受験生の食事、何を・どう食べたら良いの?①  〜食物選びのポイント〜

  • 2023.04.19
  • 受験レシピ

新年度が始まり、受験生は気持ちも新たに目標に向かい頑張り始めているのではないでしょうか。
同様に、受験生を側で支え、応援されるご家族の方々も、同じ目標に向かい共に走り出されている事と思います。

ご家族のサポートの中でも特に大きな役割を担うのが毎日の食事です。
食べた物が、日々の受験生の力となり積み重なってくるからこそ、何を・どのように食べたら良いのか悩まれる方も多いと思います。


そこで今回は、まず何を意識して食べたら良いのかを分かりやすく、簡単なポイントにまとめてご紹介します。
受験生だけでなく多くの方にも役立つ内容ですのでぜひ参考にして下さい。





 

◎食生活に潜む添加物

普段から食事には気を付けているという方の多くは、特に添加物や加工品を控える意識をしているのではないでしょうか。
そもそも、添加物とは食品の保存性や生産性、味や見た目なども良くするもので、天然の食物を材料とするものがある一方で、人工的に作られたものもあります。

微量であれば問題ないとされていますが、添加物の摂取が積み重なってくることで味覚や腸内環境、消化能力などに悪影響を及ぼします。
外食や中食(コンビニ・スーパー・テイクアウト)の他にも、自身で普段購入している物の中にも溢れています。
食品を購入する際には商品裏の原材料をチェックし、知らない食品名や保存料・香料・甘味料などが入っていないか注意して見ることが重要です。

(完全に添加物が入っていないものを探すのが難しい場合、記載されている添加物の数が少ないものや原材料の産地がはっきりしているもの、また遺伝子組み換えの食材を使っていないものなどを基準に購入すると良いと思います。)



◎調味料・油は毎日摂取するものだからこそ気をつけたい!

良い食物を摂りたいと思っていても、全てを変えるのはお金や労力、時間の面でも非常に難しいと思います。
(無農薬や無添加の食物は割高ですし、物によっては販売されているお店も限られてきますし、さらには保存料なども入っていないため日持ちもしません。)

そこで、普段の食事を変える際に最初に意識してほしいのが、毎日使う頻度の高い油や調味料といったものです。
これらはほぼ毎日摂取する食物ですので、少量であってもそれらが毎日・毎食積み重なることで、心身への影響も大きくなってきます。

(調味料)

◆原材料ができるだけシンプルなものを選ぶ
*知らない食品名や保存料・添加物が入っているものは極力避ける
*精製されていない、自然の形の原材料(例:黒砂糖、きび糖 など)

◆製造方法も自然に近い(昔ながら)の天然醸造のものを選ぶ
=含まれる微生物・菌の数や種類が圧倒的に違う!
(味噌などの発酵調味料が、機能性食品としての働きを持つのは天然醸造のもの)

◆良い原材料を使っているものを選ぶ
*オーガニック、遺伝子組み換えしていない、国産、こだわりのある食材など

(油)

◆オリーブオイル
コールドプレスのエクストラバージンオイルがおすすめ。
オリーブオイルは抗酸化作用が強く、健康の面でも注目されるオイルですが、熱で変質しやすいため、できるだけサラダなどにかけてそのまま食べるのがおすすめ。

◆植物油
外食・中食でも多用されているため、自然と摂取過多になっている油。料理で使用する際には、加熱しても酸化しにくい米油や、多少の加熱に強い胡麻油などがおすすめ。
その他の油も、原材料をチェックし「遺伝子組み換えでない」原料のものを選ぶ。

◆バター
一般のものでも良いが、もしお店などに置いてあればグラスフェッドバター(牧草牛の乳から作られたもの)がおすすめ。

◆注意したい酸化油脂
調理してから時間の経った揚げ物や、何度も使われた古い油で作られたものなどには酸化油脂というものが多く含まれます。
油は性質上、酸素に触れたり、光に当たったりすることで酸化していきます。
この酸化した油の摂取が多くなると、さまざまな不調や体の炎症に繋がるばかりか、多くが脂でできている脳の機能にも悪影響を及ぼします。

まずは、このような摂取頻度の高い食物から見直していき、無理のないように続けていくことが重要です。



◎タンパク質を忘れない!

私たちの体の細胞は全てタンパク質からできており、それらの細胞は日々新しいものへと入れ替わっています。
心も同様に、感情や喜怒哀楽を作るホルモンの主材料となるのが、タンパク質です。

そのため、その原料となるタンパク質を毎日・毎食しっかりと新しいものを入れてあげることが重要です。
毎食、お肉やお魚、卵、大豆製品などを必ず1品入れるほか、副菜やお汁にもタンパク質を入れる工夫も必要です。




<レシピ>

〜ローストポークの新たまソースがけ〜



【材料】(4人分)

・豚肩ロース(塊)……300~400g
・塩……肉の重量の0.8%
・ニンニク(みじん切り)……1片
・新玉ねぎ……1/2個
・ニンニク……1/2〜1片
▼▼▼ A ▼▼▼
・しょうゆ……大さじ1と1/2
・酢……大さじ1
・酒……大さじ1と1/2
・みりん……大さじ2
▲▲▲ A ▲▲▲


【作り方】

  • ① オーブンを180℃に予熱し始める。豚肉は全体にフォークで穴をあける。
    ニンニクは、みじん切りにして塩と混ぜ、豚肉全体によくすり込み、常温で15分ほどおく。
  • ② 新玉ねぎとニンニクをすり下ろし、Aの調味料と一緒に小鍋に入れて、弱火で5〜10分ほど煮詰めて、粗熱をとっておく。
  • ③ 天板にオーブンシートを敷き、豚肉をのせて180℃に温めたオーブンで25~30分程焼く。
  • ④ 焼きあがったら、しばらく置いて肉汁を落ち着かせ、5mm程の厚さにスライスし、器に盛り、ソースをかけてできあがり。
    *お好みで、キノコ類や野菜などを豚肉と一緒にローストして添え、ソースで召し上がるのもおすすめです。
 



タンパク質とビタミンB群豊富な豚肉に、ストレスから身を守る抗酸化作用や腸内環境を整えるオリゴ糖が豊富な新玉ねぎを合わせ、簡単にできるメイン料理にしました。

焼くだけで簡単にできるローストポークですが、これに旨味と甘味の強い新玉ねぎのソースを添えることで、少し手の込んだお店のような味になります。

美味しく、タンパク質もたくさん摂れますのでぜひ一度作ってみてください。




◎旬のものを頂く重要性

日本には四季があるため、1年を通してさまざまな「旬」の食物がとれます。
旬を迎えた食物は最も美味しく、栄養価が高まっているだけでなく、夏なら体を冷やし、冬なら温めるといったように、私たち人間が季節や環境の変化を乗り切る上でも、重要な働きをしてくれます。

農作物の栽培技術が進歩し、季節に限らず1年中さまざまな食物が手に入るようになりましたが、自然と食物から力を頂く上でこの旬を意識することは大切であり、私たちの体にとっても旬の物を食べることは理にかなっています。



<レシピ> 

〜春のごまダレごちそうサラダ〜



【材料】

・春キャベツ……1/8個
・アスパラガス……3本
・スナップエンドウ……5本
・茹で卵……2個
・えび……6尾
▼▼▼ A ▼▼▼
・すりごま……大さじ2
・マヨネーズ……大さじ1
・酢……大さじ1/2
・はちみつ……大さじ1/2
・しょうゆ……大さじ1/2
・ごま油……大さじ1
・塩……小さじ1/5
▲▲▲ A ▲▲▲


【作り方】

  • ① スナップエンドウはさやを除いて、アスパラと一緒に、沸騰したお湯で1分茹で水気をきり、食べやすい大きさに切る。
  • ② 春キャベツは、太めの千切りにして、沸騰したお湯で30秒さっと茹でてよく水を絞っておく。
  • ③ えびは殻をむき背わたを除いて沸騰したお湯で30秒〜1分ほど茹でて水気をきり、食べやすい大きさに切る。
  • ④ 茹で卵(沸騰したお湯から9分ほど茹でたもの)は1個を8〜12等分に切る。
  • ⑤ ボウルに、Aの調味料を加えてよく混ぜ合わせ、全ての具材を入れて全体をやさしく和えたら出来上がり。
 



旬の春野菜をたっぷり使い、卵とえびのタンパク質もしっかり入れて、子供から大人まで食べやすいごまダレ風味のサラダにしました。

独特の苦味や香りをもつ春野菜は、ビタミンA(βカロテン)や、ビタミンB群、ビタミンCといった栄養素を豊富に含んでおり、体内の代謝を高め、デトックス作用、ストレス緩和作用なども期待できます。

また、春キャベツや新玉ねぎのように、厳しい冬を土や雪の下で過ごしゆっくり成長した春野菜は、水分も豊富に含まれ、柔らかく、甘く美味しいのも特徴です。

ぜひ、この時期に美味しくパワーに溢れた春野菜を楽しんでみてください。

 

 

管理栄養士
浅田ゆうき先生

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