受験生の食事〜受験生の良い睡眠は、良い夜食から〜

  • 2023.01.27
  • 受験レシピ

いよいよ受験本番を迎えるこの時期、毎晩夜遅くまで勉強を頑張っている受験生も多くいると思います。

受験生にとって、土台となる身体と心を作る上で「食事」と同様に大切になってくるのが「睡眠」です。
この睡眠の質が勉強の質にも大きく影響してくるのですが、では良い睡眠を作るためには何が必要なのでしょうか。

日中の活動はもちろん、ここにも食事の摂り方が大きく関係してきます。
今回は、受験生の睡眠の質を上げるための食事のポイントをご紹介します。





◎睡眠の質を上げる栄養素

皆さんこのような経験はないでしょうか、なかなか眠れない、眠りが浅い(夜中に目がさめる)、悪夢を見る、朝起きてスッキリしない、疲れがとれない……。
これらは、睡眠の質が良いとは言えませんし、このような睡眠が続くと日中の活動や勉強にも悪影響をもたらします。

睡眠の質に大きく関係してくるのが「メラトニン」と呼ばれる、睡眠ホルモンです。メラトニンがたくさん分泌されると睡眠の質も上がり、寝つきが良くなる、夢も見ずに朝までぐっすり、スッキリ目覚められる……といった良い状態を作り出しやすくなります。

このメラトニンを作る主材料となるのがタンパク質です。毎食必ず、お肉やお魚、卵といった食材を十分食べられていますか?
普段の食生活でタンパク質をしっかり摂取することが、良い睡眠にも繋がるのです。


★1日のタンパク質の目安=50〜60g/日(12歳以上の場合)
                       *「日本人の食事摂取基準」参照

★食材に含まれるタンパク質量の目安

肉100g=タンパク質20g      刺身150g=タンパク質20g

焼き魚1匹=タンパク質15~20g   卵1個=タンパク質6g

納豆1パック(普通サイズ)=6~7g


 

◎睡眠の鍵を握る夕食

タンパク質の他に睡眠の質を大きく左右するのが夕食の内容と時間です。
夕食は就寝の3時間前に済ませておくのが理想的とされますが、塾があり夕食のタイミングも思うようにとれない場合は、塾の前後で食事を分けるのも良いと思います。

塾の前には、お肉も野菜もご飯もバランス良く比較的しっかりとした食事を摂り、塾の後には軽めの夜食で済ませるのもオススメです。
(食後の塾で眠気が強いようであれば、糖質過多かもしれませんので、ご飯は抑えておかずを増やすなどの工夫も必要です。)

そして睡眠リズム(体内リズム)を整えるためには、朝食をしっかり食べることも欠かせません。
お腹いっぱいで寝ると就寝中に食べた物を消化するために内臓が休みなく働き、疲弊した状態で朝を迎えるわけですから当然食欲も湧きません。
朝食を食べるためにも、適量の夕食を良いタイミングで摂ることが重要です。


 

◎寝る前の夜食が良い睡眠をもたらす?!

夜遅くまで、勉強をしていると小腹が減ることや、気分転換に夜食を食べたくなることもあると思います。
夜遅くに夜食を食べることは悪いことなのでは?と思われるかもしれませんが、寝る前に少量の夜食を食べ血糖値が安定すると、熟睡(良い睡眠)しやすくなります。

反対に、空腹のまま寝るのは睡眠の質を下げてしまいます。
ここでポイントとなるのが、「血糖値が急激に上がらないタンパク質中心」、「消化に負担がかからない」、「少量」の夜食を摂ることです。

これらを寝る前に食べることで、就寝中に睡眠を促進するメラトニンと精神を鎮めるセロトニンといったホルモンの分泌を促進し、良い睡眠へと繋がりやすくなります。

特に、長時間の勉強というストレスにさらされている受験生は、夜食によって不足しがちな栄養素を補うのも大きなメリットとなります。



<レシピ>
 

〜えびと蓮根団子のネギ玉あんかけ〜




【材料】(4人分)

・蓮根……200g
・むきえび……60g
・枝豆(茹でたもの)……15粒
・塩……小さじ1/3
・ネギ……1/2本
・卵……1個
・出汁……300ml
▼▼▼ A ▼▼▼
・酒……大さじ1
・みりん……大さじ2
・しょうゆ……大さじ2
▲▲▲ A ▲▲▲
・水とき片栗粉……小さじ2


【作り方】

  • ① 蓮根は皮をむき、すりおろす。むきえびは粗めに刻む。枝豆はさやから出す。
    ネギは縦半分に切り、さらに斜めに薄く切る。
  • ② ボウルに蓮根、むきえび、枝豆、塩を加えて軽く混ぜ合わせる。それを8等分にして丸める。
    (この時蓮根の汁気は絞らずにそのまま丸める。)
  • ③ 耐熱皿にクッキングシートをしき、②を並べてラップをふんわりかけたら、電子レンジ600Wで5分加熱する。
    (加熱後ラップをしたまま粗熱をとる。)
  • ④ 小鍋に出汁とネギを入れ一煮立ちさせたらAを加えさらに沸騰させた後、水とき片栗粉でとろみをつける。
    そこに卵を溶きほぐして、全体を混ぜながら卵を加えていく。
  • ⑤ 器に③の団子を入れ(団子は形が崩れないようにゴムベラなどで底からすくい上げ器に移す。)、上から④のあんをかけたら出来上がり。
 



えびや枝豆、卵といったさまざまなタンパク質を組み合わせ、簡単にできるモチモチの蓮根団子にしました。
冬場に旬を迎える蓮根は、熱に強いビタミンCや食物繊維が豊富なほか、デンプンも含んでおり加熱するとモチモチの食感になります。

そのため、汁気をできるだけ絞らない状態で加熱することがポイントになります。
また、油を使っていないため消化にも負担がかからず夜遅くの食事にもおすすめです。

 

〜冬の夜食に!しょうがとチキンの食べる卵スープ〜




【材料】(4人分)

・鶏ひき肉……100g
・玉ねぎ……1/2個
・えのき……1/4株
・ごま油……大さじ1/2
・絹ごし豆腐……100g
・しょうが(すりおろし)……7g
・卵白……1個
・水……300ml
・チキンコンソメ(キューブ)……1個
▼▼▼ A ▼▼▼
・しょうゆ……小さじ1/2
・塩……小さじ1/2
▲▲▲ A ▲▲▲
・バター……5g
・水とき片栗粉……大さじ1


【作り方】

  • ① 玉ねぎはみじん切りにする。えのきは石づきを除いて、細かく切る。
  • ② 鍋にごま油を熱し、弱火〜中火で玉ねぎが透明になるまで炒める。
  • ③ ひき肉とえのき、しょうがを加えてさらに炒め、玉ねぎが少し茶色っぽく変色してくるまで焦がさないように混ぜ炒める。
  • ④ そこに、水とチキンコンソメを加え一煮立ちさせたらアクを取り除き、スプーンで一口大にすくった絹ごし豆腐を加えてさらに煮込む。
  • Aを加えて味を整え、水とき片栗粉でとろみをつける。
  • ⑥ バターと溶きほぐした卵白を回し入れ、卵白がふんわり固まってきたら火を止める。
  • ⑦ 器に盛り、お好みでネギやこしょうをかけたら出来上がり。
 



寒い冬に、体の内側から温め免疫力を高めてくれる働きのあるしょうがと、消化の良いタンパク質である卵白や鶏ひき肉、豆腐を使い冬の夜食にぴったりなスープにしました。

とろみをつけ、バターでコクを出し少量のスープでも満足感のある一品ですので、ぜひ一度作ってみて下さい。

管理栄養士
浅田ゆうき先生

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