパク質(肉、魚、卵、大豆 など)や、細胞の新陳代謝を促すビタミンA(緑黄色野菜、レバー など)や亜鉛(牡蠣、牛肉、ナッツ類 など)といった栄養素の摂取が重要となってきます。


受験勉強につきもののストレスと緊張ですが、まずは自分の体質や体調の傾向を知った上で、これらとうまく付き合っていくことが重要です。

今回ご紹介した栄養素や食事術は学習効率の向上、免疫力の強化、ひいては健康の維持増進へと繋がりますので、受験生だけでなく日々忙しくされているご家族の方にも是非取り入れて頂きたいと思います。

 


<レシピ>

~牛肉と千切り野菜の中華ダレ和え~



【材料】(2人分)

・牛肉……150g
・蓮根……4〜5cm(60~80g)
・人参……1/4本(50g)
・白ネギ……1/2本
▼▼▼ A ▼▼▼
・オイスターソース……小さじ1
・しょうゆ……大さじ1
・酢……大さじ1
・砂糖……小さじ2強
・ごま油……小さじ2強
・おろしにんにく……小さじ1/4
・おろししょうが……小さじ1/4
▲▲▲ A ▲▲▲
・すりごま……適量


【作り方】

  • ① 蓮根は皮をむき縦に薄く切ってから、千切りにする。
    人参も皮をむき千切りにし、白ネギは縦半分に切って細めの斜め切りにする。
  • ② ①の野菜を耐熱ボウルに入れてラップをして、電子レンジ600Wで3分加熱する。
  • ③ 牛肉は細切りにし片栗粉(分量外)をまぶして、180℃の油で火が通るまでさっと揚げる。
  • ④ ②のボウルにAの調味料と牛肉を入れてよく混ぜ合わせ、器に盛りすりごまを散らしたらできあがり。
    *お好みできゅうりを添えても彩りよく美味しく食べられます。
 



アミノ酸(タンパク質)豊富な牛肉にビタミンA豊富な人参やビタミンCが多いネギ、蓮根などを合わせ食欲そそる一品にしました。
特に、これから旬を迎える蓮根は、腸内環境を整える食物繊維やストレス時に欠かせないビタミンCが豊富です。

蓮根のビタミンCはデンプン質に守られているため加熱しても壊れにくい特徴があり、加熱料理でも摂取が期待できます。
また、人参に豊富なビタミンAは油と一緒に摂ることで、体内吸収率が上がるため炒め物などの調理法がおすすめです。

 

〜牡蠣ニラチヂミ〜



【材料】(2人分)

・牡蠣……6〜10個(120~150g)
▼▼▼ A ▼▼▼
・酒……大さじ1/2
・ごま油……小さじ2
・塩……小さじ1/6
▲▲▲ A ▲▲▲
・ニラ……3本(20g)
・小ねぎ……4本(20g)
・小麦粉……大さじ1
・卵……大さじ2(1/2個)
・塩……小さじ1/4

(つけだれ)
▼▼▼ B ▼▼▼
・しょうゆ……大さじ1と1/2
・はちみつ……大さじ1/2
・ごま油……大さじ1/2
・酢……大さじ1/2
・ニンニクすりおろし……小さじ1/4
・すりごま……少々
・コチュジャン……適量
▲▲▲ B ▲▲▲


【作り方】

  • ① ボウルに塩水を作りその中で牡蠣を振り洗いして水気をきったら、ボウルにAと牡蠣を入れて軽く混ぜ合わせ冷蔵庫で10分置く。
  • ② ニラと小ねぎは1cm幅に切りボウルに入れる。
    そこに、小麦粉を加えて混ぜたら、溶き卵と塩を入れてさらによく混ぜ合わせる。
  • ③ 牡蠣を冷蔵庫から取り出し、水気をきりキッチンペーパーなどでさらにしっかり拭き取ったら、全体に小麦粉(分量外)をまんべんなくまぶす。
  • ④ 牡蠣を②のボウルに入れて軽く混ぜる。
  • ⑤ フライパンに多めのごま油(分量外)を引いて熱したら、スプーンで④の牡蠣とニラなどをすくって並べて、中火〜弱火で片面ずつ火が通るまでしっかり焼く。
  • Bの調味料を混ぜ合わせてつけだれを作る。
  • ⑦ 器に⑤の牡蠣ニラチヂミを並べて、つけだれを添えたら出来上がり。




冬場に旬を迎える牡蠣は、良質なアミノ酸を含むタンパク質、ビタミンB群、亜鉛などの現代人に不足しやすい栄養素がたっぷり詰まった食材です。
これにビタミンCやビタミンA(βカロテン)が豊富なニラやねぎを合わせて、心も体も元気になるチヂミにしました。
これから寒くなる季節、是非食事からも免疫力を高め受験本番に向けて頑張りましょう。

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管理栄養士
浅田ゆうき先生

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